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ff(フォルテシモ) [あの日から今日まで]

彼女との電話の後、私の心は震えていた…。

思いがけず知ることとなった”彼の本心”

嬉しくないはずはないでも、喜びに胸が踊るといった気持ちにはなれないでいた…。

奈央の”アシスト”で私は全てを知った…。本来ならば彼女が私に出してくれたこの”パス”は中田英寿はたまたベッカム級のピンポイントを外さないファインプレーと言っても過言ではない程のものだ…にも拘らず私の心は震えていたのだ

それが何故か?は私自身が一番わかっていた…。

彼女との会話の中で私が「何で奈央にはそんなにあっさり本心をさらけ出せたのかな?」と洩らした…。(ジェラシーではなく素朴な疑問として。)

彼女は「じゃあ、美由は何で私には素直に話せるの?ma-saも同じじゃない?”好き”って気持ちが時として邪魔になるコトってあるんじゃない?二人が同じ気持ちな証拠よ…。」と笑った。

でもその答えを聞きながら気付いてしまったのだ…。

≪私”だけ”が全てを知った≫それはきっと”彼”にとっては掟破り以外の何物でもない!ということに…。

確かに彼女の言ったコトは間違いではないとは思う。けれど、”彼”と”私”の場合は少し事情が違う…正確に言えば”彼”は違うということなのだ。

≪…言うなよ!≫と言った”彼”の言葉はテレ”まだ言うな”という意味ではなく、≪言うつもりはない!≫という意味で使われた言葉に違いないのである。

これは、私の”憶測”や”誤解”ではなく、紛れもない事実として確信があった。なぜなら、今まで幾度となく交わされた会話の中で彼自身の口から何度も聞いているからに他ならない。

”俺、子供たちが自分の力で生きていけるようになるまで、自分の人生は棚上げする。それからでも自分のやりたい事やれる自信あるし…。”

そう平然と言ってしまえる”彼”だから大好きになったのだと思う。

そして、本当にそうしてしまうであろう”彼”だから愛おしいと想う。

”彼”を大切に想うのであれば、そう言う”彼”の思いも全て尊重してあげられる私でなければならない。

そうでなければ、”彼”が自分の人生を再び考える事が出来るようになった時に隣に居ることはおろか、その人生の側を歩くのは私ではない。

だけど、私は全部知ってしまった”彼”の気持ちも”私自身”の気持ちも…。

なのに、ここへ来て尚更、私の心は余計に臆病になって震えている…。

≪美由のコト好きなの?≫ ≪そういうコトなんじゃね?≫

この言葉を抱きしめていれば、いつかこの心の震えは止まるはず。

ちょうど”彼”が夢に向かっている頃、流行っていた歌の一節を思い出した…。

 ♪激しく昂ぶる夢を眠らせるな あふれる想いを止められはしない~♪

 そう…こんな気持ちになれるまで、もう少しの時間が必要。

その時が来たら迷うことなく”告白”しよう その時の強い想いと一緒に今の震える想いも全部…”彼”に。

 


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