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ねじれたハート [あの日から今日まで]

”彼”との最後であろう電話を切ってから…ひとしきり泣いた。

何時、何がきっかけで、ボタンは掛け違えられてしまったのか?そう思わないではなかったけれど…どちらかといえば、そんな事はどうでもよかった。

むしろ、この時の私には、それが誤解であったにせよ”彼”にそう思われてしまった事が重く圧し掛かっていた。

誤解を招くような何かが”彼”の目に映った、或いは、耳に入った時…。

”アイツはそういう事が出来る女ではない。”と思われなかった事がひどく悲しくて、やりきれなかったのだ。

それと”彼”の口から二度もくり返された”関係ない”の言葉。

どんな意味合いで遣われたか?の問題ではなく、受け止めた私の気持ちの問題で、何もかも全否定されたような気がしていた。

(当時はまだ、携帯電話がやっと一般的になり始めた頃で、今の様にメールで会話するなどという事はない時代だったと思う。)

何かが起きてしまってから、”…だったら”とか”…すれば”は禁句かもしれないけれど、”彼”と私を結ぶ唯一のツールが電話でなかったら、ここまで複雑にもつれた誤解は生まれなかったのではないか?と悔やまれた。

もともと電話でうまく気持ちを伝えることが苦手な私に、心に秘めた想いを悟られないように話す…といったハイレベルな芸当が出来るはずなどないのだ。

何か必要な言葉がこぼれ落ちてしまったり、余計な言葉が付録となって、間違った情報が”彼”の心に書き込まれてしまったのだろう。

”彼”の心に”Delete”キーがあったらいいのに…。

削除したい情報はたった1つだけなのに…。

≪貴方のことが大好き≫この情報を修正入力するオプションまでは望まない

 ≪社長とそういう関係…≫この情報だけを削除することが出来たらそれでいい…。

”彼”への想いを”封印”しなければならない覚悟は出来ている。

それが出来ないのであれば、唯一の接点である”あの場所”から去らなければならないのもわかっている。

 それでも尚、”彼”のコトを≪大好き≫なこの気持ちだけは、どんな過去の事実があろうと、誰も私から取り上げられない。それくらいは許されたっていいはずだ…。

どちらにせよ、この”誤解”が解けない限り…

私の心はいつまでもねじれたハートのままだ。

 

 


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