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泣き笑いの二次会 [あの日から今日まで]

今回の≪イチゴの会≫は緊急招集だったにも関わらず、前回から一年以上のブランクがあった為、遅刻・早退はあったもののフルメンバーで会する事が出来た。

いつも通り、ブランクを感じさせないハイテンションぶりは健在で、外見の変化とは相反してあっという間に女子高生ノリになれてしまうこのメンバーを愛おしいと思ってしまう。(周囲の人たちは失笑していたに違いない)

ただ、今回の私はこの”愛すべき仲間たち”との数時間を同じ気持ちで過ごせたか?と言われたら…ゴメンナサイをしなければならないだろう。

”心ここにあらず”または”うわの空”そんな感じたったと思う。

その”うわついた心”の行き先は言うまでもなく、その後の二次会へ。

(どんな言葉で切り出そう…)とか(どこまで話そう…)などと同じ考えが頭の中で堂々巡りしていたのだ。

「美由、途中で降りればいいからタクシー一緒に乗って帰る?」

みんなに不自然な感じや不快感のないように、今回に限り秘密の時間を過ごす為の彼女の提案に促されて、何時とは言わないけれど必ずある次回の約束を交わし、みんなと別れた。

その後、二人でゆっくり話せる店を選び席につくまで、私は私で、彼女は彼女でこれから話す事、聞く事についての心の準備をしていたのであろう…重苦しくはない当然の沈黙がそこにあった。

私が沈黙を破った。

「何でわかったの?」

「いい男だもん…(笑) 毎日会ってたら惚れるでしょ?」

「そうゆう事じゃなくて…私の何で?ってことよ」

「私が電話してって言ったら、私の番号をma-saに渡したじゃない?」

「うん…それだけ?」

「どれだけお互いの恋愛見てきてるのよ?(笑) 美由は私とma-saが話す所を見たくなかったンだよね!違う?」

図星だ…参りました。)

「違わない。」 (ここまで言われたらもうふくれっ面の子供になるしかない)

「ma-saは変わっない。でも、今の彼が抱えてる物は美由には重過ぎない?」

「……。」

「”もう結婚なんてしない”って言ってる男でいいの?」

「知ってる。でも好きになっちゃったンだもん。」

「私が言うんだから間違ってない。気持ちがね、イイ男なの。好きになっちゃったら嫌いになる要素がないの。だから美由みたいな女は、今のma-saには泣かされるだけよ。」

「泣かされるも何も…片想いだから。」

「ううん…。私、ma-saと話した時に感じたの。今は気づいてなくてもma-saはきっと美由を好きになるよ。」

「そんなことわかんないよ!」

「今はね。でも、いつか同じ気持ちになったら…の覚悟だけはしてないといけないと思う。だから、その時の為に私が気づいてる事をどうしても美由に伝えておきたかったの。」

こう言った奈央も、聞いた私も泣いた。

その時(”彼”が電話の時に奈央が泣いちゃった。)と言っていたことを思い出して、あの時すでに私の気持ちに気付いていた奈央は”彼”の話を聞いて泣いたのではなくて、私を思って泣いてくれたのだとわかった。

「私がつまづいた男に、何で美由まで今更この年でつまづくかなぁー」と泣き笑いの彼女。

私も「つまづいて転んでも起き上がればいいじゃない?」と無理して笑った。

そんな覚悟があったわけではないけれど、私のために流してくれた涙に少しだけ報いることが出来たら…と思った。 

 


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