”彼”の誕生日② [あの日から今日まで]
pi.pi.pi.
握り締めていた携帯がいきなり鳴ってびっくりして落っことした
しかも!さっきまで呼び出していた名前で”チャクシン”になっている。
急に酔いが回って、頭も心もグルグルした状態で電話に出た。
「こんばんは、今日はありがとう。さっきまで奈央と話してた。」
「うん。奈央から誕生日だから…って電話はいったの」
「俺の事、何にも話してなかったんだなー。奈央びっくりして泣いちゃったよ。」
(そんな事言われたら、私が泣きたいくらいよー!!!)と思いながら
「ごめんね、でも私が話す事じゃないと思って…。」と言うので精一杯だった。
更に酔いが回った気がしていた。ヤバイ!!!このままだと、きっと泣く。
そう予感して、キャッチなどつけていないのに「ごめん、電話入った」とウソをついて切ろうとした。
「プレゼントはもらったけど、おめでとうって言われてないんだけど…」
「もう日付が変わっちゃったから、来年ね!」 (自爆)
「あ!本当だ・・・オヤスミ」
「ごめんね、また明日」泣き声になるギリギリだったと思う。
自己嫌悪、自業自得にプラスアルファ ”ジェラシー”
この時期の私はどうにもならない程厄介な”乙女チック症候群”に陥り、些細なことに一喜一憂しては泣いたり笑ったりを繰り返していた。
少し時間を空けて、また電話が鳴った…”彼”だ。
「やっぱさーおめでとうって言わない?(笑)」
夕方からの態度で何かいつもと違う空気感が伝わったのだろう、”彼”のそうゆう事への直感はハズレがない。
「お誕生日おめでとうございまし’た’」とちょっとふざけて言ってみた。
「ありがとうございまし’た’」と速攻で答えてくれる”彼”
そしてまた”大好き”が私の気持ちを大きくしていくのである。
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