電化製品は最新機種が最高の製品じゃない!!「PSE法」緩和の署名にご協力ください [AV機器]
電化製品は、新しいものの方が性能が良い。
わりと多くの人がそんなふうに思い込んでいるようですが、実はそうではありません。
電化製品の中でもAV機器と呼ばれる、オーディオ(A)ビジュアル(V)に関するものは、特にその傾向(最新機種が最高機種ではない)が強い電化製品だといえます。
たとえば、VHSを再生するビデオデッキ。
現在ではすっかりDVDレコーダーに押されてしまい、電気屋さんではDVDレコーダーより安く手軽なタイプのものか、DVDとひっついているタイプのものしか見かけなくなりました。
まだ、DVDレコーダーが登場する前。
映像を記録し再生する機械といえばVHSだった時代には、VHSデッキの種類も豊富でした。
再生画質にこだわりぬき、定価が20~30万もしたVHSデッキの名機(HR-20000、BS900)たちもこの時期に多く作られています。(当然、これらの名機たちは現在は生産は終了しています。)
この現在は生産されていない、名機たちと、現在、売られているVHSビデオデッキのなかで最も画質がよいものとの画質を比較すると、ぶっちぎりで10年前の名機の方が優れています。
一体、なぜか?
やはり、高品質なものを作るにはコストがかかり、そのため定価も跳ね上がります。
それでも、需要があれば製品は作られつづけますが、現在、映像の再生の主役はDVDになっている今、VHSを最高画質で再生できるデッキがほしいという方は、きわめて少数のため採算があわないため生産されなくなってしまったのです。
そのため、今、VHSのテープを手に入れて、それをできる限りの最高画質で観たい!!
と願った場合、電化製品の中古を扱っているリサイクルショップを回るか、ネットオークションにだされている、過去の名機たちを探し出し、購入するという方法をとらなければならないのです。
とりあえず、VHSのビデオデッキを例に挙げてみましたが、他にもデジタルビデオカメラや、レコードやテープ、DATの再生機器の多くも現在、生産されている製品よりも実は、既に生産が終了している何年も前の製品の方が、能力が高く名機と呼ばれるものがたくさんあります。
どうして突然、こんな話をしたのかというと、実は、今年の4月からとんでもない悪法が、施行されてしまうことをしったからです。
その悪法とは「電気用品安全法」(PSE法)。
これは、2001年より以前に製造された電気製品などの販売を禁止するという法律です。これにより、PSEマークのついていない過去に発売されたAV機器が一切売買できなくなります。
つまり、4月からはリサイクルショップやネットオークションで2001年以前のAV機器が買えなくなってしまう=名機を手に入れることができなくなってしまうのです!
なんてこった!!!!
このPSEマーク。
経済 産業省に申請した販売者が経済産業省の定める一定の検査方法に於いて自主検査を行う事が必要で、罰金も含め、機器に対して全責任を負うリスクが必要となるとされており、はっきりいって、マークを取得するのは、かなーりめんどくさいもよう。
この法律のせいで、リサイクルショップがバタバタとつぶれてしまうんじゃないか?とさえ言われているほど。
また、私のような、フリーランスで映像や音楽をやっている人たちにとってもこれまで中古で買えていたものが買えなくなるのは、かなりの死活問題(中古と新品では値段が全然違う!!)なので、この法律の存在を知って、かなり困窮してたりします。
てか、テレビや新聞でこの話題が施行まであと2ヶ月という時期まで全くとりあげられなかったのはなぜ?政府の圧力??くっそぉ!!なんとか、この法律、今から「なしよ」ってことにできないのか!!??
と、思っていたら、規制緩和を求める署名運動が始まったようです。
発起人は、シンセサイザー等の電子音楽機器の先駆者である、あの坂本龍一!!
さすが、教授!!頼りになる!!
って、ことで、この記事を読んで、ちょっとでも共感してくれた方は、署名のほうもしていただければ幸いです。私は、さっそくしてきました。
署名運動が大きな流れになって、この悪法をなんとか無くすなり、もっと緩いものになるなりということになればいいと、心から願ってやみません。。
いくつか勘違いされてる部分があるので訂正を。
この法律自体は施行されたのは5年位前です。
ただいきなり全面禁止にするといろいろと問題があるからということで
猶予期間が設けられて、今回その期間が終了するというのが事実です。
まぁ結論は一緒ですが。
あと今回禁止されるのは電源内蔵の商品でACアダプタ使用のものはあと2年の猶予期間が残ってます。
自分に資金的余裕あれば今頃欲しい機材を安く大量に買ってるんですけどね。
by 鎖 (2006-02-28 18:02)
こんにちは。先日はniceありがとうございました。自分の記事にも書いたんですが、PSE法は内容の問題とともに国民への説明がちょっとルーズかなと思っています。十分な理解を持つ前に「これは駄目です」と言われても困ってしまいますし、それはちょっと怖いことだと思うのです。
by Buji (2006-03-01 00:57)
TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきますね。
中古品に関しては、これも法律に含めるという話になったのは昨年11月になってから、HPに掲載されたのは今年になってからです。それまでは中古品は含まれないという認識だったと思われます。楽器や家電製品ももちろんなのですが、大型の工業機械や農業機械の資産価値が0になってしまうなど、まだまだ知られていない問題がたくさんありますね。
by 皐月透 (2006-03-01 02:06)
>鎖
補足ありがとう!
そうか、すでに施行されてるんだね、この法律。さすが、博識だなぁ。もしかして、5年前から知ってたりするのかな、この法律のこと?
俺も、このPSE法が4月から施行されることを知って、かなり真剣に中古で欲しかったデッキやDVカメラ等を買おうか悩んでいたんだけど、ACアダプター使用のものは2年後ってことはDVカメラはまだ猶予があるみたいだね。もちょっと悩もう。
>ふじのしん さん
コメント&Niceありがとうございます!
多くの法律がPSE法のようにほとんど誰もみることがない官報のみで告知されているのかも知れませんね。いつか危険な法律がそんなふうに施行されてしまうかもと考えると、たしかにぞっとしてしまいます。
政府は、もちろんのことですが、マスメディアが、もう少しそのような怪しげな法律に目を光らせて世間にそのことを知らしめてほしいなぁと願ってやみません。
>皐月透 さん
コメント&TBありがとうございます。
昨年の11月ということは、猶予期間がきれるたった半年前に!!!
ちょっとひどいですね、それは。
政府が考えている以上に、この法律のせいで多くの人の生活が追い詰められる危険性がありそうですね。
また、間接的にも粗大ゴミの不法投棄が増えてしまうのでは?という意見もあって、この法律、「百害あって一理もあるのかな?」と疑ってしまうしろものですね。
by Cinemanabu (2006-03-01 11:49)
はじめまして。 TBいただき、ありがとうございました。
折角いただいたのに、気づくのが遅くてすみません。 TBの意味を理解してからと思い、「最近トラックバックされた記事」を隠しておりました(^^;) 相手に「引用したよ」、「読んだよ」というお知らせみたいなものですね。
初めてから二ヶ月、読んでくださる方増えないかなぁ(T_T)と思ってましたが、こちらを拝見して、文字のサイズを変えるなどいろいろと工夫されているのがわかりました。 自分もいろいろと試してみます!(また遊びに来ます。)
by kuracchi (2006-03-07 00:17)
>kuracchiさん
コメントありがとうございます。
コメントは、どんなタイミングでいただいても嬉しいので、いつでも問題ないですよ☆
kuracchiさんにとって、私の記事が参考になったみたいで嬉しいです。いろいろと試行錯誤するのも、また楽しい作業だと思いますので、頑張ってください♪
by Cinemanabu (2006-03-07 10:49)
トラバありがとうございました。僕は気づくのが遅くて、署名間に合いませんでした、、まさに悪法ですよね。。
by singuitar (2006-03-12 21:53)
>snowy さん
コメントありがとうございます。
施行は5年前とはいえ、今年の4月から中古家電で販売できなくなるものが、出てくる直前になって多くの人が知ることになったこの法律。
周知不徹底だったことを経産省は認めたのですが、見直しはしない方向のようですね。
残念でなりません。
by Cinemanabu (2006-03-13 12:09)
TBありがとうございます。経産省や強弁している「猶予期間」なるものですが、実は中古品を対象にしたのは正式には今年からです。だから今になって、中古業界が大騒ぎし始めたというのが真相。マスコミの勉強不足もあってあまり知られていないのですが、この点にPSE法の真相が隠されているように思います。得をするのは誰なのか、誰が困るのか。でもこの間の世論で、この法律を巡る動きが、ずいぶん変化してきたように思います。
by Mosel (2006-03-20 22:07)
>Mosel さん
コメントありがとうございます。
この法律、調べれば調べるほどに一体、誰のために作られたのか考えてしまうような法律ですね。
4月を目前にして「ヴィンテージ」は除くという緊急措置を発表しましたが、そもそもヴィンテージの扱いすらあいまいですし、楽器以外の「名機」の存在を無視したその対応は納得できるものではありませんでした。
今年に入って、急遽「中古品」を対象にいれたのならば、急遽「中古品」は除くという対応を取ってもかまわないのにと思ってしまいます。
Mosel さんが仰るように、ここ一ヶ月の間に世論の動きもあって、この法律をめぐる動きは慌しく動いているように感じます。
個人的にはこのまま、「全面見直し」という結果に落ち着くことになればと願ってやみません。
by Cinemanabu (2006-03-21 13:20)