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クリムト [映画[2007]]

出演:ジョン・マルコヴィッチ、ヴェロニカ・フェレ、サフラン・バロウズ、ニコライ・キンスキー、スティーヴン・ディレイン他

監督:ラウル・ルイス

原題:KLIMT                2006年 オーストリア・フランス・ドイツ・イギリス合作

19世紀末に実在した画家グスタフ・クリムトの物語。病床に横たわる彼が、自分が生きた日々を動乱の19世紀末とかぶらせながら物語は進行してゆきます。そして静かな終焉へ向けて・・・

クリムトは多くの人に支持されながらも、自身の作風により不当な評価を与えられ、地元ウィーンでの扱いは低いものであった。
が一方では、パリの万博で金賞を受賞するなど、彼の描く絵を受け入れる世界も存在した。
だがそれでも保守的なウィーンでの評価は上がらず、逆に『ウィーン文化全体に泥を塗るスキャンダル』と罵倒されてしまう始末。
それまで彼の心強い支持者であった大臣までもが彼から離れていってしまうことに。

その窮状を知ってか知らずか、彼はマイペースに自分の道を突き進むのです。

パリでスクリーン越しに出会った女性、レア。それは彼が夢に見続けてきた運命の女だった。
彼女をひと目見た途端に、彼は彼女のとりこになってしまった。
彼女は夢の中の女なのか、それとも実在する女なのか・・・・・・
現実と夢の狭間に落ち込んでしまっても、彼は彼の道をマイペースに進むのであった・・・・・

 


マルコヴィッチ、この役柄がとってもマッチしていたと思うのですが・・・。最前に見たのが『エラゴン』のガルバトリックスというこれまたはまり役っぽい(だけど出番が少なかったね)だったので、本当にこのおじさんたら、スゴイって思いますよ。
今回の役柄は一風変わった芸術家ですからね。ヨレヨレのスモックを着て作業してるんですが、そのだらしなさがこれまたセクシーさを倍増させてるんですよ。

衣装も素敵でした。
彼のヨレヨレもすごかったですが、19世紀末の上流階級の女性たちの装いは、とってもファッショナブル。展覧会やなにやらの度に衣装を新調していたんでしょうか?そうなんでしょうね~。みなさん趣向を凝らした衣装にスゴイ帽子を合わせていて・・・かっこいいです。

作品中に、女性の裸体がわんさか出てくるのですが、不思議といやらしさなどは感じられなかったですね。布製のブランコみたいなのに裸体の若い女性が数人ぶらさがっていたりしても、なんというか・・・シチュエイションは限りなくエロいんですが、そこにいやらしさは無い感じ。

クリムトという人、数限りないモデルたちと関係を持ったそうなんですが(子供が30人以上いたとか!)、ただ一人真実の愛を感じている相手には、唇にさえキスをしないという徹底したプラトニックぶり。もちろん彼女とは寝ることもなし。それが彼流の究極の愛の表現だったみたいです。
・・・なんとも難解ですなぁ。
それにちゃ~んと応えていたパートナーのミディもすごいです。その陰には葛藤もあったのでしょうかね。

そのミディですが、自立した女性だったみたいですね。
姉妹でブティックを経営していたらしいので、きっとそこらへんからくる自信も彼女を支えるのに一役買ってるのかもしれません。
『緑川蘭子か!!』というようなボリュームたっぷりの髪型が、ちょっとあこがれ~♪

クリムトの愛弟子のエゴン・シーレ。彼を演じていた役者さんが、とっても「くりぃむしちゅー」の有田に似ていて、笑えました。でも彼、あの『ナスターシャ・キンスキー』の弟らしいです。『イーオン・フラックス』にも出てたみたいですね。再チェックしよっと。
顔の表情だけで演技できるような、なんかクセモノ系の臭いのする役者さんなので、これから要チェックですね。

クリムトだけに見える謎の書記官を演じたスティーヴン・ディレイン、『GOAL!』のグレンじゃないですか~~!!

私はこの作品を観るまで『クリムト』なる画家をよく知らなかったので、作品を観る上でちょっと損をしたかな~と思ってます。流れを追うばかりで、彼の世界観とか心情などに注目する暇がなかった。もっと基本を押さえていれば、物語も違った角度で楽しめたのに~・・・。
以後このような形の作品を観る前には、事前に下調べをしてから観ようと思いました。

公式HP--→ http://www.klimt-movie.com/


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さなか

友人がウィーンから帰国した時のお土産がこのクリムトの「接吻 」のパズルでした。それをばらしていそいそと仕上げていたのですが・・・途中で挫折しました(号泣)

この映画はグッズに確かあぶらとり紙があったかと思うのですが、実はそれが欲しいとか思ってます(映画に関係ナッシン!)

クリムトの生き様なんて知らなかったから難解な究極の愛のくだりなんてまさに「へぇ~」って感じです。
機会があれば観に行ってみようかと思います。
こっちは3月公開なので(笑)
by さなか (2007-01-09 00:00) 

うるる

クリムトの絵には全く興味がなかったので、この映画にも関心がなかったのですが、へ~、マルコヴィッチがクリムトですか! しかもヨレヨレでだらしなくてセクシーなんですか! じゃ、見よう(笑) でも、たぶんこのあたりじゃ上映されなそうだからDVD待ちになるかな。
by うるる (2007-01-09 10:45) 

まみりん

一酷堂さん、こんにちは~。
パンフレットの裏表紙が接吻の絵(ちっこく)なのですが、あれのパズルは完成不可能じゃないですか??同じような模様の連続に、精神がプッツリ切れそうな予感が・・・(笑)
とてつもなく素敵なお土産でしたね~。
映画グッズ・・・これを上映していた映画館が、グッズ販売意欲の薄い劇場でして・・・。時々サントラを見かける他は、大きなシネコンのような品揃えが無いんですよ~。あ~、残念。

うるるさん、こんにちは~。
ヨレヨレというか、『素』がぽけ~とした感じなので、なんともいえずいい味を醸し出しているんですよ~。
ちゃんとフォーマルな衣装も着てるんですが、きちっと着ていてもなんとなくヨレヨレな感じなんです。
スクリーンで確認してください!!
by まみりん (2007-01-09 17:07) 

うるる

スクリーンお勧めですか? 実はいいタイミングでもうすぐ市内で上映されるようなんです。でもいつもの、行こうと思いつつなかなか行けないミニシアターなので微妙ですが。
by うるる (2007-01-09 18:01) 

まみりん

あ、別に音響がポイントとかいうのじゃないので、スクリーンに固執しませんよ。彼のストーリーを綿密に追いかけるには、逆にスクリーンだと大きすぎるかもしれないです。
なので、タイミング良く観れそうな場合以外では、無理してでも行って!という感じじゃないかもしれないです。
これはうるるさんの好きそうなヨレヨレかなぁ・・・?
by まみりん (2007-01-09 19:05) 

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