海を飛ぶ夢 [映画[2005]]
出演:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、マベル・リベラ他
監督:アレハンドロ・アメナーバル 2004年 スペイン・フランス
原題:MAR ADENTRO 原作:ラモン・サンペドロ“LETTERS FROM HELL”
ネタバレ含む。
尊厳死、という重い題目を語るストーリー。不幸な事故で四肢不随になってしまった主人公ラモンが、自らの生を問い、尊厳死を実行に移すまでの日々を描く。生とはなんなのか?同じく死とは何を意味するのか。そして命は誰のものなのか、を深く問い詰めてゆく。
ラモンは25歳の夏に、引き潮の海にダイビングジャンプをして首の骨を折ってから、四肢不随の生活を送っている。自分ひとりでは何一つ出来なくなった彼だが、涙は決して見せまいと、いつも笑顔を絶やさないでいた。そんな彼の願いは一つ、尊厳死を迎えるという事だった。それぞれ思惑の違う家族や、彼の尊厳死宣言によって知り合った人達を巻き添えにして、彼の計画は着々と進んでゆくのであった。
主演のハビエルは、若い時代と老いた時代を1人で演じてるのですが、どちらかというと、若い時代の方が無理があるかな~?彼は問題作『夜になるまえに』の主演男優さんです。めっちゃくちゃ濃ゆ~い方です。顔がとにかくデカイので、画面に映るとそれだけで圧迫感。題材の重さも加わって、とんでもないことになってます。でも、彼の演技は圧倒される巧さです。
四肢不随の原因となった海の事故のシーンが何度も出てくるのですが、これがまた画面いっぱいに溺れそうになってる彼の顔でしょ?もう、凄い。
年老いたラモンは、ちょっとハゲっちょびんになってるのですが、これがまたしっくりと合ってて。深みのある顔だね~。で、若いラモンは、これでもか~なくらいに危険極まりないセクシーさ加減だし。
死に関する解釈の仕方が、個々で違うわけで、そこですれ違いなどが生じてくるのですが、作品中でも言ってましたが、誰が正しいのかなんて、こればかりはわからないですよね。自分が正しいと思ったことが、自分にしてみれば正しいので、人の数だけ答えがあるのでしょう。
自分がラモンだったら、あるいは周りに居る人間だったら・・・自分はどんな行動をとっただろう。自分自身なら自分で決めればいいけど、そうじゃない場合は、ラモン(当事者)との関係がどのようなものかによるね。
生きてる限り必ず訪れる、死。どう受け止めるか、もう考えてもいい頃かな?
観客層は、むちゃ高かった~。60過ぎてるであろうカップルが多かったです。
うむ、これはなかなか良いですよ。
追記:これで聞き取れたスペイン語があるんですよ!!『ミッチェル・サルガド』映画の中でテレビでサッカー観戦してる時に、テレビの中の解説者が彼の名前を言ってた。他にもちょろちょろと名前でましたが、フルネームで呼ばれてたのは彼だけなので、印象に残ったのかな?・・・・・・・・・・っていうか、全然スペイン語じゃないじゃんっ!!聞き取れたって言うな~っ!!