運命を分けたザイル(TOUCHING THE VOID) [映画[2005]]
出演:ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン、本人達。
監督:ケヴィン・マクドナルド ドキュメンタリー映画が得意らしい
あらすじ ネタバレ勿論含む
1985年、英国の若き登山家ジョーとサイモンが前人未踏の山、標高6344メートルの難関シウラ・グランデ峰に挑んだ。歴史にその名を残す為、彼等は無理だと思われた前人未踏の西壁に果敢にも挑戦し、そしてなんとか頂上に辿り着くことができた。でも、試練はこれから。山岳事故の80%は下山中に起きると言われている。無理をして登った為、下山ルートの確保が出来なかったのだ。それでも降りないわけにはいかず、様々な箇所を試すうち、ほんの少しの気の緩みから、事故は起きてしまった。ジョーが不意に足を滑らせて、右足を骨折してしまったのだ。まだ数百mしか降りていないのに、ここで足が使えないということは、つまり『死』を意味する。パートナーのサイモンに打ち明けるが、『助けを呼ぶから』と言い残し先に行くものだとばかり思ってた彼は、何も言わず彼と共に降りる道を模索する。なんとか降り始めた2人だったが、あと少しで一つの難所を越えられると思ってた矢先、不測の事態が起こった。先に滑らせて下ろしていたジョーが、崖からぶら下がってしまったのだ。視界は悪く、声も届かず、何の反応も得られなくなってしまい、ここでサイモンは究極の選択を迫られる事になる・・・・・。
ものすごく、観ていて緊張を強いられる映画でしたよ。ドキュメンタリーで、しかも本人達が所々で顔を出してるにもかかわらず、ドキドキしてしまって・・・
その内容から、鑑賞中ジュースを飲むのまで躊躇させられてしまいました。なんか飲めないよね。(だって、スクリーンでは水も食料もなくて、しかも寒くて痛くて死にそうで・・・・・)
題名の運命を分けたザイル・・・これを聞いたときは2人のうちのどちらかが死んだのか?と、単純に考えたのですが、これは観た後で考えると深いです。
ザイルを切ることは、山岳家の間では究極のタブーらしく、帰国した彼らを待ち受けていたのは、サイモンに対する激しいバッシングだったらしいです。そして、それを見かねたジョーが、あの時の真実(つまり、切らなくては2人とも助からなかった事など)を本にしたんだそうです。1本のザイルが、二人の運命を分けてしまったのですね。
で、この旅には、あまり役に立たなさそうな、旅先で出会った一人の男が途中まで同行していたのですが、彼はどちらかというとサイモンの方が好きだったらしいんです。で、サイモンが一人でキャンプに戻ってきて、ジョーと別れた経緯を説明し、彼は死んだと言ったときも、決して彼を責める事はなかったそうです。でもこれ、もし反対だったらどうだったのでしょう?戻ってきたのが、あんまり親しみを持っていなかったジョーだったとしたら・・・そんな事を考えてしまいました。
すっごく重いテーマの映画です。
ロケもすごいし。命がけだったんじゃないでしょうか?この撮影。
氷河に行ってみたいとず~っと思ってましたが、なんか危ない?
ちょっと気になったマニアック系の作品。
- ライフ アクアティック ビル・マーレイ主演
ディズニーシーの海底2万マイルみたいな乗り物に乗ってる写真。マニアックな期待を裏切らなそうな感じ。いい感じ。
→ここに。http://www.movies.co.jp/lifeaquatic/