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つれづれなるままに [日々雑感]

3月10日現在で、大震災の被害者は
死者、行方不明者、震災関連死者あわせて2万人を超えたという。
この数字をどう見るか。
私はこの数字が嫌いだ。
幼子も、学生も、働き盛りも、老人も一人の命を単なる1として
見ている。
その一人に対して、どれだけの嘆きや、関係者の苦しみがあるのか
この数字にはそれが表れない。
文明国家としては、死者の横たわった写真も見ることはなく
あの混乱時に遺体がどう処理されたかもわからず
数字だけが一人歩きしている。
実際は戦争以上の惨禍である。
だから、時々テレビや新聞で取り上げられる方たちの
辛い思いを想像は出来、涙をこぼすが
それはほんの一握りの方たち
どこまで、その痛みを感じるかは、本当に難しい。
被災地に友人や親戚がいないので、私もその思いは希薄かもしれない。
ノンフィクション作家の石井光太氏
彼は震災直後に釜石市に入り
おびただしい死体の処理に奔走した人々に取材する。
私たちは無意識に、数字として人の死を遮断してしまうが
現地では、ありえない作業に昼夜を問わず奔走した方が多い
著書の「遺体」震災、津波の果てには
見えないものを感じる要素が多かった。
現実を直視する事から、理解は始まると思う。
御巣鷹山の事故のときも
「墜落遺体」という本を読み事故の何たるかを
いくばくかでも理解できた。
直接経験できなくても、これらの本を読むと
死者1が単なる数字ではないと気がつく
天童新太氏の「悼む人を以前に読んだが
詳細は省くが、心を揺さぶられた小説である。
主人公のような悼む人にはなれないが、
心の片隅に、その思いを少しでも持ち続けたいと思っている

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