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なんちゃってコーギーのはなちゃん [はなこ]

はなちゃんは、1人暮らしのおばあさんと一緒に住んでいた子です。
そのおばあさんの足が悪くなりうちが引き取った子です。

うちに来た時に玩具やブラシなどと一緒に
「血統書」もありました。
そこには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と書いてあったのですが
どうも、コーギーには見えない。


目の形などはコーギーかな?とは思うけど
耳の形や位置・体型など違う気が・・・。

「足の短い柴犬」とか人には言われます。

それで家で「なんちゃってコーギーのはなこ」と言われてます(笑)

「コーギーで」も「MIX」でも「なんちゃって」でも
はなちゃんは、はなちゃんだから別に良いのですが。

はなちゃんは人間が大好きでした。
どんな人にも甘えちゃうような子でしたが、ある日変化が・・・。

このお話は2年ほど掛けての出来事で少し長くなりますが
やっぱ考えさせられる事が多い出来事でした。

はなちゃんは昼間は外、夜は家の中で生活していました。
人間大好きっ子ですから
沢山の方に声を掛けてもらったり
遊んで貰ったりしていました。

わざわざはなちゃんに会う為に来ている人も居たくらいです。

ところが何時の日からか子供が通ると吼えるようになりました。

うちの家の前は通学路だったんです。

ある日の事、いつもはなちゃんに声を掛けてくれるおばさんが
「今日ね、はなちゃんの頭を撫でようとしたら噛む素振りを見せたのよ、
こんな事今までなかったのに・・・どうしたんだろうね」

これってもしかしたらヤバイよなあ・・・。
誰かに噛み付いたら大変な事になるし。
どうしてそんな事するのかな・・・。

その翌日の事、仕事から帰って車から降りた私が見たものは
小学校高学年の男の子がはなちゃんに蹴りを入れているところでした。

「何をしているの?」
「何にもしてない」
「何にもしてない?今蹴っていたでしょ、見てたよ」
「何にもしていない」そう言うと男の子は走って逃げてしまいました。

これで原因がはっきりとしました。
小学生に吼える事も
おばさんの手を噛もうとした事も。

はなちゃんを家の中に入れ、すぐに電話番号を調べました。

そうです、小学校の電話番号。

「繋がれている犬を蹴るってどういう事でしょうか・・・
犬が怖がって、その子を噛んでしまったら、犬のせいにされます。
犬は言い訳できませんよね?

どこの家の子かわからないので
機会がある時にでも子供達に話をして下さい」

そんな話をして電話を切りました。

この後の学校の対応はとても早かったです。
翌日の昼休みには家の前を通学路にしている子達を
体育館に集め話をしてくれました。

その翌日には「何もしていない」と言い張った子供と担任が
謝罪に来ました。
夕方にはその子の親から電話がありました。

「どうもすいませ~ん、うちの子本当は動物大好きなんですよぉ」
なあんてふざけた事言ってました。

なんじゃい・・・この親は・・・。

こんな噂はすぐに広がるものです。
すぐにその子供や親についていろいろな噂が入って来ました。

その子に苛められていると言う女の子のお母さん。
その子の近所に住む人たち。

その子は3人兄弟の一番上で
父親も母親も他の2人は可愛がるけれど
この子だけはあまり可愛がってない様子でした。

例えば旅行に行く時になんらかの原因でこの子が拗ねて
「行かない」と、言うと本当に置いて旅行に行ってしまったり、
朝ごはんも食べないで登校する時もあったそうです。
イライラしている時は病弱な女の子を苛め
階段から突き落とされた事まであったとか。

苛められている女の子のお母さんは言いました。
「あのね、本当は優しい子だと思うのよ、
うちの子は、病弱であまり学校行かないでしょ。
グループ作る時なんか取り残されちゃうの。
そんな時『うちのグループへおいでよ』って声を掛けたりしてくれたのよ」

この子はそんなイライラを
病弱な同級生を苛め、鎖で繋がれている犬を苛める事で
解消していたんでしょう。

数件先のももちゃんまで犠牲になっていました。

はなちゃんは、散歩以外は殆ど外に出る事もなくなりました。
家の中では猫達に「お前、何者じゃ!」と言う雰囲気でしたが。

家の前は通学路ですから
子供達の声が聞こえて来ます。
「はなちゃんを苛める人が居るんだよね」
「そうそう・・・、酷いよね」
「はなちゃんいなくなっちゃったね」

2年ほど経った頃でしょうか。

「噛まれそうになった」と言ったおばさんに言われました。
「はなちゃん、顔つきが変わったね、前の優しい顔になったよ」
おばさんが頭に手を触れても噛む素振りは見せませんでした。

特別な事をはなちゃんにしたわけではありません。
ただ、はなちゃんが嫌がっている環境から遠ざけただけの事です。

お天気の良い日に日向ぼっこのつもりで
買い物に行っている間にはなちゃんを外に出しておきました。

小学校低学年の男の子がはなちゃんに石を投げていたそうですが
向かいの病院の看護士さんが注意してくれたそうです。

低学年なら体育館での話を聞いていない子たちでしょう。

はなちゃんの小屋にひらがなで張り紙をしました。

「つながれいる犬をいじめてたのしいですか?
たのしいならそのわけをおしえてください。
あなたがやられていやなことは犬もいやなはずですよ」 


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コメント 7

mayumi さん。
本当いろいろ考えさせられます。
自分より弱い立場の人間、動物などを苛めることが当たり前になってしまったので
しょうか?それを考えるとぞっとします。言い換えれば、偽善者がどれだけ多いこと
か。
少なくとも相手の痛みがわかようなココロの教育を家庭でも学校でも必要ですね。
といっても、いまの親も先生にはどうしたら良いのかわからないのかも知れません。
by (2005-01-29 21:59) 

mayumi

最近のニュースなど見ていても
ぞっとするような事件が多いですね。
人や動物・生きている者全ての「痛み」を少しでも分かって欲しいと
思いますが、仰る通りどうしたら良いのか分からないかもしれません。
現に私もどうしたら良いのか迷う事ばかりです。
by mayumi (2005-01-29 22:50) 

はじめまして。
うーむ、深いですな。最近は、死んでも生き返ると思ってる中学生が2割もいるとか、どっかで読みました。
「いじめ」から学ぶことはとても多い(両サイド経験者)と思うので、一概になくなればいいとは思わないのですが、度を越したのが増えている昨今では、一度の過ちで取り返しのつかないことになってしまうのですよね。
背で教えられる人間になりたいと願います。
by (2005-01-29 23:44) 

mayumi

4-kemo-9さん
こんにちは、初めまして。
コメントありがとうございます。
死んでも生き返ると思っている子供がいる事、私もびっくりしました。
昔もいじめはあったけれど最近のいじめは度を越していますね。
背中を見て育つのはその子、その子の捉え方によっては
良い面と悪い面があると思いますが、
背中で教えようと言う気持ちはそれなりの気持ちがあっての事で
素敵だなと感じました。
by mayumi (2005-01-30 18:00) 

parana

子供の一番欲しいものって愛情なんですよね。
3人兄弟の一番上・・・。
長男って親にとっても非常に扱いが難しいと思います。
生まれたての頃は、やれ男の子だ、跡取だのとチヤホヤされるけど、やがて下の子が生まれると、親の視線がどうしても小さい方に向きますからねぇ・・・。
母親の愛情を取られたって錯覚して、手に余る行動ばかりして、母親がそれを厳しく叱ると、さらに悪さをする・・・。
かわいくない訳じゃないけど、難しい子供だと思って親はますます下の子をかわいがる・・・。
動物を虐待する子供って、本当に虐待をしたいわけじゃないと思うんですよね・・・。
いや、虐待は悪いですよ、うん、許せないし。
でも、「どうして虐待したのか?」を親が考えてあげなくちゃ解決しないんですよね・・・。

非常に難しい問題だと思います。
by parana (2005-01-30 20:39) 

mayumi

paranaさん
苛められていた同級生のお母さんの言葉の中に救いがありました。
本当に彼は優しい子で動物の好きな子だったかもしれません。
親が彼の心の中の葛藤を見つけて欲しいと思いました。
本当に旅行に行きたくなかったのか・・・。
ちょっと拗ねてみただけなのに・・・聞いた時にそう思いました。
私もそれから会うと「おはよう」などと声を掛けていましたが
最初はびっくりしてましたよ。
最近は会わなくなってしまったけれど。
実は、その子供に会った時よりも親の顔を見た時の方がイライラしました。
by mayumi (2005-01-30 21:43) 

churin

抵抗出来ない、弱いものを苛める事は
本当の弱虫のすることですね。
何だか、現代社会の一角を見た感じがします。
by churin (2005-10-31 16:07) 

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