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29850 SBB WRm (EW.IV) / Ep.V [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 食堂(非手ブレーキ)側

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▲ 厨房(手ブレーキ)側

この食堂車モデルは、入手するのに苦労しました。欲しいと思った時は既に絶版でドイツに行った時に、販売店を幾つか巡り、そこで見つからなかったので模型交換会でようやくセット売りのバラを入手することができました。
そして、ようやくこのEW.IV食堂車をグレーのTyp.EC客車列車に組成することができました。

[実車について]
手元にある資料では、4217モデルの実車は量産先行車のため4輛しか製造されず、今回紹介する量産型モデルは19両程製造されています。興味深いのは、量産先行車は比較的冒険を試みるのですが、EW.IVに限ってはインテリアの座席配置が量産先行車がオーソドックスな2+1の座席配置で、今回紹介する量産車は半円形テーブルを囲むように5つの座席を設置し、そのテーブルを千鳥配置にレイアウトするなど新しくユニークで魅力的な試みを行っているのが特徴的です。

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[モデルについて]
SBB EW.IVの量産型食堂車モデルです。(ここでも紹介している4367セットに同梱されている食堂車”LE Buffet SUISSE”モデルは、同じEW.IVですが、量産先行車です。)この量産型食堂車モデルは単品では42172としてICNカラーで2002年から2年間のみ発売、その後、該当のモデルは2004年から2006年まで3年間リリースされたSBBスタートセット(29850)に同梱されました。(29850生産完了直後には、Central Station付きのSBBスタートセット(29851)が2006年に1回限りでリリース、そのメガスタートセットに同梱されました。)

画像は、食堂側車端部です。手ブレーキは反対の厨房側にあります。

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SBB CFF FFSのロゴと文字は、車体に大きく記されています。Typ.ECとは異なり、黒文字です。

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厨房部分の下に「Restaurant」の文字が控え目に記されています。

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厨房(廊下)側車端部にはSBBのロゴがレイアウトされています。

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台車は、SIG-H1形と思われます。このモデルは実車(図面)に忠実に厨房側の台車(上画像)には電磁吸着ブレーキ(Magnetschienenbremse)が装着され、食堂側の台車(下画像)には装着されていません。また両方の台車にはヨーダンパが省略されています。(実車に忠実かは未確認です)

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車端部に纏めて形式など表記されているのは、国内線向けのEW.IVに準じています。形式表記は「WR 50 85 88-73 115-0」と印刷されています。ここは、ちょっと引っかかるところで、実際は「WRm 50 85 88-73 115-0」ではないか..と思いますが、実車との整合性の確認は取れていません。量産車は、最高制限速度が160Km/hと200Km/hの2種あるのですが、160Km/h制限車両は車体番号が100番台で200Km/h制限車両は200番台です。よって、このモデルは「115」なので160Km/h制限車両のようです。(最高制限速度表記がないのは少し疑問です)

この塗装は基本的に国内線EW.IV客車に準じたものとなりますが、EC列車にも国内だけ食堂車が連結されているのことが間々あります。食堂車を国外運用することが難しいため、EC塗装から国内線向け塗装に変更された経緯もあったことと考えられます。
余談ですが、ドイツのライン・ルール方面に運用されていたSBB客車で組成されていたEC列車は食堂車のみDBのWRで異彩を放っていたのですが、おそらく食堂車のこうした運用機能上の問題でDB食堂車が使われていたのだろうと推測できます。

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REV表記は、1996年2月12日です。この表記の下に手ブレーキ(Handbremse)のピクトグラムが記されてます。

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窓から車内を覗いたところです。車内のインテリアは量産車が独特です。半円型テーブル5人がけと向かい合わせ2人掛けを千鳥配置にレイアウトしていますが、モデルもしっかりそれを踏襲しています。

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食堂側の屋上にパンタグラフなど集電装置がついています。このモデルではスイス用の集電舟が付いています。後のモデルではパンタグラフが撤去された車両もあるようです。(国際線運用のため?)

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妻部を正面から見たところです。貫通路扉にもしっかり塗装が施されていて好感が持てる部分です。

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せっかくなので、SBBのWRm量産先行車モデル「LE Buffet SUISSE」との並びを撮影しました。奥が量産先行形です。

この食堂車だけが欲しかった当時の私は、模型店を巡っても見つからずBörse(模型交換会)でバラ売りされていたのをゲットするしか方法がなかったことによります。一見すると、1989年から10年間に渡ってリリースされていた同じEW.IV食堂車(4217)と似ていますが、これは量産先行車でドアの位置など形状が異なります。

メルクリンは、ドイツモデルでもそれほどこだわらない客車の細かい差異を、スイスモデルではこだわって作るのには、おそらくスイス側の強い要望があるのではと思われます。メルクリンはスイスモデルでは特に気を遣う必要があると聞いています。スイスのユーザーの眼が厳しいのであろうと想像がつきます。

そうしてようやく手に入ったこのモデルなのですが、2007年の新製品には同じ塗装/形状の"Elventino"社ロゴの入ったモデル(42173)が登場します。そして2010年には、1年限定でリリースされたTyp.EC客車の6両セット(43670)にも同じElventino仕様の同形食堂車が同梱されていました。Elventinoは、現在のSBB食堂車のサービス会社なのですが、この時の新製品の中でEW.IV客車のこの食堂車だけ単品客車として登場し、悪い意味ではなく新製品の中で少し目立ったモデルとなっています。このことからもわかるように、ユーザーの希望が細かなスイスに対して、細かな対応を怠らないのは好感の持てるところです。ただ、私個人は頑張ってゲットしたのに...という思いも捨てきれないのですが....Börseだったので、かなりお安い値段でゲットできたと思うことで満足はしています。オリジナルの外箱はありませんけど。


*当記事は、画像を全て新しく入れ替え、本文も大幅に加筆、修正しています。

[EDIT] 2019-08-12
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