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【いちおう18禁】 『夢幻戦士ヴァリス』がびみょ~な形で復活 [レビュー]

*注意 今回の記事はリンク先にアダルトサイトを含みます。

よみがえる夢幻戦士~ただし18禁で (from Slashdot)

日本テレネットと言えば、8-bit/16-bit時代のゲームファンにとっては忘れられないメーカーの一つです。別ブランドのウルフチームともども、(色んな意味で)思い出深い作品ばかりでしたね。
『XZR2』のぶっとんだシナリオとか、『港のトレイジア』のバグっぷりとか、『紫醜罹』の意味不明度とか(笑) でも、PC98の『東京トワイライトバスターズ』はなにげに良ゲーです。是非もう一度プレイしたい。
現在でもナムコの『テイルズ』シリーズを手がけていたりして、どっこい健在です。“ワルいヤツほど、長生きする”との言葉が、たったいま頭の中をかすめました。いや、別にテレネットが“ワル”だとの意味ではありませんが(笑)

さて、再び過去の話に戻りますが、『アメリカントラック』『アルバトロス』などと、設立当初はシブめのゲームをリリースしていた日本テレネット。その名を広く世に知らしめた作品といえば、なんと言っても『夢幻戦士ヴァリス』(86年)でしょう。

夢幻戦士ヴァリス (from Tagoo)

懐かしい!僕は友人宅でプレイしました。だだっ広いステージに疲れてしまい、結局は友人にエンディングを見せてもらいましたね。
「美少女ゲームの先駆け」などと形容されることが多い作品ですが、あいにくMSX版は(他機種ではウリであった)ビジュアルシーンがカットされています。それ故に、“ヴァリス=美少女ゲーム”という実感がどうも湧かないのです。個人的には、タイトーの『タイムギャル』という先例を是非とも主張したいところ(笑)

つーわけで非常に前置きが長くなってしまいましたが、往年の名作ACT『ヴァリス』がなんとアダルトゲームとして復活するとの話が、スラッシュドットで報じられていました。
う~ん、信じられない。
僕はあまり『ヴァリス』に思い入れはありませんが、かつてのファンの方々の心中たるや如何ほどのものでしょう?
また、「よくテレネットが公認したなぁ」との声を聞きました。当然の疑問ですね。
実はこのアダルト版『ヴァリス』を配信する美少女ゲームダウンロードサイト・BB5の運営自体、日本テレネットが行っているんですね。公認というか、“事実上の自社製品”の様相です。
う~ん、ますます信じられない(笑)

ここで『ヴァリス』から話は変わりますが、上に挙げたスラッシュドットのコメント欄に非常に興味深いやり取りがありました。ちょっと長いですが引用します。


18禁ゲームは供給過剰な上に商品寿命が事実上初動二週間しかなく、購買層も極めて狭いため、多くの店が中古販売も行うことで利益を補填していますが、このやりかただと新作以外ではメーカーにお金が入りません。
かといって、多くのユーザがやり終えた後にゲームを売却して次の新作を購入する資金に当ててる現状、中古を禁止してしまうとユーザが新作を買えなくなってしまいます。

また、税務上、零細メーカが多いために在庫を抱える余力がなく、発売からわずか一月でロットアップするところもあり、メーカから見るとネット販売は中古が出回らなくなる上に売れれば売れるだけお金が入ってくるいい仕組みなのですが、販売店から見れば今まで買い取った中古の価値がなくなってしまうため、発売後ある程度経ったものしかネット販売できない状態になってます。

ご存知の通り、この業界のトレンドは極めて移り変わりが早い為に一年以上経った作品の価値はほとんどありません。ネット販売はコアなオタク層以外(例えば40代以上や女性)に販路を広げる効果はありましたが、以上の通り非常にリスクを伴う(D.O.系列が発売後かなり早期にネット販売にも 作品を提供したので、新作と中古を取り扱う販売店から発注を絞られたのが経営悪化の一因と言われる)ために、ほとんどのメーカーが二の足を踏んでいます。
このために運営会社がてこ入れして、専売品を作らなくてはならない状況にあります。ただ、ネット専業メーカは製作資金、人材ともに乏しいので、看板に見合うものができるかどうかはかなり疑問です。

これに対して、別の方のコメント。

いくつか突っ込み。

>ご存知の通り、この業界のトレンドは極めて移り変わりが早い為に
>一年以上経った作品の価値はほとんどありません。
殆どというのは言い過ぎかな。長期的に売れる作品というのはちゃんと存在します。
e.g.
評価の高い作品、アニメ化等で掘り起こされた作品、流行廃りの影響を受けにくい作品(端的に言えば陵辱もの等)

上記に該当しない作品はメーカー自身がわかっているので、初回出荷逃げ切り前提で発売するのが業界の慣例です。

>リスクを伴う(D.O.系列が発売後かなり早期にネット販売にも
>作品を提供したので、新作と中古を取り扱う販売店から
>発注を絞られたのが経営悪化の一因と言われる)
D.O.(&系列)がやろうとしたのは「標準価格のパケ版」と「低価格・特典付きのネット認証版」の併売でダウンロード販売ではありません。(ダウンロード販売は最近やり始めてますが)

結果的にネット認証版は特典ソフトの提供が遅れるわ、そもそも製品に魅力が(ryだわ、多少高くても中古に売れる方を選ぶユーザが多かったこともあり、今ではすっかり無かったことになっています。

主なメーカーがダウンロード販売に二の足を踏むのはリスク云々よりも、ショップ特典と物理的な初回特典で初回出荷逃げ切りを繰り返す方が堅実且つ、実績があるからでしょう。

ならダウンロード販売はまるで駄目なのかというとそうとも言い切れず、最近はコンスタントに手軽なボリュームと値段で成功しているところもあります。



メーカーの「特典による初回出荷売り逃げ」と、中古売買を前提としたユーザーの消費行動が、現在のアダルトゲーム市場を支えているとの分析です。なるほど、非常に納得しました。
しかし、“多くのユーザがやり終えた後にゲームを売却して次の新作を購入する資金に当てる”とはアダルトゲームに限らず、一般作についても同様の傾向が見られるのではないでしょうか?
そのことをストレートに指摘されているのがゲーム屋店員さんのブログ、オレ様の次の記事です。


販売店から見たXBOX360

あのな、いまのゲーム店の顧客ってのは、PS2本体を19000円で買って、それを中古で12000円で買い取るといっても「えー、安いなー」なんてことを平気で言うんだよ。キングダムハーツ2しかり、買うときすでに売るときの価格を頭に入れていて、その差額を計算ではじき出すんだ。
そして、その差額こそが購入金額なんだよ。



僕個人は、一度買ったゲームは手元に置いておく主義(仮に中古屋に売るにしても、その動機は“次の新作を購入する資金”ではなく整理のため)です。しかし近所のゲームショップで、新作ゲームがわずか3日後には中古コーナーに並んでいる状況を見るにつけ、なんというか複雑な気分にさせられます。
メーカーがリリース半年で廉価版を発売して販売店を泣かせる、販売店の売買価格設定にユーザーが翻弄される、ユーザーがゲームを“使い捨て”にすることによりメーカーの収益が落ちる。見事な悪循環のトリニティですね。


ところでさらに話は変わりますが、僕は以前に野村総研が発表した「マニア消費者市場の推計」を記事にとりあげました。その際、この報告による“ゲームマニアの市場規模”の問題点として、(1)アンケート調査の評価方法が不明瞭、(2)中古市場が含まれていないこと(これはswimieさんのblogに書いた)を指摘しています。
この時には書かなかったけど、実はもう一つ問題があると考えます。
その問題とは、この推計にアダルトゲーム市場が考慮されていない点です。これは浜銀総研の「萌え市場の分析」も同様。

もっともアダルトゲームの市場規模については、正確な数字は明らかではない模様です。例えばアダルトゲーム業界には、CESAの「ゲーム白書」のような報告を行う団体が存在しません。零細メーカーが大多数を占めることも、状況の把握を難しくしている一因でしょう。
算出根拠は不明ですが、「アダルトゲーム市場は200~300億円くらいじゃない?」との意見を見かけました。100億円の開きがあるようでは、ちょっと信用できないですね。
どなたか、この辺りを分析したWEBサイトをご存知の方はいませんでしょうか?後学のために、ご一報いただけるとありがたいです。


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コメント 6

おーしゃん

>よみがえる夢幻戦士~ただし18禁で 
あー、コレどうなんですかねぇ・・・。('A`)
ただ、ウチがいえることは唯一つ。
『返せ!僕達の優子を返せよぉぉぉぉぉぉ!!!』
昔の優子に似ても似つかない上に、陵辱物ってあーた・・・。orz
by おーしゃん (2006-03-03 11:11) 

Aya

ワルいヤツほど、長生きするが「ワルキューレほど長生きする」と勝手に脳内変換した僕は相当病気だ(笑)

「ユーザーがゲームを使い捨てにする」というより「使い捨てになるレベルまで退化した」とも取れそうな悲しきゲーム業界。
で、結果ヘビーゲーマーは様子見傾向、ライトゲーマーがメインで新作を買う>ライトゲーマーはクリアしたら売るので、様子見組もすんなり買える>メーカーは予想レベルの売り上げすら危うい>結果的に次の開発資金が無い、と見事な悪循環スパイラル(笑・・・えない)

そういう意味じゃコアなゲーマーしか付いていない音ゲー、核ゲーって一定レベルの売り上げが見込まれるだけに恵まれてるのかもしれません。

「ヘビーゲーマー向け」か「ライトゲーマー向け」の差かもしれません。
by Aya (2006-03-03 11:42) 

「なんじゃこりゃー!」
まるで、売れないアイドルがAVデビューみたいな展開ですな。
PCエンジンユーザーだった私としても、結構ショックです。

しかし、まさかこんな形で復活するとは思いませんでした。
(ヴァリス自体忘れてましたけどね・・・)
ファンは、新作が出るのを喜ぶべきか、公式での18禁ゲーム化を悲しむ
べきなのか複雑そうですね。
by (2006-03-03 17:18) 

ああ、このヴァリスネタ先にやられちゃったなぁ(笑)。
つかちょっとね、コレに関しては一言どころか二言三言以上言いたいことがあったのですが、どーにもテンション上がらない自分がいたりします(笑)。

つまりアレですよね?
今エロ関係って女剣士モノとかいわゆる「強気っ娘」がスゲー流行ってて、ゲームに限らず漫画でもKTCの「闘姫陵辱」しかり一水社の「闘姫H」しかりアンソロでもバカスカ出てて、それらに上手く乗っかちゃおうって魂胆なんでしょ?
テレネットの企画会議かなんかで「そうだ!!ウチにはヴァリスがあるジャン!!」みたいな会話が飛び交ってたかと思うとお兄さん、すごく悲しい(笑)。

純粋なファンだった僕としては、こういった「復活」はちょっといただけませんね。
とりあえず復活って言ってんなら、ちゃんとアクションやらせてくれるんだろうな?って感じです。
つかゲームで久しぶりに腹立ちましたね(笑)。
by (2006-03-03 21:26) 

loderun

>>柾木神威さん
ああ、ここにファンの人が(苦笑)
キャラのパクリが日常茶飯事の業界ですが、さすがに自社のヒロインを18禁化してしまったなんて『電脳学園』ぐらいしか先例がないですよね。

>>Ayaさん
>「ワルキューレほど長生きする」
なぜそんな発想を?(笑) つうかワルキューレってよく考えたら死神ですよね。寿命あるのかな?

「ライトゲーマー」と「ヘビーゲーマー」の違いとしては、プレイヤースキルとか、ゲームに費やす時間やお金の差で説明されることが多いです。
しかし上に書いたように“消費行動”という点で考えると、ライトゲーマーとヘビーゲーマーの境目が薄くなっているのだと僕は思います。
それこそ以前の「やさしいゲーム」の話じゃないですが、誰でもハマることなく30時間でクリアできる程度の作品なら、発売3日後に中古屋に叩き売られてても仕方ないですね。
by loderun (2006-03-04 15:07) 

loderun

>>心臓さん
僕は『ヴァリス』と言えばパソコン版を思い出しますが、確かにPCエンジン派の人も多いですね。
ファンの意見ですが、ネット界隈をざっと眺めたところ賛否真っ二つでした。否定派については、純粋にショックを受けたという人以外に、「18禁化は構わないが絵柄が気にくわない。昔と同じにしろ!当然、声優は島本須美で」などと注文をつける人もいたり。いや、絶対それムリ(苦笑)

>>ののおさん
おおっと、お怒りですね。
上にも書いた通り、僕は『ヴァリス』にはあまり思い入れがないんですよ。実はこの記事を書いた動機も、中盤以降にあるゲームユーザーの消費行動の話がしたかったからだったりします。なんだか申し訳ないです。

成人コミックのトレンドが「強気っ娘」だとは知りませんでした。勉強になりました(笑)
by loderun (2006-03-04 15:59) 

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