ナツひとり [おはなし]
移民で、ブラジルと日本と、家族と離れ離れになり連絡とれないながらも、戦後の混乱と復興の時代を生き抜いてきたひとりの女の半生の物語です。 原作は超売れっ子の橋田壽賀子さんです。
脚本・監督・演出は小劇場出身のマキノノゾミさんです。
仲間由紀恵さん主演で座長です。 共演は宇津井 健さん・生瀬 勝久さんらです。
東京・新橋演舞場2007年11月の公演です。
以下お話のあらすじです。ネタバレですけど・・。
お話は、一家が貧困で行き場がなくなり、ブラジルに移民するところからはじまります。でも出航前にナツだけブラジル入国条件に合わない事がわかり、本家(父の兄)の家に世話になります。
本家も生活は苦しく借金もあるようです。本家の子どもは一人除きナツをいじめます。本家の嫁もナツに辛くあたります。ナツはブラジルのおねえちゃんに何度もお手紙書きますが、一度も返事がきません。
耐えかねたナツはある日家出します。そして行き倒れになったところを徳冶の家にやっかいになっている青年に助けられます。ナツは徳治の牧場を手伝うことになります。
時がたち、ナツと徳治は親子になっていきます。ナツを売ってお金にしようともくろむ本家の妻に、徳治は自分の蓄えた貯金さしだすから、ナツのことはあきらめてくれと頼みました。
戦争がはじまります。国策でふりまわされてのは徳治も例外ではありません。飼料の供給されないのに牛にどんどんミルクだささせろ!と命令してきます。厳しい労働がたたり完治することのない病にかかります。 ナツが恋していた、徳治の家で研修している北大生は徴兵されます。好きな人が出征する日徳治はあの世に行きます。ナツは徳治亡き後の牧場を守っていきます。
戦後ナツは米兵と出会いクッキーを始めます。これがあたり工場もつまでになります。米兵と婚約しますが、彼は帰国します。ナツは工場棄てられず残ります。 ナツは米兵との間にできた子どもおなかにかかえて、行き倒れをたすけてくれて一緒に牧場で働いてきた青年と結婚します。
ナツの会社は大きい会社に成長します。でも旦那はやがて去っていきます。唯一の友達も旦那と不倫してて去っていきます。やっと再会した、昔の恋人(北大生)も病気で亡くなります。 バブル崩壊で危機の時、偽装したのが明るみにでて会社も失います。もうナツにはなにも残っていません。そんな中、一人の日系ブラジル人が訪ねてきました。
こういうお話です。
もう涙です。お手紙かいても返事こないのはこれはすごく悲しいです。不安でたまらなくなります。あれこれ憶測して、墓穴掘っていきます。 この辛さは気安く言いたくないけどわかります。そんななかでも血がつながらない家族は救いでした。
本家の人もナツの家族の貧困の犠牲者なのかも。ちゃんとマジメに働いているのに・・・。ワーキングプアはこの時代もやはりあったんですね。
ナツは事業は成功して勝ち組みに這い上がれましたが、孤独だったでしょうね。国や社会・そして運命が過酷だったかも。印象的なのは北大生が強制労働?から生きて帰って、ナツや米兵らと会います。米兵は「ノーサイド」を言います。辛い過去だけど、御互い水にながして友好関係築いていかなくてはといいます。ナツらみんなははしゃいでいます。でもしばらくして、北大生はいきなり米兵に殴りかかります。米兵は和解の握手もとめますが、元北大生はどうしても応じることができませんでした。米兵もその苦悩察したようです。
地獄の戦場にいた人達は理論では抑えられないでしょう。体験してきた人にしかわからない言葉にならない苦悩・哀しみ・痛みなどがあるのでしょう。そういう人達不在で、理論ならべて「これがいい」「これが現実的だ」「そんな証拠はない」とかいっても到底おさまらないでしょう。
最低限の生活すらあやうい、まして戦争なんて人生をくるわせたり破滅させる悪魔なのかもしれません。国も私達一人一人もこういう社会に戻らないように注意しないといけないのかもしれません。
たねさんおひさしぶりです。ありがとうございます。再演があればぜひどうぞ♪
by ayu15 (2008-01-07 11:41)
はじめまして、ご訪問ありがとうございました。
なんだか面白そうなブログです。
はじめに、も読ませていただきました。
かわいらしい方なのですね。
記事、楽しみにしてますね。
by ユキ (2008-01-07 14:34)
ユキさんよんでくれてありがとうございます。ほのぼのといきたいです。
by ayu15 (2008-01-07 19:17)