「球体写真二元論 細江英公の世界展」@東京都写真美術館を観る [アート]
友人に誘われて1月28日迄開催の「球体写真二元論 細江英公の世界展」を恵比寿の東京都写真美術館で観て来ました。
まず50年代の「おとこと女」シリーズ、男性は土方巽なのですね。目張りバリバリ60'sなアイメークの女性の首を男が抱え込んだ有名な写真や男女が向き合って猫背の男が女の口を指差してる写真はやはり迫力。その次の間は「薔薇刑」のシリーズ。何回も写真集では観た写真ですが本当に面白いです。三島の豪奢な自宅で、褌一丁の彼をホースでグルグル巻きにしたり、サディスティックだけど若干ふざけて遊んでる様でもあり(笑)ボッティチェリの絵等に多重にイメージを焼き込んだり、ただの有名作家のポートレイトじゃ無い、細江英公のカラーも色濃く出てて正に二人のコラボレーションって感じ。素晴らしく魅力的だけど不穏な匂いが付きまとう写真です。しかしこれが細江さん28歳の時の作品って驚き!昨年末観た森村泰昌の「薔薇刑」ヴァージョン並べてちょっと観たいな、なんて事も考えてしまいました。因みにこの写真集、細江さんのサイン入りで持ってます♪その場にこの写真のプリントをした森山大道さんもいらっしゃったのですが、さすがにサインその写真集には貰えず(苦笑)
土方巽を細江英公の母方の故郷である山形県の農村地帯で撮った「鎌鼬」は初めてちゃんと観たのですがとっても良かった!これ最初ニコンサロンで発表したのですね。出口付近で流してたDVDによると、戦時中に疎開していた細江さんが、後日土方に自己投影して田舎を撮ったとの事。狂言回しの様な土方のみならず、背後の田畑の風景、農家の人々や子供達の顔がもう失われてしまった日本って感じの表情で興味深かったです。
男女の顔を排してヌードのほぼトルソだけを撮った「抱擁」シリーズは造形的、ちょっとロバート・メープルソープの作品を思い出しました。でもあそこまで彫刻的じゃなくて、もっとヌメっとした感じ。たまにどうなってるの!?と言うエロティックで際どい構図もあり。
死ぬ迄の土方を撮り続けたシリーズ、会場で女性二人組が「舞台の写真以外の土方の写真の方が面白いね」と話してましたが、確かにそうかも?弟子に振り付けしてる写真が超かっこよいです。
100歳の暗黒舞踏家大野一雄を46年撮り続けてきたポートレイトは迫力!大野さんはもう立ち上がれない状態の様ですが、自宅の寝椅子に横たわる大野さんを訪ねる息子さんや曾孫、往年の舞踏のお弟子さん達の肖像が興味深かったです。自分は動けなくても周りの人達を踊らせる人って感じ。
ガウディの建築物を撮った写真、初めて観た絵本に写真を付けた作品等等もあり。犬好きの友人は「たかちゃんとぼく」と言う犬と少女の絵本を気に入ってました。これって今売ってないのかなぁ、、。展覧会カタログつい購入。
最終日前日だからか結構混んでました。演劇的な構図、光と陰の使い方、肉体の捉え方、全てがとても面白かったです。http://www.syabi.com/details/hosoe.html
やっぱり:この頃のアートって、
凄いオーラ有りますよね。
内側からくるメッセージにも熱いものを***
感じます>>>
by megumi (2007-01-28 05:43)
大野さん、いいですよね。映像しかみていませんが。
横溝静さんの展示行きましたが、よかったです。
by katsura (2007-01-28 14:04)
薔薇刑撮影中に横で三島のお父様が見ていたそうで。複雑な心境だったでしょうねぇ。
by にゅう (2007-01-28 16:08)
megumiさん
本当にオーラ出まくりでした!あの時代にあの表現は今同じ事をやる以上に過激だったと思いますが、、。とても興味深かったです。
katsuraさん
大野さんの舞台ちゃんと観ておけば良かったと後悔しております。
横溝静さんはワコウ・ワークス・オブ・アートの展示なのですね?何かソフィ・カルを少し彷彿させる様な。面白そうな作品ですね。
にゅうさん
おお〜そうなんですか!それは知りませんでした。面白い情報ありがとうございます。三島は結構両親を大事にしていた様な印象がありますが、確かにお父さんとしては複雑かもしれませんね、、。
by kurohani (2007-01-28 19:37)
ぶんじんさん
nice!ありがとうございました♪
by kurohani (2007-01-28 19:48)
これ!行きたい!!
写真集でしか見れなかった実物に対面すると
興奮しますよねぇ〜(^_^)
by sabolyn (2007-01-29 04:45)
sabolynさん
コメントありがとうございます♪ちょうど昨日が最終日だったのですが、巡回するのでしょうかね?本当に、オリジナル・プリント観れて感激しました!
by kurohani (2007-01-30 00:17)
kurohaniさん、こんにちは♪
東京都写真美術館…この隣のホールで、映画『恋人たちの失われた革命』
を観ました…受付の前を通りかかりましたが、
この写真展もお客様がたくさん来ていたようでした。
ガウディの写真も面白そうですね、建物自体がまるで生き物のような造形ですから、
人物を撮るのと何か通ずるものがあるのかもしれませんね~。
ところでLOAPSの方でSmorking Black Bearを拝見したのですが、
ブログのアイコンで拝見した時は、
お写真なのかと思っていましたが絵だったのですね。
愛くるしいテディベアが、煙草をくゆらせながら、
反戦を訴える…ちょっとシュールで面白いアイディアですね♪
by ミカエラ (2007-01-31 17:39)
ミカエラさん
そうそう、写真美術館で「恋人たちの失われた革命」やってましたね!観たかったけど友人と一緒だったので諦めました。主演のルイ・ガレルの「ジョルジュ・バタイユ ママン」かなりやばそうな映画、バタイユって有名なマザコンですよね?「エロスの涙」は読みました。DVDで是非観てみようと思います。
LOAPSわざわざご覧下さってありがとうございますm(_ _)mこの絵はART LAと言うアート・フェアに出して貰って、アメリカで誰かが持ってる様です。反戦メッセージその人には伝わっているのか(笑)
by kurohani (2007-01-31 20:25)