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「椿三十郎」(その1) [映画(2007)]

椿三十郎<普及版> [DVD]黒澤明監督作品で最初に観たのが『椿三十郎』だった。今にして思えば、黒澤映画の入門編としては最適な作品だったのではなかろうか。難しいことは全く無く、娯楽に徹したとっつき易くて最高に面白い作品だからだ。二本立ての名画座で観た時のもう一本が三十郎シリーズの前作である『用心棒』。これまた痛快な名作。それ以来、黒澤監督作品を追いかけてあちこちの名画座に観に行った。

そんな最上の作品をリメイクすると聞いて、最初は「何で今更」とか「オリジナルさえあれば充分」とか「織田裕二の三十郎なんてイメージ違い過ぎ」と否定的な感情しか湧き上がらず、このリメイク版は絶対に観ないと決めていた。

しかし、最近になって考え方が変わった。近所のTSUTAYAに行くと、大量に置かれた最近の駄作の数々。しかもその多くが貸し出し中になっている。一方、本当の名作は片隅に追いやられてひっそりと誰かが借りてくれるのを待っている。それが日本映画なら尚更そんな状態である。

このままじゃいかん!

と、ただ嘆くよりも何とか現状を変えたいという気持ちになってきた。

そこで森田芳光のリメイク版『椿三十郎』である。黒澤版はもう何べん観直したか分らないほど、話の面白さは抜群。後は森田監督が余計なことさえせずしっかり撮ってくれればいい。そして、これを観た若い世代が黒澤にも興味を持ち、「それじゃぁ、オリジナルを観てみようよ」ということになってほしいと心から思う。「もう一本の三十郎が出る『用心棒』も観てみよう」となれば最高。ぜひ新版『椿三十郎』をきっかけに、黒澤明監督の「本物」を観て貰えればと願うばかりだ。

だから本音を押さえ込んででも「『椿三十郎』面白いから観たほうがいいよ」と薦めるのが映画ファンの使命なのだ。オリジナルと比較して「織田裕二じゃ迫力無いんだよね」なんてまっとうな意見も封印しなければいけない。とにかく大勢映画館に送り込み、観終わった人に「実はオリジナルの方がずっといいんだよね」と、そこで初めて本音を言うべきなのだ。

とまぁ、いったい誰に向かって書いているのか分らない記事になってしまったが、

『椿三十郎』面白いから観てね!

以上。

じゃぁ、これから僕もリメイク版『椿三十郎』を観に行ってきま~す。(実はまだ観ていないのに強力プッシュしてしまったのでした)

〈森田芳光版『椿三十郎』の感想は次回につづく〉

 


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コメント 4

キキ

段平さん。こんばんは。

私も全く同じことを考えてました。
「リメイクなんて観にいかない、同じ脚本で何を今更?」と。
なんたって三船敏郎の椿三十郎が大好きなので拒否反応が先に来ました。

でもリメイクを見て、オリジナルを見てくれる人が増えるのは歓迎です。
なので私も今週あたりに行く予定です。
by キキ (2007-12-15 18:38) 

丹下段平

キキさん、観に行くんですね。僕は観てきました。
オリジナルを観ている人にはあまり…
いや、お話自体は変えていないので、その点だけは良かったかな、と。
by 丹下段平 (2007-12-15 23:00) 

キキ

え、やっぱり?
じゃやめたほうがいいですか・・・・?
by キキ (2007-12-15 23:07) 

丹下段平

両方観ると「演出とは」とか「役者とは」とか、いろいろ考えさせてくれるので、そういった面白さはありました。お話自体は全く変えていないので、尚更違いがよく分かります。
by 丹下段平 (2007-12-15 23:23) 

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