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Vol.9 近い将来環境が変わる賃貸物件を見抜く極意

 お部屋探しをする際の重要項目として「住環境の良さ」があげられます。

 新築賃貸マンションで最新設備が整っていたとしても、いつも騒音問題に悩まされるようなお部屋では、住み心地のいい優良物件とはいえません。

 線路沿い・幹線道路沿いにある物件など、見学すれば、騒音の有無を容易に判断できるお部屋もありますが、中には、物件を借りた後に周辺の環境が変わり、結果、住環境が悪くなることもあります。つまり、住環境の良さを見抜くためには、現状の住環境だけではなく、将来予想される住環境の変化も考慮する必要があるということです。

 今回は、物件の周辺環境の良し悪しを見抜く方法について、皆さんにお伝えします。

■事例(1)
 隣は空地だったのに・・・物件隣地の空地にビルが建ち騒音問題発生!


 サラリーマン勤務のAさんは、転勤に伴い、家族全員で東京に引っ越すことになりました。

 Aさんの希望条件は、「手頃な賃料で、都心に近く日当たりが良い庭付きの一戸建て賃貸住宅」という、都内では比較的難しい条件でしたが、不動産屋の営業マンから紹介された物件は、その条件を満たしているものでした。「はじめから諦めないで探してみるべきだな・・・」Aさんは、理想の賃貸物件を見つけることができ、ホッとしました。しかし、入居してから半年後、Aさん一家は、騒音で悩まされることになります。なんと隣地にビルが建設されることになったのです。工事が始まると、毎日のように隣地から大きな騒音が聞こえてきます。Aさんの妻は、「わたしは家の中にいる時間が多いから、これ以上我慢できない。それに、ビルが建ったら日当たりも悪くなるわね」と精神的に疲れた様子。「理想の物件を見つけたはずなのに・・・」Aさんは、この物件を借りたことを後悔しています。

■解説
 物件の隣地にある空地にはご注意!

 Aさんが入居した事例1にある物件周辺を調べたところ、隣地に空地があり、看板が設置されていたことが分かりました。また、その看板には、ビルが建設される旨が記載されていました。Aさんは、物件見学の際、この看板を確認していれば、近い将来、日照問題・騒音問題が発生する可能性があることが予想できたと考えられます。

 私が見る限り、物件見学の際に、一般の方の多くは、お部屋自体の良し悪しをこまめにチェックされますが、物件周辺については、あまりしっかりと確認されないような気がします。事例1のケースであれば、「隣地が空地だから日当たりが良く住環境がいいな・・・」と考えるのではなく、「隣が空地ということは、もしかしたら、近い将来、建物が建つ可能性があるのではないか?もしそうなれば、日照問題・騒音問題が発生する可能性があるかもしれない・・・」と考える必要がある訳です。

 今お伝えしたように、お部屋探しをするにあたり、はじめから疑ってかかることは、現実的で夢のない話かもしれません。しかし、私は、お部屋探しで失敗し後悔している方の話をたくさん聞いています。Aさんのように「あの時、もう少しチェックしていればこんなことには・・・」とならないようにしましょう。

■事例(2)
 まわりは住宅だったのに・・・用途地域によっては環境がガラリと変わる?

 新婚生活を送るための賃貸マンションを探しているBさんは、長期的に住むことを前提に、お部屋探しをはじめました。物件を探すにあたり、Bさんがこだわっていることは「住環境の良さ」です。Bさんは、幾つかの不動産屋から紹介された物件を見学する際、部屋自体の良し悪しだけではなく、物件周辺の住環境についても十分に調べました。そして、その中で気に入ったお部屋が見つかり、契約することにしました。

 入居後、快適な生活を送っていたBさんでしたが、2年近く経ち、その環境の変化に驚いています。マンション周辺の建物の多くが、住宅から店舗へと変わっていったのです。マンション周辺にお店が増え、段々と賑やかになっていきました。「あんなに静かな住宅街だったのに・・・」Bさんは、契約を更新せずに引越しすることを検討しています。

■解説
 物件の周辺環境は、変わることがあります!

 Bさんが入居した事例2にある物件を調べたところ、商業地域内にあることが分かりました。商業地域内にある土地には、建築基準法のルールに基づき、カラオケボックス・パチンコ屋など様々な用途の建物を建てることができます。つまり、Bさんが入居した賃貸マンションは、そもそも賑やかな商業エリアにすることが可能な場所だったのです。

用途地域(全12種類あります)

(住居系用途地域)
第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域

(商業系用途地域)
近隣商業地域、商業地域

(工業系用途地域)
準工業地域、工業地域、工業専用地域

多くの建物(例:賃貸物件)は、用途地域内にあります。住環境の良さを希望する場合は、住居系の用途地域内にある物件を探すことをお勧めします。商業系の用途地域内にある物件の場合、住環境が変化する可能性があります。また、12種類ある各用途地域内において、どのような種類の建築物を建築することが可能か、知っておく必要があります。

用途地域内における用途制限(建築基準法)

具体例:用途制限一覧表(練馬区)
http://www.city.nerima.tokyo.jp/mati/plan/youto/seigen_tbl.html
用途制限を前提に考えますと、最も閑静な住宅街は、第1種低層住居専用地域となります。

ポイント1 物件周辺を十分に調べる!

騒音が発生する可能性のある物件(具体例)

1.幹線道路・線路沿いにある物件
2.歓楽街にある物件
3.隣地に学校(小学校・中学校・高等学校など)がある物件
4.隣地に工事現場がある物件
5.隣地にビル建設予定地(空地)がある物件

1~4については、物件見学することにより、騒音発生の有無を確認することができます。しかし、5については、注意が必要です。近い将来、建物建設予定のある空地であるかどうかを十分に調べる必要があります。

ポイント2 用途地域を調べる!

住環境の良さを希望する場合は、住居系の用途地域内にある物件を探すことをお勧めします。また、用途制限についても確認しましょう。

くじらねっと 鳥海耕二

住まい
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2005-11-15 11:55  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
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