Vol.3 合法なのに要注意?賃貸物件見学のポイント
最寄り駅から物件の間に潜む歩行を妨げる障害とは?
不動産屋の営業マンから渡された物件図面を見ると「最寄り駅まで徒歩10分」と記載されていました。友人から「徒歩所要時間は80メートルにつき1分で計算するんだよ!」と教えてもらったAさんは、住宅地図を購入し自分で計算しました。すると、図面に書かれていた通り、確かに最寄り駅まで徒歩で10分。安心してこの物件を借りたAさんでしたが、入居後、あることに悩まされます。それは、開かずの踏切の存在です。自宅から最寄り駅までの間には踏切があり、通勤ラッシュ時になると、なかなか遮断機が開きません。左右から途切れることなく電車が行き来しますので、タイミングが悪いと相当な時間立ち往生することになります。自宅から最寄り駅まではルール通り10分、表記上ウソはないのですが・・・
公正競争規約の意外な盲点
公正競争規約において「徒歩所要時間は80メートルにつき1分で計算する」というルールがあります。例えば、物件から最寄り駅まで徒歩10分ならば、それは、物件から800メートルの場所に最寄り駅がある、ということになります。このルールは、物件探しにおける、ひとつの目安としては役に立つものです。しかし、実務上、次の1~3のような問題点があげられます。
1 このルールを守らない不動産屋がいる
2 歩く速さは人により異なるため、必ずしも、徒歩所要時間は80メートルにつき1分とはならない
3 このルールには、踏み切り・信号機の待ち時間、急な坂道などは考慮されていない
まず、一つ目の問題点は、このルールを守らない不動産屋がいる、ということです。物件図面には「最寄り駅まで徒歩10分」と記載されているのにもかかわらず、住宅地図を使い実際に調べてみると「15分超」ということも・・・このように、ルールを守らない悪質な不動産屋がいるのも事実です。
そして、二つ目の問題点は、歩く速さは人により異なる、ということです。たとえルール通りの記載であっても、普段からゆっくりとしたペースで歩く方であれば、図面に記載されている時間内に最寄り駅まで到着できるとは限りません。「80メートルにつき1分」というのは、あくまでも目安である、と考えた方が無難です。
そして、三つ目の問題点は、このルールには、踏み切り・信号機の待ち時間、急な坂道などは考慮されていない、ということです。実際にも、事例1のようなことは考えられます。最寄り駅から物件までの間に、歩行を妨げる障害があるかないか、ご自身で確認する必要があります。
実務上、以上のような問題点があげられますが、これらの対策はいたって簡単です。
それは「実際に歩いて確かめてみる!」ということです。あまりにも当たり前のことではありますが、私が見る限り、物件から最寄り駅までの道程を確認しないまま、契約される方が多いように思われます。車で物件案内されたときも、必ず、ご自身の足で歩いて確かめましょう!実際に歩いてみることにより、思わぬマイナス点を発見することがあります。
物件の七難を隠すモデルルームのトリックとは?
OLのBさんが見学した部屋は、空室10部屋のうち、ひと部屋がモデルルームとなっており、モダンな家具が品良く設置されていました。「わ~、この部屋お洒落!」Bさんは、その物件を気に入り、直ぐに申込みをしました。しかし、実際に引っ越してみてBさんはがっかり。自分の持っている家具を色々並べ替えてみても、モデルルームのような雰囲気にはなりません。また、思ったよりも収納スペースが少なく、自分の荷物をすべて置くと手狭な部屋になってしまいました。「素敵な部屋だと思ったのに・・・」Bさんは、納得がいかないようです。
モデルルームに施されている物件をよく見せるためのテクニック
新築賃貸物件の場合、建物完成後、たくさんある未入居の部屋の中から、一部の部屋をモデルルームにすることがあります。モデルルームを設置することは「住み心地の良さをアピールできる!」という業者側の利点があります。モデルルーム内には、テーブル・ソファーなど様々な家具が配置されていますが、どれも部屋を広く、また、見栄えよくみせるために特別に用意されたものです。
私は、以前、お客様をご案内したモデルルーム(広めのワンルーム)に設置されている家具(数点)の総額について、その管理業者に尋ねたことがあります。その時は、280万円という返答が返ってきました。
モデルルームに設置されている家具は、決して安いものではありません。多くの方は、この業者の巧みな演出に魅せられ夢を膨らますようです。しかし、現実を考えてみましょう。実際に生活をする場合には、洗濯をすれば洗濯物の山ができ、また生活により出されるゴミもあります。モデルルーム内には、このようなものは存在しません。それは、現実の世界を見せると、お客様が興醒めしてしまうからです。モデルルームが、トレンディドラマに登場するお部屋のように見えるのは、非日常的なお洒落な空間を演出しているからと考える必要があります。
モデルルームを見学する際は、あくまでも「使い勝手の良さを確認する上でのひとつの目安」とされることをおすすめします。仮に、モデルルームを見て、その物件が気に入ったならば、ご自身で所有されている家具や様々な荷物を考慮し、本当に使い勝手が良い部屋になるのか十分に検討するようにしましょう。
ポイント2 モデルルームの輝きに惑わされないこと!
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実際の距離を自分で体験するなんて大変なことですが、住んでみて『説明とは違うな!?』と感じてからでは遅いんですよね・・・・。近い将来引越ししようと考えているので色々と参考にさせていただきます。
by ショコタン♪ (2005-08-24 23:46)
私がお伝えする良い物件を探すための方法は、実際には、手間がかかり、面倒臭いものとなります。しかし、入居した後、失敗したことに気付き、後悔している方を私はたくさん見ています。
たとえ賃貸であっても多額のお金を支払うことになりますので、なるべくならば失敗したくないものです。
これからも、様々なノウハウをお伝え致しますので、是非ご覧になってください。
by 鳥海耕二 (2005-08-26 11:38)
マンションのモデルルームにキチッとおさまったベッド、でも小さい気がして、シーツをそっとめくったら、ウレタンをカットして作ったハリボテでした。かなり広い感じがしたのに、よく見ると他の家具も小さめで、実用的ではありません。これってよくある事みたいなので、見学にはメジャーを忘れない様にしています。
by ぽちくん (2005-08-27 10:50)
物件見学の際にメジャーを持参するのはとても良いことだと思います。
例えば、お部屋の中に冷蔵庫専用のスペースがあっても、
自分の所有しているものは大きくて収まらないということはよくあります。
今使っている家具などが本当に部屋の中に納まるのか?
冷静に判断する必要があります。
by 鳥海耕二 (2005-08-29 10:49)
ほんとにショールームだけではわからないものですね。
かえって家具が何もないほうがまどわされないですね。
by けんくん (2005-08-29 14:03)
使い勝手の良さを確認するためのショールームによって、
お部屋探しを失敗してしまう事があるというのは皮肉な気もします。
しかし・・・
必ずしも、ショールーム=だます目的、ではありません。
ショールームを設けている不動産屋=悪質な不動産屋、
という訳ではありませんのでご注意ください。
by 鳥海耕二 (2005-08-29 20:25)