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Vol.2 お部屋探し、見学しないとこんな落とし穴が

■事例(1)
 物件図面に記載されている情報は変更されることがあるって本当?

 新築賃貸マンションの一室を完成前に契約したAさん。不動産屋の営業マンから渡された物件図面には、ワンルームなのに8帖ほどの大きなバルコニー、そして、お風呂には夜空を眺望できる窓が記載されていました。この2点が気に入り契約することを決めたAさんでしたが、建物完成後、実際に入居してみると、お風呂には窓が設置されていませんでした。また、バルコニーも確かに全体で8帖程度の広さはありますが、フェンスで仕切られており、実際に利用できる部分が少なくてがっかり。「物件図面を見たときは、理想的な部屋に思えたのに・・・」Aさんは、落ち込んでいます。

■解説
 物件図面に記載されている情報は100%信頼できるものではありません!


 例えば、新築分譲マンションの場合、建物が完成する前に売買契約が締結されることがあります。このようなケースでは、一般的にモデルルームを設置し、完成後の部屋のイメージをもてるようにしています。お客様の多くは、実際にモデルルームを見学し、完成後の部屋の仕様を自分の目で確認し、契約するかしないかを決めます。やはり、何千万円という高い買い物ですので、物件図面など紙面上の情報のみで購入される方は少ないと思います。

 それでは、新築賃貸物件の場合はどうでしょうか?

 やはり、新築分譲マンションと同様に、建物が完成する前に賃貸借契約が締結されることがあります。しかし、売買とは異なり、賃貸の場合は、一般的に、建物完成前の段階でモデルルームは設置されません。モデルルームを設置するにしても、それは、建物完成後に、既に出来上がっている部屋のうち何部屋かをモデルルームとして使用します。つまり、借主は、物件図面など紙面上の情報で部屋の良し悪しを判断することになるのです。入居後、イメージ通りの部屋であれば問題ないのですが、そうではない場合も・・・。

 実際の不動産賃貸の取引において、事例1のように、建物完成後、部屋の仕様が一部変更されることは考えられます。本来設置されているはずのお風呂の窓がないのであれば、借主は、不動産屋に対して責任追及することができるでしょう。しかし、責任追及するということは、それなりの労力を要します。私は、素人の方がトラブルに巻き込まれ、プロである不動産屋を相手に、四苦八苦しながら交渉している場面を多々見ています。交渉が苦手な方であれば、精神的な苦痛も伴います。当然ではありますが、トラブルは、遭わないにこしたことはありません。皆さんが、新築賃貸物件について完成前に契約するのであれば、このようなリスクを負うことを認識する必要があります。「こんなリスクは絶対に負いたくない!」というのであれば、やはり、物件見学をして、部屋の中をご自身でじっくりと確認されてから契約する、つまり、建物が完成するまでは契約をしないことです。

 私は、不動産取引について、友人・知人から「どうすればトラブルを回避できるか?」「トラブルに巻き込まれないための方法はないのか?」という質問をよく受けます。私が見る限り、物件見学をすればつまらない失敗はしない、というケースが多いように思われます。

「物件見学をする」ということは、あまりにも基本的なことではありますが、様々な理由により、見学をしないまま契約され、トラブルに巻き込まれる方が多いのも事実です。

■事例(2)
 申込みが殺到する物件=自分にとっての良い物件、とは限らない事実とは?

 ある不動産屋の店内で、営業マンから渡された物件図面を見ているBさん。その物件は営業マン一押しのもので、空室はあと5部屋。Bさんは、見学するかしないかを考えていました。すると、他の営業マンが近くにやって来て「4部屋に申込みが入りましたので、この物件もそろそろ終了ですね!」と告げます。Bさんは、「チャンスの神様は前髪しかない!」と思い、物件見学することなく直ぐに申し込みをしました。Bさんは、人気物件を借りることができ、ほっとひと安心。しかし、入居してみると、意外にも使い勝手が悪い部屋でビックリ。「人気物件を借りたはずなのに・・・」Bさんは、この部屋を借りたことを後悔しています。

■解説
 あせりは禁物、必ず物件見学をしよう!


 Bさんは、申込みが殺到していることが気になり「こんなに人気がある物件なら良い物件に違いない!」と考えたようです。しかし、申込みが殺到する物件=自分にとっての良い物件、になるとは限りません。仮に、10人中9人の方が「私ならこの部屋を借りたい!」と考えたとしても、あなたは「何故、この部屋がそんなに良いのだろうか?」と疑問を抱くこともあるでしょう。つまり、物件に求めるもの・生活スタイル・趣味嗜好は人によって異なるということです。自分自身の希望条件を明確に設定し、その条件を満たしている物件かどうかを冷静にチェックする必要があります。

 また、事例2のケースでは「本当に、同時に4部屋に申込みが入ることなんてあるのだろうか?」という疑問もあります。もしかしたら、Bさんを焦らせるため、営業マン同士が結託しているのかもしれません。

 それでは、実際にはどうなのでしょうか?

 私が見る限り、事例2のように、続けて申込みが入ることはあります。自分のお客様が申込みをするかしないか迷っているうちに、他から連続して申込みが入ってくることは本当にあるのです。また、営業マン同士が結託して「焦り」を演出していることもあります。これは、明らかに不正行為ではありますが、残念ながら、このような行為を「営業テクニック」と考えている営業マンがいるのも事実です。

 それでは、どのようにすれば、その真偽を確かめることができるのでしょうか?

 私は、正直、その真偽を確かめるのは難しいと思います。例えば、営業マンの話し方・顔の表情だけで嘘かどうかを判断するのは難しいでしょう。また、本当に複数の申込みが入ったのか営業マンに追及してみても、のらりくらりと対応される可能性が高いでしょう。

 しかし、ご安心ください。申込みが入った事実が、たとえ嘘であったとしても、実はそんなに大した問題ではありません。それは、このケースにおいては、あくまでも「焦り」を演出しているだけで、物件自体の良し悪しとは関係ないからです。つまり、その物件を見たときに、自分自身で設定した希望条件を満たしているかどうかを冷静に判断し、借りるか借りないかを決めればいい訳です。くれぐれも「ノリ」や「勢い」で申込みをしないようにしましょう。

ポイント1 物件図面に記載されている情報を鵜呑みにしないこと!

建物完成後、部屋の仕様が一部変更することは考えられます。新築賃貸物件について、完成前に契約する場合は、このようなリスクがあることを認識しましょう!

ポイント2 申込みが殺到する物件=自分にとっての良い物件、とは考えないこと!

自分自身の希望条件を明確にし、その条件を満たしている物件かどうかを冷静にチェックしましょう!

ポイント3 必ず物件見学すること!

後で後悔しないためにも、できるだけ物件見学し、ご自身でじっくりと確認されてから契約するようにしましょう!


住まい
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2005-08-09 10:46  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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