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パリへの夜間飛行 [吹奏楽]

一昨年のコンクール曲の「パリへの夜間飛行」の中に、「カンカン」の部分がある。
あの、スカートのすそを持って、足を上げたりしながら踊るやつね。
パリのムーランリュージュのそれを模倣しているというか、オッヘンバックの「天国と地獄」のパクリというか・・・。
とにかくそこを演奏するとき、僕が指揮をすると遅くなり、ハーモニーディレクターの電子メトロノームでやると、すばらしい演奏になるんだよね。
誰かが、意地悪して、僕が振るときだけ遅く吹こうとしているのではとも思ったのだけど、まさかね?
きっと、僕のどこかが悪いのだろうけど、わからない。
でかい鏡を用意して、自分の指揮を見ながらやってみることにした。
なぜか、この鏡を見ながら振ることに対して、「きもい」とか「ナル」(ナルシストの略ね)とか、結構不評。でも、そんなの気にしている場合ではない。それで、今でもよくわかっていないのだけど、なぜか鏡を見ながら振ると、ちょっとはマシになるのですよ。でも、まさか、舞台に鏡を置くわけにはいかず・・・。

結局、本番も電子メトロノームを越えられなかったように思う。
たかが、4分の2拍子なのにね。

もう一つ、この曲で、講師のG田先生から、裏拍のアクセントの出し方で、「パンチする」というのを教わった。ほめ上手、おだて上手、教え上手のG田先生は、「いいですね~。バッチリですよ。」とか言うけど、不器用な僕は、成功率30%、失敗すると、その後、指揮が泳ぐ。(←わかります? この状況)

コンクール本番のバスの中、僕は、生徒達に聞いた。
「あのパンチする部分、絶対失敗するとは思うんだけど、やった方がいい?」
すると、生徒達の答えは、「やって~!」

なんじゃいそれ?

ということで、バスの中でも、生徒に歌ってもらって練習。貴重な時間のはずのチューニングルームでも、「先生、練習しなくて大丈夫ですか?」ということで、練習。

本番、成功率80%、そう、失敗もしたのだけど、演奏は破綻せず、無事地区代表になれた。

実は、このことを僕はとても自慢に思っている。
       生徒の「あたたかさ」と「最後まで、向上しようという姿勢」。
「やって~!」と言った時、生徒達は「賞」とかに、ガチガチなっていなかったんだよね。これからのステージでの演奏を楽しみにしていた。(もちろん、みんなプレッシャーもすごかったと思うけど)
そして、「賞」ももらうことができた。最高だよね。

よく生徒に教えられるとか、支えられるとか言うけど、本当にそうだと思う。


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コメント 3

Lucy

指揮者にもいろいろご苦労があるのですね・・・^^;
練習の段階で、約束事をいっぱい決めていても、なかなかその通りにいかないし。
反対に、本番直前までガタガタでも、適度な緊張感で、ビシッと最高の演奏ができたり。
本当に、音楽って「生もの」だなぁって思います。
本番前に、先生のことを心配して指揮の練習をするなんて、優しい生徒さん達ですね。
自分の高校時代を振り返っても、先生の苦労なんて全然考えずに、文句ばっかり言ってた気がします。
今更ながらちょっと反省・・・(;_;)

生徒さん達の暖かさにnice!です。
by Lucy (2005-06-15 21:37) 

きたちくん

本当に「生もの」だと思います。
その時の、「気持ちの在り方」みたいなものも演奏に大きく影響するように思います。大人もそうかもしれませんが、子どもは、「気持ち」の影響が特に大きい。
そして、吹奏楽の場合、人数が多いですからね。
むずかしいです。
by きたちくん (2005-06-16 07:59) 

kazuki☆

あぁ~ とっても懐かしい・・・(半泣)
今思えばあの曲で本当にたくさんのコトを学びました
あの時から真剣に3Dに取り組んだのを今も覚えてますよ・・・
刻みの時に指揮に合わせる事に意識したり、
重要なところの音量を少し上げたり、
このときに一番伸びたんだと実は思ってます・・・(突っ込みは無しでお願いします・・・)

「パリへの夜間飛行」っていうと謝らなきゃなぁ~って思うのは、
審査員にも言われたとおり、クライマックスの盛り上がりが足りず、いまだに申し訳ないなぁと思っています
僕は僕で疲れ果てちゃって、最後も直前とたいして変わらないような音量で吹いてました・・・

まぁそれも今では一「思い出」なんですが・・・
by kazuki☆ (2005-06-16 21:27) 

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