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ピアノソナタ第30番(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、ブログを続けてよんでる人は、わかると思いますが、
もちろん今日の音楽日記は、ベートーベンのピアノソナタ第30番である。
これで、ベートーベン最後の三曲のピアノソナタの音楽日記の完成である。
(しかし、とりたてて言うことでもないことですね(笑))

ベートーベンの最後の三曲のピアノソナタは、
どれも、枯れた境地の曲と書いてある論評も多い。
全体では、もちろんそうだと思うが、
私は、どの曲にも、すばらしく特徴のある楽章があると思う。

一言で私の好きな楽章を書くと、
 第32番・・・純粋な浄化した第二楽章
 第31番・・・嘆きの歌とフーガのみごとな融合の第三楽章
 第30番・・・終楽章の心にしみるみごとな変奏曲

と言ったところか・・・

さて、今日は、そのみごとな変奏曲をもつ、第30番のソナタである。
第一楽章は幻想的で、ベートーベン的な力強さはない自由な曲である。
ベートーベンにしては、ちっょと珍しいかもしれない。
第二楽章は、力強い楽章。
そして、すばらしい変奏曲の終楽章である。

ベートーベンの後期のピアノソナタは、
私のようないい加減ピアニストが手を出してはいけない領域かもしれない。
しかし、無謀にもちょっと弾いてみたくなる。
ということで、この第30番の終楽章のテーマと第一変奏をゆっくり弾いてみた。
すばらしい。気持ちがこもる。心に響く。
(本当は、全部弾いてみたいが、あたりまえですが、とても手におえないのです。)

しかし、しかし
ベートーベンの後期のピアノソナタは、弾くよりは、夜にゆっくり
プロのピアニストの演奏を聴きながら思いをはせる方が、私は数段好きだ。

なぜだろう。
他の曲には、あまりそんなことは
感じられない。

この最後の3曲のピアノソナタに限っていえば、頭の中にある音楽と、実際の音が、
ちゃんと合わないと、拒絶してしまうのである。
こまったものだ。
(しかし、どうせ弾くだけの実力はないので、まったく困ることはないのですが(笑))

この最後の3曲のピアノソナタは、ベートーベンへの神様からの贈り物かもしれない。
それほど、私には、考えさせられる曲なのです。

さてさて、三日間にわたって、ベートーベンの後期ピアノソナタ
のことをちょこちょこと書いてみた。
本当のことを言って、このような曲の音楽日記は、とてもとても疲れた。
もちろん、この三曲は、私にとって大好きな曲なのだが、
文章では言い表せない曲だなあ、ということをつくづく感じたのであった。

明日からは、いつものお気楽音楽日記かなあ・・・


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なるたる

べートーヴェンと変奏曲の親和性は大きいですね。
彼の色んなジャンルの変奏曲様式の曲には、心を打つ素晴らしいメロディが多く、多様な聴く楽しみを齎してくれます。
ピアノ曲では巨大なディアベリ変奏曲は、規模と内容が大きすぎて気軽には聴けない、襟を正して聴かなければならないような厳粛さがあります。
当たり前ですが、30番の最終楽章変奏曲は規模がもっとずっと小さい。けれど中身は負けずに大きい。

私が最後三つのピアノソナタを高く評価するのは、いずれもその最終楽章が素晴らしいからに尽きます。
とてつもなく深遠で限りない美しさを秘めているのに、全然構えたところがなく素直に旋律に没入出来る。
出だしは本当にさりげなくさえありますね。
ピアノソナタの一つの楽章として、巨大に出来ないと言う演奏時間の制約はあるにせよ、比較的小さな規模の中で繰り広げられる世界はそれぞれが全宇宙にも匹敵する大きさを持っている(自分で書いてて、何だか意味不明な書き込みになって来ましたw)と思います。

30番のこの変奏曲の白眉は、最後に主題に戻る前の最終変奏(第6変奏)でしょう。
ここでは古典派の表現を大きく飛び越えて、はるかにロマン派を指向する音の連なりに衝撃を受けます。まさに天上の音楽です。
特に後半の煌きは尋常ではありません。
私は一度聴いただけで、決して忘れられませんでした。

ところで変奏曲大好きな私は、第12番「葬送」第1楽章の変奏曲も負けず劣らず大好きですw。
by なるたる (2007-09-10 02:17) 

みどりのこびとちゃん

確かにこの曲は、変奏曲が、すばらしい。
たた、私は、ベートーベンの他の独立した変奏曲は、
ちょっと苦手です。
いえいえ、駄作とかではなくて、
その変奏曲という言葉より、もっともっと深いものがあるからなのです。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-11 00:33) 

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