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夜のガスパールより水の精(ラヴェル) [ラヴェル]

昨日もラヴェルの曲だったが、今日もなぜか、ラヴェルである。
(まあ、昨日のCDがそのまま、オーディオに入っていただけだが・・・)

今日は、ラヴェルのピアノ曲の中でも、技術的に非常に難しいというより、
ピアノ曲の中でも、現代曲を別にすれば、技術的に最難関の曲として有名な
「夜のガスパール」である。
この曲集は、「水の精」「絞首台」「スカルボ」の3曲からなっている。

どの曲も捨てがたいが、
この中で、私が一番好きな曲は、一曲目の「水の精」である。
この曲の基となった詩の内容は、確か
 「人間の男に恋した水の精が、その男を誘惑する。
  しかし、その男は、「私は人間の女性を愛している」と告げる
  水の精は、ちょっと悲しそうにして、ふわっと、夜の雨の中に消えてしまう。」
という内容です。
(すいません。かなりいい加減な記憶です。正確な内容を知りたい方はネットでちゃんと調べてね)

いやあ、ラヴェルは天才ですね。
微妙なピアノのタッチと音色を駆使して、この水の精の世界を完全に表現していますよ。
もう、この曲を聴くと、ティンカーベルのような妖精が、私の回りを駆けめぐり、
そして、誘惑してくるのである。
最後は、「ふふふ」と笑って、ふっと消えていく。
そんな幻想が頭を駆けめぐる。

そう。もちろん譜面をもっているが、この曲を聴くときは、譜面を投げ捨てて
幻想の世界に入りたい。
(最初の右手の音型のタッチが均一かどうかなんて、どうでもいいのである。)

しかし、幻想の世界に入ろうとして、最初の右手の音型が、
ナイトライダー(おっと、古いぞ)の音楽に聞こえた私は、そうとう病んでいる気がする。

それにしても、私の回りには、かわいいティンカーベルのような妖精はいない。
悪戯好きな、みどりのこびとちゃん がいるだけである。
(おいおい、大丈夫か? 疲れてないか? 早く寝たほうがいいぞ)


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みどりの巨人ハルクくん

この名曲にコメントなしとは・・・どうした、なるたるさん。

年が明けて私が初めて傾聴した音楽はこの曲でした。
今年は例年と違って年明けから働きづめでニューイヤーコンサートも
聴いておらず、本日ようやく家でゆっくりしているのですが、
さきほどユーチューブでこの曲の演奏をいくつか聴きました。
ブロンドの少女によるオンディーヌがオンディーヌを弾いてるような演奏や、
アシュケナージの80年代の日本公演の演奏もいいですが、
50年くらい前のラローチャがむこうの(スペイン?)テレビ番組で弾いている演奏が
素晴らしかったです。こんなのが視聴できるとは、つくづく大変な時代です。

この曲は切なくていいです。音楽を聴く際は、その曲に標題的なテキストがあっても
通常意識することなく聴いていますが、この曲は音楽的純美から
テキストの内容を喚起せしめる強い表現力があるように思います。
終わりの部分、単旋律のモノローグは男の拒絶の辞で(オンディーヌの涙は
この間の沈黙で表現されている)、続く大アルペジォでオンディーヌは
「ふふふ」ではなく、「あはははは!!」と一転高らかに笑うと同時に水と化して
流れて消えてゆくのだと思います。これが切ない。

ただ、人の自由な幻想の邪魔は致しません。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-01-05 22:47) 

なるたる

みどりのこびとさんとハルクさんへ。
遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお導きのほどお願いいたします。

今、帰宅して最新のコメントを見て私の名前がいきなり出てきた
のに仰天して、急遽書き込み入れてますw。

申し訳ありませんが、私はリストとラヴェルとドビュッシーが
大層苦手なため、殆どコメント入れてません。
悪しからずご了承のほどお願い申し上げますw。
by なるたる (2011-01-06 21:14) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、コメントありがとうございます。
最後の大きなアルペジォですが、
やはり、私は、ふふふ ですね
そして、最初の右手の音型は、くずれた方が 水のような感じがします

で、この音楽日記、よくわからないのですが、
有名曲だから コメントがあるというわけではないみたいです。

すごく無名曲にコメントがあったりしています
by みどりのこびとちゃん (2011-01-06 22:10) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさんが、リストとラヴェルとドビュッシーが苦手なのは、
よーく、わかっていますよ。ハイ

でも、リストのハワードのCD、結構持っているのですよね
by みどりのこびとちゃん (2011-01-06 22:12) 

みどりの巨人ハルクくん

なるたるさん、明けましておめでとうございます。

リストがお嫌いなのは知っていましたが、フランス印象主義が苦手だったとは
知りませんでした。失礼しました。
そう言われれば、こちらの音楽日記でラヴェルの曲の記事を読んだのは、
これが初めてだったかも。
ドビュッシーもなかったかと思って、過去記事をざっと見てみると
コメントゼロが多い(笑)。
フランス印象主義音楽が全く肌に合わないという人、いますね。
しかし、なんともったいない! こんな素晴らしい音楽を・・・て、
こういうことを言い出すと、自分が嫌いな食べ物を
「なんで食べないの!?こんなおいしいもの」と勧めてくる人と
同じになってしまうのでやめます(私偏食なのでこういう人によく遭遇するし、
そういう人腹立ちます)。でもこれは、くさややブルーチーズが嫌いだと
いうのではなく、ラーメンやカレーが嫌いだというのに匹敵する感じでは
あります。ちなみに、私はマーラーやウィーン楽派が嫌いですが、
ちっとももったいないと思ってません(少し前までは、モーツァルトも嫌いだと
言ってました)。

今年は「コメントゼロの曲にコメントを付ける」という、おこがましいシリーズを
やるかも知れません。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-01-06 23:20) 

なるたる

ハルクさんへ

私、苦手な作曲家山のようにいます。
みどりのこびとさんにはさんざんお話ししていますが、大好きなのは
ドイツロマン派とその周辺のみ、分けてもシューマンとブラームスの
2人だけ。
後はメンデルスゾーン・サン=サーンス、フランクあたりと後期ロマン派ではブルックナー・ワーグナーぐらいで、極々狭い範囲に好みが集中しています、自慢にもなりませんがw。

まあまあ好きなのがバッハ(結構全ジャンル好き)・ベートーヴェン(最後の3つのピアノソナタと後期の弦楽四重奏曲だけで十分)・ウェーバー・ブルッフあたり。
それと別格で、ライフワークたるロマン派の知られざる作曲家の作品。

ハイドン・シューベルト・ドヴォルザーク・フォーレ・シベリウス辺りは微妙。
ショパンは最早不感症。
オペラではイタリア物が苦手で、ベルリーニ以外はヴェルディもプッチーニも避けてます、ドニゼッティもさほどではありません。
はっきり嫌いなのは話題に上がった3人を始め、モーツァルト・ロシア音楽(特にチャイコフスキー)・リヒァルト・シュトラウス以降の後期ロマン派、とりわけマーラーと近代・現代音楽(プロコフィエフ・ショスタコ以下も全部だめ)。
作曲家の好みでは物凄い偏食です。

最近ではピアノ曲にとみに興味が失せ、殆ど聴きません。
目下は専ら室内楽曲と声楽曲に興味か集中しています。
by なるたる (2011-01-07 21:55) 

みどりの巨人ハルクくん

私、クラシックの音楽評論家が、クラシックジャンルの全ての作品に理解があり、
聴き込んでいるような顔をしているのが、信じられません。
でも、クラシック以外の音楽には全然興味も知識もなく、軽蔑していたりする。
広いような狭いような・・・そんな風になれるものかなあ、と。
私はオペラが全くダメです。本来総合芸術が嫌いで、その音楽は
中途半端なものにしか聞こえません。その他、やはりいろいろありますよ
(前のコメントで「ウィーン楽派」と書いたのは「新」の付く方で、つまりは
いわゆる「現代音楽」が嫌い、ということです)。

まあ、こびとさんが異常なんですねw。
by みどりの巨人ハルクくん (2011-01-07 22:58) 

みどりのこびとちゃん

では、私の苦手な作曲家とジャンルを書きましょう。
最近まで、実は、シューマンが苦手でした。
でも「楽園とべり」を聴いてから、少しは、苦手意識がなくなりました。
苦手?なジャンルは、オペラですか・・・ただ、これは、苦手というより、
時間に追われて、じっくり聴けないのが原因です。
定年後の楽しみにとっておきます。

よく考えると、私、確かに幅広く聴いているし、ほとんどの作曲家、
ジャンルが好きです。
ただ、その分、聴き方や解釈?浅いかもしれません。
(この音楽日記も、けっこう適当なこと書いているし・・・)

あっ、ちなみに、私、クラシック音楽だけでなく、
ポピュラーもジャズもJ-POPも・・・なんでも好きです。
昔、ロックバンドもやっていたし・・・・
確かに異常かも(笑)

by みどりのこびとちゃん (2011-01-08 00:45) 

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