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愛の夢第3番(リスト) [リスト]

さて、ピアノの魔術師フランツ・リストの作品の中でも、最も有名な曲がこの曲だろう。
有名曲だか、やはりそれだけのものは、もっていると思う。

元々は、リストの自作の歌曲をピアノ独奏用に編曲したピアノ曲である。
愛の夢第3番には、「おお、愛し得る限り愛せ」の副題がある。
(スピードワゴンがいたら、「あまーーーーい。」と思わずつっこみを入れますね。(笑))。

ということで、演奏的には、「あまーーーーい」演奏が私は好きである。
リストの曲だが、バリバリと弾く感じは、ちょっと似合わない。

この曲、聴く分には、申し分がない。
旋律は、十分美しいし、中間部の盛り上がりも、OK。、
二カ所あるカデンツァも、とてもピアニスティックで華麗である。

弾く方は、どうだろう?
この曲は、思ったより弾きやすく出来ており、
最初の旋律を右手と左手で交互に取るのも、まったく問題ないし、
後半の左手が右手を越える部分も、見た目より難しくない。
カデンツァも運指さえ覚えてしまえば、そこそこのスピードで弾ける。(ような気がする・・・)
すなわち、すごく合理的に書かれていて、労がむくわれる曲である。
聴くほど、難しい曲ではなく、すごくピアノが響くように出来ているのは、
さすが、ピアノの魔術師。天才である。

しかし、同じ、愛をテーマにしても、エルガーの愛の挨拶は、ひそやかで
清らかで、清純な感じがするのだが、
このリスト作曲の愛の夢第3番は、なんか、バブリーな感じがするんだなあ。
なんか、派手で着飾った若い男性が、女性をくどいているような(笑)
(いやいや、この曲を否定している訳ではないですよ・・・)

でもですね、この曲の基になった詩は、男女の愛ではなく、
自然愛や人間愛といった、もっと大きな愛の詩だそうです。(多分・・・)

ピアノ曲としては、聴くにも、弾くにも、くどくのにも(?)、いい曲だと思います。

(中間部のハ長調の盛り上がりが終わり、フラット4つに戻る最初の小節の
 ベース音のBフラットは、1オクターブ下げて弾くと、
 素人ピアニストとしては、とてもとても気持ちがいいなあ・・・)

追記です。
このピアノ曲の基になった歌曲の歌詞ですが、男性が、若い女性に対して苦笑しながら
「そんな軽口たたていいたら、あとで後悔するよ。私が死んだときあやまっても遅いよ。
 今のうちに愛せる限り愛しなさい」と言う内容で
リストも、この曲を さらり と弾くように言っているそうだ
うーん、この曲を軽く さらりと弾くのは、これまた難しいなあ(笑)


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Karen

みどりのこびとちゃんさん

過去記事のコメントですみません。これを読んだ数年前はリストなんて考えてもみませんでしたが、今年はこれを弾きました!
でも・・、聴くほど難しくはないってウソですー(少なくとも私にとって)。
聴くほど甘ーい曲じゃない、弾いてる方はもうたいへん。
なんて言うと腕がバレバレ、今までショパンやドビュッシーのもっと甘ーい曲ばっかりだったからでしょうけど。

ところでこの曲、ピアニストの弾き方でのイメージの変わり方が他の曲よりすごく大きい気がするのですが、気のせいでしょうか?
リストって何だか嫌悪感を持っていて、さらにこの記事で、そうよねぇ、この曲ってバブルよねーと思っていたのですが、辻井伸之さんの演奏を聴いて、「えっ!この曲ってこんなに甘くて素敵な曲だったの!?」と開眼し、でいろいろ何回も聴いているうちに、やっぱりキーシンよねぇと思っています。もちろん10代後半の日本公演の(イケメンの♪)、YouTubeのトップに出てくる演奏。リストのイメージに近いのもこれに違いない!と勝手に思うのですが、キーシンちゃまをイメージして弾くと、カデンツで崩壊します(涙)。あの嵐のカデンツは忘れてゆっくりでいいから丁寧に弾かないと。崩れるよりゆっくりでいいから丁寧な、絶対イメージいいですよね。残念だけど。ちなみにランランはパフォーマンスが過ぎて直視できません。。

この曲をさらりと弾くなんて、本当に至難の業ですねぇ。結局1年くらい練習しちゃったのですが、半年くらいはついつい力が入ってしまって、肩とか背中とかバリバリ。マッサージに行って「えらく凝ってますねぇ、何されたんですか!?」なんて。ある時急に、盛り上がりのところも力入れるんじゃなくて力抜いてポーンて跳ねるように蝶々みたいに弾くんだ!って思ってから突然弾けるようになりましたー。

長々とすみません。。
次もリスト弾きたいなー、なんて性懲りもなく思ってしまいますが、どれもこれも難しくて(しかも長い!)。とりあえずEn Reve
(夢の中に)っていう晩年の小曲(不思議ちゃん)弾きました。ご存知ですか?
次はコンソレーションでしょうねぇ(これしかない・涙)。

Karen
by Karen (2013-12-12 10:36) 

みどりのこびとちゃん

Karenさん、コメントありがとうございます。
愛の夢、弾かれたのですね。素晴らしい。
確かに、ピアニストによって、イメージが変わる曲です。
で、さらっと弾くのは、すごく難しい。
実は、この曲、私もレパートリーにしています。
2回目のカデンツァは、なんとかなるのですが、
1回目を粒をそろえて、速く弾くのは、難しいですねえ。
力を抜かねば・・・

リストですが、作品1の12の練習曲は、簡単で短くて、お勧めです。
なんといっても、超絶技巧練習曲の原型ですから(笑)
by みどりのこびとちゃん (2013-12-13 00:15) 

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