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イタリア・スポレート歌劇場=ローマ・イタリア歌劇団って!? [オペラの話題]

 7月2日の記事で、各地でイタリア・スポレート歌劇場「セビリアの理髪師」の公演が行われているという記事を書きましたが、いよいよ明日、8日は最終公演、しかし、なぜか、大阪フェスティバルホールではローマ・イタリア歌劇団「セビリアの理髪師」と妙な名前にされています。→
 実際の名前は、"Teatro Lirico Sperimentale di Spoleto "A.Belli"で、「アドリアーノ・ベッリ、スポレート体験実習歌劇場」とでも訳すのでしょうか。まあ、長ったらしいですから、「イタリア・スポレート歌劇場」と呼ぶのは、妥当だとおもいます。しかし、いくらなんでも「ローマ」というのは、なんとも痛い命名ではありませんか。大阪の主催者が、スポレートでは、知名度が低いから、誰でも知っているローマにしちゃおう、それに、「すべての道はローマに通ず」だもん間違いじゃないよな、とおもったかどうかは知りませんが、いくらなんでも天、天、天下の大阪フェスティバルホールがやることでしょうかねぇ。あきれちゃいました。いかにも大阪、大阪らしい!ということなんでしょうか。
 こういうのは、よくある手ですが、今どき、時代錯誤もいいとこだと思います。ネットで、大阪フェスティバルホールだけが、こういう妙なことをしているとわかってしまいますからね。スポレート(体験実習)歌劇場に対しても失礼なことだとおもいますし。
 スポレートより、ローマという名前をつけたほうが、チケットの売れ行きがいいと考えたとしたら、これは、不当表示違反ということになるじゃないかな、どうなんでしょうね。すでに3、4回来日公演を行っているようですが、大阪だけはいつも「ローマ・イタリア歌劇団」という名称を使っていたのでしょうか。今まで、誰も問題にしなかったのかしら.....
 6月15日イタリア出発、全16公演の強行軍、お疲れさまです。次回の来日は、大阪でも「イタリア・スポレート歌劇場」という名前で、宣伝してもらいたいものです。
※ちょっと気になったので、ネットで調べた結果、2004年の公演は、《椿姫》で全公演「ローマ・イタリア歌劇団」となっていますね。今回は、大阪だけ仲間はずれにされたか、意地を張ったのかはわかりませんが、日本側関係者のいいわけを聞いてみたいものです。(7.8追記)


参考:
(不当な表示の禁止)
第4条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。
一  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
関連記事:スポレート:春にコンクール→秋に舞台


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euridice

なんだか傑作ですね。笑ってる場合じゃないのかもしれませんが、愉快痛快、奇々怪々の珍命名。『スポレート? なんやねん、それ? そないな名前はあかん!』(インチキ大阪弁ご容赦願います)それにしても、神戸公演もあったそうで、別の来日公演だと思っちゃった人もいたでしょうね。
by euridice (2007-07-07 22:22) 

ひどいなあ…あまりにひどくて笑ってしまいますが。
大阪のオペラファンは怒らないのでしょか。
by (2007-07-07 23:38) 

keyaki

大阪だけというのが、なんとも、いかにも、やっぱり、イタリアいうたらローマやさかい、しゃぁないでっしゃろ...てなもんや三度笠、なぁんちゃって、どなたか、漫才のネタにして下さい。

しかし、ちょっと気になったので、ネットで調べた結果、2004年の公演は、《椿姫》で全公演「ローマ・イタリア歌劇団」となっていますね。なんやねん、もうええわ! (笑
今回は、大阪だけ仲間はずれってことなのね。
by keyaki (2007-07-08 01:14) 

なつ

コレッリの伝記によると、コレッリがスポレートでデビューした1950年代当時は、確かにローマ・オペラ座と提携していたそうです。
スポレートはローマにとって「新しい声の貯蔵庫」の役割を担い、スポレート→ローマ・デビューのコースが敷かれていて、実際コレッリもそうでした。
keyakiさんの記事で、ライモンディもスポレートに続いてローマだったと拝読して、その後も提携は続いていたらしい、と分りました。

とはいえ、現在でもその「提携」が続いていたとしても、この「ローマ・イタリア歌劇団』という名称は、アヤしすぎますねー。
一筋のつながりがあったとしても、「ローマ」にあやかって、客寄せしようと言う意図が見え見え…!?
by なつ (2007-07-08 02:01) 

satoru

いつも拝見しています。
実は友人が春にコンクールに合格したのですが、日本遠征ができるのは去年の合格者で、自分たちは来年、とのことでした。
ちなみにイタリアでは誰もがtearto sperimentale di SpoletoあるいはSpoletoと言います。teatro di Romaと言いますと、あのローマにある、去年来日した歌劇場をさしますね。日本で誰が呼んでいるのかは分かりませんが、ローマ・イタリア歌劇団とはずいぶん適当な名前ですねえ。。。(ローマ、しかも歌劇団!!)
by satoru (2007-07-08 03:01) 

keyaki

なつさん
事務サイドとはいえ文化芸術にかかわっている人たちが、こういうことを平然とやってしまうって、情けないです。
イタリア文化会館も関係しているようですが、このことを知っていて、見て見ぬ振りをしているのなら問題ですね。日本人職員のレベルが....です。

>スポレート→ローマ・デビューのコース
トップとか指揮者のつながりがあったんでしょうね。
レオーネ・マジエラの著書では、Teatro Lirico dell’Umbriaで歌ったと書かれていますので、ウンブリア州の歌劇場といえば、ここを指すんでしょうね。イタリアのサイトでも、"Teatro Lirico Sperimentale di Spoleto "A.Belli"と"Teatro Lirico dell’Umbria"が併記されていますね。州都のペルージャにも劇場はありますが、歌劇場という組織はないんでしょうね。
by keyaki (2007-07-08 09:06) 

keyaki

satoruさん、おぉ、ということは、↓写真がありますよ。今年はエヴァ・マルトンが審査委員長だったんですね。
http://www.fotovideolab.eu/Spoleto_2007/concorso_comunita_europea/03-03-2007.htm

ほんと、ローマだとか歌劇団だとか、この名前を付けた奴,出てこい!ですね。ローマ歌劇場にしてないのは、アホなふりした確信犯かもしれませんよ。
スポレートは、世界的にも知られたDue Mondi音楽祭もありますし...とにかく、日本側の関係者は、正しい情報を発信する義務があると思います。
by keyaki (2007-07-08 09:34) 

Sardanapalus

あれ、ローマ歌劇場は去年だったよな~なんて思ったら、「歌劇団」!しかもスポレート歌劇場のことでしたか。うーん、やはり今回は他の会場と同様「スポレート歌劇場」で統一すべきだと思いますね。今回のツアー、名古屋公演に行こうとしていたのに忙しくて見逃してしまったんですよねー。なんてことも思い出してしまいました。強行スケジュールのツアーだったようですが、本当に歌手・スタッフの方たちはお疲れ様です。
by Sardanapalus (2007-07-08 10:17) 

Sasha

なぁんだなんだ、あの3年半前の《椿姫》はスポレートが母体だったのか、なんて今頃知ったワタクシめであります。個人的には、テオドッシュウのタイトルロール(と、あえて言えば昔のブノアの装置をそのまま使ってるとかいうこと)だけが目当ての公演ではありましたが、「ローマ」がつくとはいえ、「イタリア歌劇団」という名称に、なつかしきのN●K招聘のアレを思い出た覚えが。

いつもながらkeyakiさん、目のつけどころがナイス。おもしろい話をありがとうございます。
by Sasha (2007-07-08 12:03) 

なつ

>>スポレート→ローマ・デビューのコース
>トップとか指揮者のつながりがあったんでしょうね。

1950年当時「ローマ歌劇場の芸術監督だったグイド・サンパオリがスポレート音楽祭で同様の役割を担っていた」そうです。
コレッリの伝記を読んでいて、テアトロ・リリコ・スペリメンターレの組織がどうなってるか、私にはいまひとつ、つかめなかったです。
試験に受かってコースに入ると、主にローマで授業が行われ、デビュー公演はスポレートのテアトロ・ヌォーヴォ。
今はどうなのかわかりませんが、やっぱり「歌劇場」としての組織じゃないのかもしれませんね。

ところで今回の「ローマ・イタリア歌劇団」は、いにしえのNHKの「イタリア歌劇団」にあやかっての命名???
by なつ (2007-07-09 00:11) 

keyaki

なつさん
>テアトロ・リリコ・スペリメンターレの組織
この組織=スポレート歌劇場ということはないでしょうね。スポレートには、スポレート歌劇場という名称の劇場もないようですし。テアトロ・ヌォーヴォともうひとつ小さな劇場カイオ・メリッソがあるようです。
本当は、この長い名前を使えばいいのでしょうけど、この組織の来日公演は「イタリア・スポレート歌劇場」という名前で定着させるのは、なんの不都合もないとおもいますが、「ローマ・イタリア歌劇団」はやめて欲しいですね。

>コレッリの伝記
翻訳は、こういう知識がないと誤訳につながるので、ほんと難しいですよね。
レオーネ・マジエラの本も、このへんが、さらっと書いてあって、よくわかりませんでしたが、研修がローマで行われたということでしたら、なんとなくわかります。
ローマ歌劇場の当時の芸術監督のボジャンキーノが、とても目立っていた研修生のライモンディに注目して、スポレートの公演が終ったら、ローマのオーディションを受けるように推薦したということなのかなと思いました。
ブルゾンは、コンクールの優勝が、すぐに仕事には結びつかないで、5年後に芽が出たようですから、やっぱり、歌は当たり前ですが、容姿で目立つのも重要ですね。(笑
by keyaki (2007-07-09 10:02) 

keyaki

Sardanapalusさん
そうそう、ローマ歌劇場は、キャストが、コロコロ変わったり、フィウメのこととかありましたね。
こう言ってはなんですが、中国だって、このポスターをみるとちゃんとしてるようですよ。
http://www.tls-belli.it/cina2006.jpg
by keyaki (2007-07-09 10:35) 

keyaki

Sashaさん
私も2004年のテオドシューの椿姫がこれだったっていうのは、知りませんでしたよ。
チケットを売るためならどんな名前にしようと、勝手でしょ、というのが日本の呼び屋の考えなんでしょうか。情けないですね。
by keyaki (2007-07-09 10:39) 

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