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新国《西部の娘》鑑賞:2007.4.27最終日 [オペラ生舞台鑑賞記録]


 アンドレア・ホモキ演出の《西部の娘》を見てきました。キャロル・ヴァネスとルチオ・ガッロが出演するということで行ってみようかということだったのですが、残念ながら、キャロル・ヴァネスは、キャンセルしました。
 最終公演、歌手のみなさん、大音響のオーケストラと競い合って、思いっきりオペラしてました。
 《西部の娘》は、1910年が初演、ということは《蝶々夫人》と《トゥーランドット》の間で、どちらにも共通したメロディーも耳につきますが、めったに上演されないオペラになっています。魅力的なアリアがないことと、場面に効果的な演出が至難、ということもあるとか。そのせいかもしれませんが、今回の演出では、台本の時代設定を1850年から、いつなんでしょう、大雑把に現代、人の心が荒廃し希望のない混沌とした世界なんでしょうか、評論家ぶって言えば、それに対比するように整然と並んだダンボール、なんちゃって。私には演出意図はわかりませんが、人が入るくらいの大きなダンボールが、舞台上にうずたかく積まれ、それが話題の舞台でした。数当てクイズをしてもよかったのではないかと思いました。500個くらいはあったのでしょうか。
 このオペラは、1幕は、鉱夫たちのたまり場となっている酒場ポルカ、2幕が、山の中にあるミニーの小屋、3幕は、カリフォルニアの大森林、というように特定されていますが、今回は、全幕場面転換無しで、ダンボールが積み上げてあるという演出なので、1幕は、そのまま、倉庫かなとも思えますが、2幕は、あら、ミニーは倉庫に住んでるの? もしかして、名前もミニーだし、ネズミの化身かしら、なんて想像しました。冗談はともかく、すべて、そのつもりなのか、部分的にそのつもりなのかが、曖昧な演出でした。
 ということで、頭を切り替えて、ダンボールのことは気にしないようにして、鑑賞しました。そうしないといろいろ変なことが目について楽しめませんから。
 オペラ通の方たちの感想も出そろっていますが、演出については賛否両論というよりは、興奮気味な絶賛が目立ちます。私は、賛とか否以前の問題で、アイデア先行で充分に練り上げられた演出ともおもえませんでしたので、シラケただけなのですが。
 本来は、ゴールドラッシュの時代、故郷を離れて暮らすカリフォルニアの鉱山の鉱夫たちですが、今回は、雑多な人種の寄せ集めということで、仕事があるのかないのかもはっきりしませんが、富を求めて故郷を離れて暮らす移民という設定だそうです。演出家は、このオペラが、「カウボーイ・オペラ」としてとらえられているとさかんに言っていますが、それって、私には初耳です。「カウボーイ・オペラ」という意味もよくわかりませんが、そのようにとらえられたくないから、時代を移したということのようです。その時代を忠実に描いた演出の映像を3種類見ましたが、ホモキがテーマと言っている「移住」、「孤独感」、「故郷からの離別」は、充分に伝わってきましたし、アメリカのカウボーイの西部劇とは、感じませんでした。
 そもそもダンボールに意味があるのか、倉庫を表現したいためにダンボールが必要だったのかもわかりません。実は、今回は2回目で、ゲネプロにもお誘いを受けて行きましたが、その時は、全く予備知識なしに、このダンボールの山を見た時は、度肝を抜かれました。そして、休憩後、幕が上がって、椅子から転げ落ちそうになりました。ギャッ、同じじゃん! でも、昨夜は、吃驚も唖然も無し、あのダンボールは一発ギャグみたいなもんです。結局は、演出はおいておいて、とても楽しめました、ということになります。楽しめたんだったら演出が良かったんでしょう、ということにはならないんですけどね。

時代とか場所以外の演出によって変更された部分は次のシーンです。
★流しのジェーク・ウォレス(バリトン)が登場しない。ホームシックにかかったラーケンスが、カセットテープで歌を流し、みんながラジカセの周りに集まって、しんみりと聞く。カーテンコールにソリストが18人出てきたので、実際にどこかで歌っていたようです。
★望郷の念にかられたラーケンスを故郷に帰してやろうと、旅費をカンパするが、誰かがラーケンスに薬を渡す。彼は、それを飲み痙攣して死ぬ。その死体を、無造作に引きずって行く。みんなは何事もなかったようにポーカーをはじめる。
 本当は、鉱夫仲間に旅費をもらい、ありがとう、と言って、喜んで酒場ポルカから立ち去るという、心温まる場面なのですが、田舎に帰って畑仕事をしたい、なんてのは夢なんだから、ホームシックなんかになるあまっちょろいやつが救われる道は死しかないという演出なんでしょうか。
この程度ですかね。なんかもっとありましたかしら?
★相当違和感があったのが、鉱夫たちを、世界各国からの移民に置きかえていて、そのかっこうが説明的で陳腐なんですが、ミニーが、彼らに聖書を読み聞かす場面。

 ミニーを慕って集まってくる男たちが、鉱夫でなく移民に変えることによって、このオペラが生きてくるとも思えませんでした。《西部の娘》は、ミニーとジョンソン、ランスの話で、特にミニーの性格の多様性、心の広さ、やさしさ、思いやり、純愛、激情、によって、このオペラを、演劇的に面白いものにしていると感じました。プッチーニのヒロインの中では、アリアもないし一番知られていませんが、トスカ、蝶々さん,ミミを全部足して倍にしたくらい起伏の激しい複雑で強烈な個性を持ったヒロインだと再認識しました。
 プッチーニにはめずらしく、誰も死なない(ホモキは一人殺しましたが)ということではハッピーエンドですが、手を取り合って走り去るミニーとジョンソンの『さようなら、カリフォルニア、addio!... Addio! 』も悲しい響きですし、残された男たちのすすり泣くような『もう、決して戻って来ないんだね、... mai più... mai più! 』も、男たちの孤独感、喪失感が伝わってきて、この人たちは明日からどうするんだろう...としんみりしました。※平土間5列右よりで鑑賞。
歌手さんへの一言コメント
ステファニー・フリーデ(ミニー):ミニーの起伏の激しい性格をとてもよく表現していました。オレンジ色のつなぎは、似合わなくて気の毒でしたが、そのぶん、胸のあいた、フレアースカートのワンピースと赤い靴が素敵でした。
アティッラ・B.キッシュ(ジョンソン):声も大きいし、役柄的には合っていました。一本調子っていうのでしょうか、全幕同じ着古したフランネルのシャツとジーンズでは、そうなっちゃっても仕方がないかもしれません。
ルチオ・ガッロ(ランス):さすが、存在感もあるし、安心して聴けます。カップッチッリは、この役は、絶対歌わないと決めていたそうですから、魅力的な役ではないようですが、歌ってくれてありがとう。もしかして初役かしら。
公演日程
2007年4月15,18,21,24,27日
【指揮】ウルフ・シルマー
【演出】アンドレアス・ホモキ
【美術】フランク・フィリップ・シュレスマン
【衣裳】メヒトヒルト・ザイペル
【照明】立田 雄士
【舞台監督】大仁田 雅彦
【製作協力】レンゴー株式会社
【合唱指揮】三澤 洋史

キャスト
【ミニー】ステファニー・フリーデ
【ジャック・ランス】ルチオ・ガッロ
【ディック・ジョンソン】アティッラ・B.キッシュ
【ニック】大野 光彦
【アシュビー】長谷川 顯
【ソノーラ】泉 良平
【鉱夫 トゥリン】秋谷 直之 
【鉱夫 シッド】清水 宏樹
【鉱夫 ベッロ】成田 博之
【鉱夫 ハリー】高野 二郎
【鉱夫 ジョー】羽山 晃生
【鉱夫 ハッピー】大森 一英
【鉱夫 ラーケンス】今尾 滋
【ビリー】片山 将司
【ウォークル】三輪 陽子
【ウォーレス】米谷 毅彦
【カストロ】大久保 眞
【郵便配達夫】大槻 孝志



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コメント 59

euridice

相互TB、ありがとうございます。

>歌手のみなさん、大音響のオーケストラと競い合って、思いっきりオペラしてました。
同感です。いかにもオペラ!でした。なんと言っても、必死の恋の強烈さが心をひきつけました。ランスの「奴のどこがいいんだ?」という台詞、実感がこもってました。
by euridice (2007-04-28 20:43) 

tsukune☆彡

こんばんは!
昨日はお目にかかれて良かったです。(*^_^*)
相変わらずのパワーに圧倒されっ放しでしたけど... ^^;

>昨夜は、吃驚も唖然も無し、あのダンボールは一発ギャグみたいなもんです。
keyakiさんからの情報でダンボールについては予備知識があったので、初日に見た時にもこんなものかな...と思って見てました。
なんだか見慣れると、地味なものだけにあまり気にならなくなるような気がしませんでした?
なんていうか、無色透明な背景みたいな感じで... (@_@;)
by tsukune☆彡 (2007-04-28 21:07) 

euridice

tsukune☆彡さん、横からおじゃまします。
>あまり気にならなくなる
たしかにそうですね。予備知識ゼロのゲネプロ、幕が開いたとたんびっくり仰天、ハテナマーク大量発生で、頭が真っ白、混乱して落ちつかないまま終わってしまったという感じかもしれません。二度目は、お勉強?!のかいもあってか、そう、おっしゃる通り、段ボールの山というか壁は、
>無色透明な背景みたいな感じ
空気みたいなものでしかなかったというところでしょうか・・・
さらに、安楽死とかカセットとか各種人種、文化を揃えました・・とか、余計なものもどうでもよいものとして無視できてしまった・・
by euridice (2007-04-28 21:23) 

tsukune☆彡

euridiceさん、初めまして。
いつもブログ楽しく拝見させていただいてます。(*^_^*)

私は演出の意図を読み解くのが苦手なので、今回の舞台を何の予備知識もなく見ていたら、多分感動も半減していたと思います。
ネットでは良い情報ばかりでなく、いい加減な情報も瞬時に広まってしまいますけど...
私は初日と最終日に観たのですが、特に最終日は歌手もオケも素晴らしく、ダンボールも何もかも全然気にならなかったんです。
きっとそれは、プッチーニの音楽の素晴らしさと、それを伝えてくれた演奏者の力演によるものだと思うのですが、家に帰って自分の感想をまとめていて改めてそのことに感動しました。
by tsukune☆彡 (2007-04-28 22:33) 

keyaki

euridice さん、
プッチーニもずいぶんと大袈裟な曲をつけたものですね。
チープ感ただよう今回の演出は、仰々しさを際立たせていたような...

>ランスの「奴のどこがいいんだ?」という台詞、実感がこもってました。
それは言えてます。(笑

「誰もが恋に落ちる、ミニーにもそういう時が来たんだよ」
というのも、いつの時代も変わらないってことですよね。
このオペラのテーマはこれでしょう。周りの男たちが移民でも鉱夫でも同じだと思いますけど。
by keyaki (2007-04-29 02:09) 

keyaki

tsukune☆彡さん
お会いしちゃいましたね。
あのダンボールは、空間を埋めるためのものでしょうね。
せっかく、素晴しい設備の劇場なのに、ホールオペラ並の演出はさびしいです。
唐突ですが、赤ん坊を床に転がすのはやめて!
by keyaki (2007-04-29 02:18) 

euridice

>赤ん坊を床に転がすのはやめて!
そうそう!同感です!

ゲネプロのときは、ほんとにあきれましたが、最終日はしかたないなぁ・・・とちらっと思って無視^^;

でも、ミニーが靴を投げるのを受けとり損ねて、体勢崩しておっとっと・・なんてなったら、赤ん坊、踏んじゃうよ〜〜って内心心配しました。
by euridice (2007-04-29 07:14) 

tsukune☆彡

あの積み上げられていたダンボールの一部はハリボテだったみたいです。
舞台を組み立てている写真があったのですが、1幕でランスが箱の上でタバコを吸ったりする部分などは、下にやぐらみたいなものが組んであって、客席側にダンボールが貼ってあるだけでした。
ちょっとガッカリ... ^^;
by tsukune☆彡 (2007-04-29 10:02) 

keyaki

やっぱりね、です。
見える部分ですけど、横に10個、上に14個積み上げてましたから、それだけでも140個、全部で300個くらいはあったんじゃないかな。
箱の大きさは、150×60× 60くらいかな、ファルスタッフの洗濯物カゴくらいですよね。
by keyaki (2007-04-29 13:18) 

Sardanapalus

keyakiさんも行ってこられたのですね。euridiceさんの感想と合わせて、とても興味深く読みました。

>流しのジェーク・ウォレス(バリトン)が登場しない
えーー!現代人の慰めはラジカセなんですか…あれは人間が歌うから癒されるんじゃないのかなーなんて思っちゃいますけどね。

>鉱夫たちを、世界各国からの移民に置きかえていて、そのかっこうが説明的で陳腐なんですが、ミニーが、彼らに聖書を読み聞かす場面

現代にもってくるならこういうところもしっかりと詰めておいて欲しいものですね。今時聖書の読み聞かせって、バイブル・ベルトの辺りの人たちからしか共感が得られないと思いますけど。このオペラのテーマを深刻に受け取って欲しいための現代読みかえとか言ってますが、これでは逆に白けちゃいます。
by Sardanapalus (2007-04-29 17:58) 

keyaki

Sardanapalus さん
このラジカセをかかえるようにして聴いていたホームシックの男が、薬を飲んで自殺しちゃうんですよ。ゲネプロの時は、故郷に帰れるのが嬉しくて、心臓発作おこしたかな、と思ったんですよ、ところが、
本番では、「はい、みなさん、薬ですよ、見ていて下さ〜い、飲みますよ」ともちろん言ってはないんですけど、はっきりわかるように薬を飲むんですよ。それで、ばたっと仰向けに倒れて、大袈裟にピクピク痙攣したりして、「あんたやりすぎぃ!」って、叫びたくなりました。
死んだ彼のラジカセをあたりを見回して、こそっと盗って、自分のカートに入れた男もいたりしてね。

このホモキ・オリジナル....言いたいことはわかるけど、こういう演出家のメッセージって、人のなんとかで相撲をとってるような気がしちゃうのよね。自分の劇団作ってやればって。
台本通りの1850年の設定であれば、みんなのカンパで、喜んで故郷に帰る心温まるエピソードでいいけど、現代に移すと、彼にとっての救い=故郷は、死しかないってことが言いたいんでしょうけど、それでは、聖書を読み聞かす場面が、チグハグですよね。絶賛している人って、このへんは無視してるのよね。
by keyaki (2007-04-29 23:29) 

ふくきち

keyakiさん

いつのまにやらリンクしていただいて、ありがとうございます。
私のブログからもリンクさせていただきました。

今回の《西部の娘》、ホモキが「この作品は生の舞台では見たことがない」って言っていたのですが、ベルリンでオペラの仕事をしていて《西部の娘》を見たことがないって、どういうことなんだろうと思いました。なぜ、そういう人が演出する権利を握ってしまうのでしょうね。
by ふくきち (2007-05-01 21:33) 

keyaki

ふくきちさん、いつもハンナさんのブログ経由でお邪魔してましたので、RSSに登録させていただきました。よろしくお願いします。

オペラを見たことがない人が演出をするのもめずらしくないのですが、それをわざわざ公表するっていうのは、どういうつもりかと思います。
by keyaki (2007-05-02 00:42) 

サンフランシスコ人

《西部の娘》を見たことがないです。 カリフォルニアでは、上演されないオペラです。
by サンフランシスコ人 (2008-03-10 06:45) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
《西部の娘》自体、それほど上演される演目ではないですが、たまたまではなくて、あえて上演しないということですか。
ご当地オペラなのに.....日本人なんか、おかしい....といいながら蝶々夫人をかえって積極的に上演してるのに。
アメリカは広いですから、東部と西部ではずいぶん違うんですね。
でも、このダンボール版ならOKかもしれませんね。
by keyaki (2008-03-10 20:44) 

サンフランシスコ人

「アメリカは広いですから、東部と西部では」

今シーズン、《西部の娘》を上演してるアメリカの歌劇団はない思います。

「そもそもダンボールに意味があるのか」

カリフォルニアでは、ダンボールを毎日たくさん見ます。


by サンフランシスコ人 (2008-03-12 05:19) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
初演はメトロポリタン歌劇場で、一応成功だったようですから、内容云々で上演しないのではなくて、他のプッチーニの作品に比べて、マイナーなので、上演されないということなんでしょうか.....
スカラ座にしても20年に一回あるかないかの上演のようですから。

舞台にうずたかく積まれたダンボールは壮観でした.....
by keyaki (2008-03-12 20:02) 

サンフランシスコ人

「他のプッチーニの作品に比べて、マイナーなので、上演されないということなんでしょうか」

他のマイナーの作品は、上演されます。例えば......

http://www.newyorkgrandopera.org/puccini.htm

『妖精ヴィッリ』
New York Grand Opera




by サンフランシスコ人 (2008-03-13 11:02) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
『妖精ヴィッリ』は、このところ、ホセ・クーラが好んで取り上げていますので、私の記憶によれば、最近もジェノヴァで、ちょっとまえにはウィーンでもクーラ主演で上演していました。
でも、1時間程度の短い作品ですので、劇場側としても取り上げにくいというのもあるかもしれません。プッチーニでしたらトスカとかボエームを上演したほうが、興行的にも楽に採算がとれるということでしょうか。

「西部の娘」は、原作はアメリカの劇作家ベラスコの戯曲ですし、ベラスコはなんとサンフランシスコ出身なんですね。知りませんでした。ではなんでサンフランシスコで上演されないのか、私も興味津々。
でも、まず、過去にサンフランシスコで上演されていないのか、ということですが、サンフランシスコ歌劇場のホームページに、りっぱなアーカイヴがあることを思い出しましたので、さっそく検索....出ました!
1930、1943、1960、1965、1979年に上演されています。
1979年はネブレット&ドミンゴなんですね。
1979年以降、30年も上演されていない理由はわかりませんが、よく知られたアリアがあるわけでもなく、スター級の歌手をもってこないと、集客に難有りのオペラなので、敬遠されているだけかもしれませんね。
メトロポリタン歌劇場では、初演の劇場だったことと、ご当地ものということで、他の国のオペラハウスより頻繁に上演されているのではないでしょうか。
by keyaki (2008-03-13 14:26) 

サンフランシスコ人

「他の国のオペラハウスより頻繁に上演されているのではないでしょうか。」

メトロポリタン歌劇場では、1990年あたりに上演したと思います。
by サンフランシスコ人 (2008-03-14 05:57) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
「西部の娘」の公演記録をみてみました。
メトロポリタン歌劇場:1910/11,1912/13,1914,1929/30,1931,1961/62,1965/66,1970,1991,1992,1993

ミラノ・スカラ座:
1912,1930,1931,1940,1942,1945,1956,1965,1990

いろいろな理由で、上演されることが少なくなっていることは確かですね。やっぱり、前にも書いたように、有名なアリアがあるわけでもないし、労あって甲斐なし...のようなかんじで、歌手さんたちにも人気薄の演目なのかもしれません。
by keyaki (2008-03-14 10:11) 

サンフランシスコ人

そうですか......... 指揮者のニコラ・ルイゾッティ は、サンフランシスコ歌劇場で「西部の娘」を上演するかもしれません。
by サンフランシスコ人 (2008-03-14 11:08) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
それは楽しみですね。

>指揮者のニコラ・ルイゾッティ
最近、日本でも、とても評価が高い指揮者で、頻繁に来日しているようです。09年から5年間、サンフランシスコ・オペラの音楽監督に就任なんですね。
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/080306.html

by keyaki (2008-03-15 00:15) 

サンフランシスコ人

「頻繁に来日しているようです。」

じぁー、日本人の歌手を良く知っているのですね。
by サンフランシスコ人 (2008-03-15 06:59) 

keyaki

>じぁー、日本人の歌手を良く知っているのですね。
どうなんでしょうね。ほとんどの公演が、主要キャストは海外から来ていますから。
by keyaki (2008-03-15 09:14) 

サンフランシスコ人

では、ルイゾッティになっても、日本人の役を中国人や韓国人が演じたりするかもしれませんね。

by サンフランシスコ人 (2008-03-16 02:59) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
中国人や韓国人だけでなく西洋人も演じたりするでしょうね。

たとえば、《蝶々夫人》の場合、今まで、新国立劇場でも何度か上演していますが、以下の通りです。
1998/99シーズン:林康子 /松本美和子
1999/00シーズン:渡辺葉子 /佐藤ひさら
2000/01シーズン:ヴィラロエル /緑川まこ
2004/05シーズン:大村博美
2006/07シーズン:岡崎他加子
2008/09シーズン:アルメニア人
さすがに日本人優勢ですが、あれまぁ、来シーズンはアルメニア人です。
ヴィラロエルは、写真を見る限りでは、着付けがいいせいか、着物もお似合いですし、美しく着こなしています。
by keyaki (2008-03-16 19:58) 

サンフランシスコ人

1995年あたりに、渡辺葉子の《蝶々夫人》をサンフランシスコ歌劇場で見ました。
by サンフランシスコ人 (2008-03-17 04:14) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
渡辺葉子は、世界的に活躍していた、数少ない日本人歌手でしたね。
残念ながら、2004年7月15日に亡くなられました。51才だったそうです。
1995年にライモンディとも《ファウスト》で共演しています。藤原歌劇団主催の公演でしたが、サバティーニ、ライモンディ、渡辺葉子という布陣でした。私は、この公演のことは後で知って、ほぞをかんだものです。


by keyaki (2008-03-17 09:33) 

サンフランシスコ人

公演記録をみてみました。

http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id320.pdf
by サンフランシスコ人 (2008-03-18 02:50) 

keyaki

サンフランシスコ人さん、リンクありがとうございます。
ピンカートンがマージソンだったんですね.....
蝶々さんがちょっと気の毒なような....
by keyaki (2008-03-21 13:51) 

サンフランシスコ人

渡辺葉子とマージソンの二重唱は、非常に良かったです。
by サンフランシスコ人 (2008-03-22 05:34) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
気の毒なのは声ではなくて顔です。
マージソンは、カナダ人三大ブサイクテノールの一人、後の二人は、ヘップナーとマックマスターだそうです。


by keyaki (2008-03-22 23:51) 

サンフランシスコ人

初演100周年の2010年に、サンフランシスコ歌劇場で「西部の娘」を上演するようです。 サルヴァトーレ・リチートラにディック・ジョンソンを頼むとの情報です。


by サンフランシスコ人 (2008-03-28 10:46) 

keyaki

サンフランシスコ人さん、それは楽しみですね。西部の娘=ミニーは誰に頼むのでしょうね。
by keyaki (2008-03-29 00:26) 

サンフランシスコ人

「西部の娘=ミニーは誰に頼むのでしょうね。」

デボラ・ヴォイト???
by サンフランシスコ人 (2008-03-30 07:46) 

サンフランシスコ人

日本人歌手が来月Baltimore Operaの公演に........

http://www.baltimoreopera.com/07-08/madama.asp
by サンフランシスコ人 (2008-04-21 07:39) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
リンク先を見てきました。
木下美穂子の蝶々さんですね。彼女は、NHK(日本放送協会)のニューイヤーオペラコンサートにも昨年と今年と連続出演しています。日本では、評価が高いようですから、今後、海外での活躍も増えるかもしれませんね。
by keyaki (2008-04-21 13:50) 

サンフランシスコ人

最近、アメリカでは《蝶々夫人》の役を日本人歌手が演じませんね。

by サンフランシスコ人 (2008-04-22 05:47) 

euridice

ボルチモア。昨年9月撮影だそうです。
右の方のスライドショーでご覧ください。
http://album.nikon-image.com/nk/NK_AlbumPage.asp?key=1213752&un=39691&



by euridice (2008-04-22 09:53) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
>最近、アメリカでは《蝶々夫人》の役を日本人歌手が演じませんね。
ということは、ボルチモア・オペラの木下美穂子さんは、久々の日本人歌手の蝶々さんということですね。

euridiceさん
ボルチモアの写真見せて頂きました。落ち着いた雰囲気の町なんですね。
by keyaki (2008-04-23 00:05) 

サンフランシスコ人

「久々の日本人歌手の蝶々さんということですね。」

アメリカでは、日本人のオペラ出演数がとても少ないです。

by サンフランシスコ人 (2008-04-23 08:25) 

keyaki

サンフランシスコ人さん

>アメリカでは、日本人のオペラ出演数がとても少ないです。

日本人歌手にとっては、やっぱりアメリカよりヨーロッパでしょう。
アメリカ人歌手にしても本場ヨーロッパで勉強したり、ヨーロッパの歌劇場で歌うことは、世界的歌手になる絶対条件だと思います。
歌手だけでなく、他の分野でもそういうのはたくさんあって、外国というとアメリカという時期もありましたけど、今は違ってきています。


by keyaki (2008-04-23 09:37) 

サンフランシスコ人

ヨーロッパ以外のオペラ歌手にとって、サンフランシスコの歌劇場に出演することが一流になる条件です。

by サンフランシスコ人 (2008-04-23 11:21) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
>ヨーロッパ以外のオペラ歌手にとって、サンフランシスコの歌劇場に出演することが一流になる条件です。

あらまぁ! それは存じませんでした。
しかし、そのご意見は、日本で通用するとは考えにくいです。

えぇっとですね、これは「条件」ではなくて、
「ヨーロッパ以外のオペラ歌手にとって、サンフランシスコの歌劇場に出演することが一流になる近道です。」
とでも言ったほうが、妥当だと思いますよ。
by keyaki (2008-04-23 13:36) 

菅野茂

プッチーニの唯一の4管編成のオペラですね。結局主人公が最後に死なないのでトスカのような劇性のインパクトは弱いですね。これは昔スラットキンがドミンゴとWienでやったのが忘れられないですね。DVDではメトのがありますね。同じ舞台です。
by 菅野茂 (2008-04-23 17:46) 

keyaki

菅野さん
>プッチーニの唯一の4管編成のオペラ
知りませんでした...メモメモ....
それで「大音響のオケ」だったんだ。なるほど。
あまり上演されないのは、それも一因かもしれませんね。

>スラットキンがドミンゴとWienでやった
ドミンゴは1979年にもウィーンで歌っていますが、スラットキン指揮だと1988年のですね。
この後、ウィーンでは《西部の娘》を上演してないんですね。20年やってないとすると、そろそろやるかもしれません。
コヴェントガーデンではクーラが熱心にやっていて、来シーズンも再演するようです。

メトのは、演出がデル・モナコ、コヴェントガーデンは、ファジョーニ、ミラノ・スカラは、ミラーで、それぞれ舞台は豪華版です。DVDで発売されているかはわかりませんが、全部LDとかテレビで見ました。なんとジョンソンは全部ドミンゴです。
ウィーンの演出は、Lotfi Mansouriのようです。
by keyaki (2008-04-24 02:51) 

菅野茂

木管が4管編成です、金管は3管ですが、編成の規模は木管を基準にして言うのでまあ4管編成ですね。リングほど大きくは無いですがパルシファルとほぼ同じですね。

良く上演年代まで知っていますね。その年の4月でしたね。凄くメトの舞台と似ていなした。ドミンゴはこれを完全にレパートリーとしているのでしょう。デル・モナコは良くStuttgartにも演出で来ましたがびっこの人ですね。良く自身を持って偉そうにしゃべる人です。親はわかるけど、ほんとに偉いのかどうかは不明。
by 菅野茂 (2008-04-24 17:22) 

keyaki

菅野さん
>リングほど大きくは無いですがパルシファルとほぼ同じ
なるほど...ミニーを得意とするソプラノは限られてくるわけですね。

>良く上演年代まで知っていますね
私の趣味なんですが、ライモンディの公演記録を充実させるために、いろいろ集めてるんです。ウィーン関係のあんちょこ(死語かな?)というか虎の巻は↓
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/2006-05-16
1988年4月12日がプレミエ、9月24日が最終日で全7公演
主要キャストでは、ドミンゴ5公演、ジャコミーニ2公演、ザンピエリとカローリ全公演、指揮は、スラットキン5、グアダーニョ2
わかるのは、こういうことなんです。完全ではない。
ランスのシルヴァーノ・カローリは、今でもランスを歌ってますよ。



by keyaki (2008-04-25 10:15) 

菅野茂

Wienは毎回この演出で第何回目の公演とプログラムに書いてありますね。あそことバイロイトだけです、すべての公演を記録しているの。例えばカルメンなんかも年に何回と回数を数えてバランスも取ってますね。あそこのドゥラマトゥロギーに聞くと全部教えてくれるかもしれません。
by 菅野茂 (2008-04-26 17:39) 

keyaki

菅野さん
>Wienは毎回この演出で第何回目の公演とプログラムに書いてあります
なるほど、「この演出で第何回目の公演」というのが特徴ということですね。
他の劇場でも、この演目が何回目の公演かという記録は見かけますが、演出を主体として数えるのはめずらしいんじゃないですか。まあ、ウィーンって、レパートリー制で、連日公演をやっているので、同時に違う演出をやったりしてますものね。
たとえば、《ドン・カルロ》は、1989年プレミエのピッツィ演出のものと、コンビチュニーでしたかの演出を同時期にやったり。

by keyaki (2008-04-27 11:27) 

菅野

たとえば、《ドン・カルロ》は、1989年プレミエのピッツィ演出のものと、コンビチュニーでしたかの演出を同時期にやったり。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれだけでしょう同時にやったの。極めて珍しいやり方ですね。あの初稿は興味があったのでVideoに撮ってあります。全体で4時間越えるヴェルディ最大のオペラですね。当時初演されなかったのが残念です。今ではWagnerで慣れていますから4時間越えても全然平気ですね。
by 菅野 (2008-04-27 17:42) 

keyaki

菅野さん
そうなんですか。ドン・カルロスとドン・カルロは別の作品と考えた...ということですね。

>当時初演されなかったのが残念です
初稿ってのは、4時間どころか6時間くらいだったんですよね。私は、イタリア語版が好きですし、ファンテーヌブローの森の場もあってもなくても、どっちでもいいです。
ウィーンのフランス語版は、ヴェルディが初演前にカットしたりしたのを適当に復活させた...とかなんですよね。すでにCD、DVDもかな?発売されているようですが、私は買ってません。
でも、一応、録音はパソコンの中にあるんですよ。要所要所をクリックして聞きましたが、男声が好みじゃないので、もう、数年放置状態です。
バレーの部分(ウィーンのは寸劇)以外には、どこがどう復活してますか。その部分だけ、聞いてみたい気もしますので、わかれば教えて下さい。
by keyaki (2008-04-27 23:23) 

サンフランシスコ人

「木下美穂子の蝶々さんですね。」

http://www.baltimoresun.com/entertainment/bal-to.musicol22apr22,0,3899058.column

"Baltimore Opera productions ordinarily get four performances, but a fifth has been added for Butterfly. On May 17, Japanese soprano Mihoko Kinoshita will sing the title role."
by サンフランシスコ人 (2008-04-28 06:23) 

サンフランシスコ人

「日本では、評価が高いようですから、今後、海外での活躍も増えるかもしれませんね。」

Published: Monday, April 14, 2008 11:38 AM EDT

http://www.ourmidland.com/articles/2008/04/14/story_prep/1055485.txt

Mihoko Kinoshita took on the title role in the Midland Symphony Orchestra's production of Puccini's "Madama Butterfly" with little more than a week's notice -- which made her brilliant performance on opening night all the more impressive.

The Japanese soprano carried the show Friday night at the Midland Center for the Arts Auditorium, combining a beautiful voice with fine acting skill. She has a gorgeous tone and wonderful control, and was heartbreaking as the delicate young girl who weds an American naval officer.

Kinoshita embraced the full range of the Butterfly character, and was thoroughly convincing whether expressing the shyness of a child bride, the joy of young love or the sorrow and grief of a wronged wife. The Midland audience was privileged to see her in the part, which she will perform next month in her Baltimore Opera debut.
by サンフランシスコ人 (2008-04-29 03:16) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
いろいろ情報ありがとうございます。
でも、私は、横文字は嫌いです。
サンフランシスコ人さんは、横文字が好きですか。

by keyaki (2008-04-29 21:26) 

サンフランシスコ人

メトロポリタン歌劇場は、2009年3月15日に《西部の娘》の一部分を上演するようです。

http://www.metoperafamily.org/metopera/season/production.aspx?id=10112

by サンフランシスコ人 (2008-06-02 06:48) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコ歌劇場の「西部の娘」(2010年6月)

http://sfopera.com/o/291.asp

by サンフランシスコ人 (2009-03-15 03:29) 

サンフランシスコ人

「西部の娘......1979年はネブレット&ドミンゴなんですね...」

http://www.sfgate.com/news/article/Carol-Neblett-star-soprano-who-once-bared-all-12387506.php

Carol Neblett, star soprano who once bared all for opera, dies at 71

Harrison Smith, The Washington Post Published 6:21 pm, Monday, November 27, 2017


by サンフランシスコ人 (2017-11-30 02:32) 

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