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追悼:ダニエル・シュミット(映画監督、作家、オペラ演出家) [訃報]

 オペラ愛好家としても有名な映画作家監督で、1984年以降はオペラの演出も手がけていたダニエル・シュミットDaniel Schmidが亡くなりました。享年64歳でした。8月5日深夜から、6日未明に亡くなったそうですが、訃報は8月9日の朝刊に掲載され、8月5日死去となっていました。
 ダニエル・シュミットは、スイス、グリゾン地方(ドイツ、ロマンシュ語圏)、アルプスの真ん中の城館のホテルを営む祖父母に育てられ、14歳の頃から街の映画館に通っていたとか、学校さぼって、ルキノ・ヴィスコンティ演出、マリア・カラスの「椿姫」をミラノ・スカラ座まで見に行ったというエピソードがあります。1955年5〜6月のジュリーニ指揮の「椿姫」のことだとすると13歳ですね。相当年季の入ったオペラ狂いでもあるわけです。以前、映画《トスカの接吻》の紹介記事を書きましたのでリンクします。
  1984年からは、スイスのジュネーヴ大劇場とチューリッヒ歌劇場でオペラの演出をてがけています。2005年9月にチューリッヒ歌劇場で《トロヴァトーレ》をシコフ、ヌッチ、チェドリンス、ナエフというキャストで再演しています。癌で亡くなられたそうですが、ほんの1年前には、元気で仕事をしていたということですね。ご冥福をお祈りします。
※左上のパンフレットの写真クリックすると『フィクションとドキュメンタリーの間《トスカの接吻》の世界』というシュミット自身の紹介文にリンクしています。

 ダニエル・シュミット(1941.12.26〜2006.8.5) オペラ演出一覧
■1984年ジュネーヴ《青髭》Marc Soustrot指揮。
■1985年ジュネーヴ《ルル》ジェフリー・テイト指揮。
■1987年チューリッヒ《Guglielmo Tell》ネロ・サンティ指揮。
再演 1992年《Guglielmo Tell》ネロ・サンティ指揮。
■1994年チューリッヒ《シャモニーのリンダ》アダム・フィッシャー指揮。
再演 1996年9月《シャモニーのリンダ》ドニゼッティ生誕200年記念公演 DVD
■1995年ジュネーヴ《清教徒》ブルーノ・カンパネラ指揮。
■1996年チューリッヒ《トロヴァトーレ》リッカルド・シャイー指揮。
■2001年12月チューリッヒ《テンダのベアトリーチェ》M・ヴィオッティ指揮 DVD
再演 2005年9月チューリッヒ《トロヴァトーレ》カリニャーニ指揮。
ダニエル・シュミット公式HP参照


■発売中のDVD
ドニゼッティ:歌劇「シャモニーのリンダ」 ベルリーニ:歌劇 ベアトリーチェ・ディ・テンダ ラ・パロマ ヘカテ トスカの接吻
オペラ
Linda Di Chamounix
オペラ
Beatrice Di Tenda
映画
ラ・パロマ
映画
ヘカテ
映画
トスカの接吻


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コメント 12

euridice

この方の名前を意識したのは、「トスカの接吻」ですが、それよりだいぶ以前に映画を見たことがあります。「デジャヴ」と「ラ・パロマ」どちらも内容も忘れてしまいましたけど、とっても美しかったのを覚えています。「デジャヴ」のほうだと思いますが、森の中を騎馬の一群が駆け抜けるシーンが特に印象的でした。オペラでは、「シャモニーのリンダ」のテレビ放送を見ました。これも絵画的な舞台が美しかったです。演出家は確認しなかったのですが、この方だったのですねぇ・・・ もうひとつテレビで「書かれた顔」というのを見ました。坂東玉三郎、杉村春子などが登場するドキュメンタリーみたいなものですけど、なんとなく惹き付けられて目が離せなくなっちゃう・・・
by euridice (2006-08-10 19:33) 

keyaki

私は、「トスカの接吻」は、映画館で見たので、「デジャヴ」より先でした。まだオペラに全く興味のない頃でしたが、この映画は気に入ってました。
「デジャヴ」は、最後がどうなったかとかは忘れましたが、ゾクゾクっと背筋が寒くなるような映画でしたね。彼の出身地の独立運動の革命家の暗殺事件と現在がシンクロしたような奇妙な、まさにデジャヴでしたが、原題は、その革命家の名前「イェナチュ」なんですね。
「ラ・パロマ」は、TVで何度も放送されてますので、見ているんでしょうけど、まったく記憶にないです。
追悼番組でTVで放送しないかなぁ。
by keyaki (2006-08-10 20:15) 

Orfeo

keyakiさん、こんばんは。お知らせ、ありがとうございました。
お盆シーズンに訃報が続くんですねえ。
やはり猛暑が身体にこたえるんでしょうか。
残念です。。。

『シャモニーのリンダ』、TBさせていただきました。
by Orfeo (2006-08-10 20:23) 

keyaki

Orfeoさん、TBありがとうございます。64歳では、早すぎますね。
by keyaki (2006-08-10 20:31) 

きのけん

 実は、この下のヘルツォーク同様、あまり思い入れのない人なんですが、orfeo.blogに幾つか関連コメントが入ってます。

1) 『コジ・ファン・トゥッテ』(ベルリン州立歌劇場)のコメント内(助六+きのけん)
http://orfeo.cocolog-nifty.com/orfeoblog/2005/07/post_b0f4.html

2)《ロビンフッドの冒険》(映画)のコメント内(Orfeo+CineKen2)
http://orfeo.cocolog-nifty.com/orfeoblog/2006/04/post_3c66.html

3)『ラ・ボエーム』(映画)のコメント内 (Orfeo + CineKen2)
http://orfeo.cocolog-nifty.com/orfeoblog/2005/11/post_5ecd.html

4)『死の都』(ライン国立歌劇場)のコメント (Orfeo + CineKen2:2/とも関連)
http://orfeo.cocolog-nifty.com/orfeoblog/2005/10/post_ec7e.html

以上、
きのけん
by きのけん (2006-08-11 02:53) 

きのけん

↑の 3/には、ダニエル・シュミート関連でここの keyakiさんのコメントも入ってました!
きのけん
by きのけん (2006-08-11 03:00) 

preterite

はじめまして。
コメント&TBありがとうございました。
恥ずかしながらオペラにはまったく無知であるので、keyakiさんの詳しい記事を読ませていただき、とても参考になりました。
映画関連では最近名前を聞かなくて淋しい思いをしていたのですが、オペラのほうでは元気に仕事をしていたみたいですね。
貴重な情報をありがとうございます。
by preterite (2006-08-11 11:00) 

keyaki

きのけんさん、リンクありがとうございます。
オペラの演出をした映画監督を、私の少ない知識と情報でまとめてみますので、ご存知のことがありましたら、教えて下さい。
情報は、きのけんさん情報です。
by keyaki (2006-08-12 09:45) 

keyaki

preteriteさん、ありがとうございます。
私、映画も好きなで、また、人それぞれの感想を読むのも好きなので、また寄らせていただきますね。
by keyaki (2006-08-12 11:13) 

きのけん

>オペラを演出した映画監督

 いっぱいいますよ!…。ただ、僕自身は映画監督がオペラや、広く演劇の演出に手を出すのにもともとあまり好意的でないんで、むしろ助六さんの方が詳しいんじゃないかな?…。要するにああいうのは、映画監督の国際的知名度を当て込んだオペラ座の商業政策に過ぎないと思うから…。ただ、これから、オペラを見るのがヴィデオやDVDが主流になっちゃったりすると、映画監督の方がいい仕事をする可能性ってありますよね。
 例えばジョゼフ・ロージーやイングマール・ベルイマン、アンジェイ・ワイダ(…はオペラなんかやってたっけ?>助六さん!)なんかはもともと芝居の演出家だった人たちだしね…。もちろん、シェローもそう…。
 相当の映画ファンらしいケント・ナガノがリヨン時代やった吉田義重の《蝶々さん》と勅使河原宏の《トゥーランドット》なんて如何?…。もっとも、勅使河原の場合は、《砂の女》の映画監督を呼んだつもりが、生け花の大先生が来ちゃって、ちょいとアテが外れた(笑)なんてこともあったですがね。
きのけん
by きのけん (2006-08-13 19:59) 

はじめまして

オペラについてまるで知らないものですが、「トスカの接吻」を観たあと、こちらのブログを拝見して、シュミット自身の紹介文なども載せておられたり、シュミットについて詳しく説明してあったりでとても参考になりました。「トスカの接吻」についての感想をブログに書くときにこちらのブログも紹介させてもらったのでご報告にきました。
by はじめまして (2006-08-21 14:10) 

keyaki

ponymanさん、わざわざご報告ありがとうございます。たまたま、映画のパンフレットがとってありましたので、みなさんにも読んで欲しいな、というので載せました。参考にして頂いて嬉しいです。
by keyaki (2006-08-21 20:28) 

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