新国立《こうもり》2006.6.26 [オペラ生舞台鑑賞記録]
《こうもり》は、楽しいのが当たり前のオペレッタですが、楽しかったです。ツェドニク演出の舞台も新国立の機能をいかして豪華で、日本向けのギャグも満載、歌手さんものりのり(死語かな?)でした。
ホワイエでは、数種類のシャンパンもサービスされ、いつもになく客の入りもよく盛況でした。
楽しい3時間(休憩一回30分)で、飲んでもないのにほろ酔い気分で、終わってからも頭の中でワルツが鳴ってました。印象に残ったことを書き散らかしてみます。(一階6列で観劇)
■ブレンデル(アイゼンシュタイン)、レイフェルクス(フランク)の中年コンビが、ふざけているだけで愉快でした。特にブレンデルはドタバタ調で大騒ぎ。あちらの男性は、二人集まればふざけてますからね、日本のように、男はふざけるな!みたいな教育はされてないようですよね。
■新国ではお馴染みのツィトコーワ(オルロフスキー公爵)が、これまた声も深みがあって素晴しく、はまり役でした。
■グスタフソン(ロザリンデ)は、180センチ以上あるのではないかとおもいますが、とにかく背が高くて、それをうまくギャグにもつかっていました。アデーレが、自分のドレスを勝手に着ているのをみて、「.......まぁ! 丈までつめて...」、アデーレはアデーレで、「袖や裾まであげて大変だったわ...」とかなんとか。
■中嶋彰子(アデーレ)が大活躍、外国人に混ざってもとけ込んでいていいですね。藤村美穂子さんなんかもそうですけど、国際的とでも言うんでしょうか、日本人が居ます!というかんじがしない。
■ポール・アルミン・エーデルマン(ファルケ博士)は、オットー・エーデルマンの息子だそうです。ベテラン相手に健闘。
■水口聡(アルフレード)、テノールバカまるだしで、うるさいよ!といいたくなるほどおかしかった。
■高橋 淳(ブリント博士)、毎度お馴染み新国のアイドル、笑わせ役に徹してました。
■中村恵理(イーダ)、アデーレとイーダが日本人歌手だったので、会話が日本語。ちょっと藤山直美(藤山寛美の娘で女優)のようでしたが、やっぱり大阪出身なんですね。会話を日本語にしたのはいいアイデアだと思いました。
■ハンス・クレマー(フロッシュ)、歌手さんのようですが、名優。この役は日本人ではダメでしょうね。
フロッシュが飲んでいるのが、「シュリボビッツ」ではなく焼酎にしてましたが、ここは「シュリボビッツ」でいってほしかった。フロシュが「所長が貯金しろというが、貯金したって利子は10%だろ、焼酎は40%だ.....」と笑わせてました。これって、お約束のギャグかしら。(オーストリアってそんなに利息がいいの?とつっこみ入れたくなりました)
ヴォルフガング・ブレンデル(アイゼンシュタイン) ナンシー・グスタフソン(ロザリンデ) セルゲイ・レイフェルクス(フランク) エレナ・ツィトコーワ(オルロフスキー公爵) 水口 聡(アルフレード) ポール・アルミン・エーデルマン(ファルケ博士) 中嶋 彰子(アデーレ) 高橋 淳(ブリント博士) ハンス・クレマー(フロッシュ) 中村 恵理(イーダ) ヨハネス・ヴィルトナー(指揮) ハインツ・ツェドニク(演出) |
※写真右上:《こうもり》で、このお酒を知って、どんなものか気になって、買ってみました。プラムの蒸留酒で安酒の一種です。食器棚の奥にあった「シュリボビッツ」をひっぱりだして写真にとってみました。45%と表示されてます。もう10年以上前に買ったものですが、ほとんど飲んでませんね。
いい舞台だったんですね!^^! お疲れ様でした。
写真からも楽しそうな様子が伝わってきます。
>ポール・アルミン・エーデルマン
>オットー・エーデルマンの息子
へー。エーデルマンの息子さんって、もう一人ペーター・エーデルマンさんって方がいらっしゃいますよね。前にメリーウィドゥの映像で観たような記憶があります。
息子さん、お二人揃って歌手になっているんですね(^^
by ヴァラリン (2006-06-27 12:52)
ブレンデルとレイフェルクスのオペラとは違った面を見られただけで、嬉しくなっちゃいました。
新国の舞台は奥行きがあってやっぱりいいですよ。前の方の席でも1万円代ですからね。
by keyaki (2006-06-27 14:38)
わぁ、ほんと、楽しそうですね!ビデオクリップも見に行ってしまいました^^♪レイフェルクスがそんな楽しい歌うたうなんて想像したことありませんでした(笑)
by (2006-06-27 16:42)
楽しかったですね。遠慮なく大笑いしちゃいました。
あとでTBします。
by euridice (2006-06-27 18:10)
これ行ってないのですが、行けばよかったです。楽しそう。
by (2006-06-27 23:16)
▼ハインツ・ツェドニク
写真から新国のサイトへ飛んでみてビックリ仰天!!
うひょー、…これってハインツ・ツェドニクの演出じゃあありませんかぁ!…皆さん、なにを知らん顔を決め込んでるんかねえ…。パリに《ラインの黄金》のミーメをやりに来た時一度だけ楽屋で話した時は「ハインツ・ツェートニク」と言ってましたけど、この人シェロー=ブーレーズ版《指輪》であの見事きわまりないローゲとミーメを演った例の名キャラクター・テノールの彼氏じゃありませんかあ!…。あのキャストの中で最もシェロー的…それこそシェローの芝居の方の仕事並みの演技、動きを見せていたのがまさにこの人。シェローがあの配役の中で最も気に入っていたのもこの人だったんですよ。歌手になる前は芝居の役者だったそうで、そういや、彼の発声、言葉をぽんぽん前に飛ばしているような発声は、ブレヒトのベルリナー・アンサンブルの役者たちの語りの発声を思わせるものでしたねえ…。
新国としたことが、この人選は上出来。どうせ、《こうもり》だからウィーンの奴に演出をやらせればよかんべえ、なんつう貧相な発想で呼んだに違いないんだけど(笑)…。
そういや、パリでもそういうことがありました。チョン・ミュンフンが振った《カルメン》。《カルメン》なら当然演出家はスペイン人だわな、なんて凡クラな発想で、何も知らずホセ=ルイス・ゴメスなんかを呼んじゃったら…、スペイン人つったって、ドイツ表現主義演劇を身上としている演出家が来ちゃって、おまけにフラメンコの振り付け師まで呼んでローカル・カラー、つまり観光オペラを狙ってたもんで、おおいにアテが外れまして(爆々笑)、あの制作2度やっただけでオクラ入りになっちゃった、てなことがあったよねえ。そうそう、小澤征爾が日本でプッチーニ《マノン・レスコー》をやった時もそう。《マノン・レスコー》は原作がフランスだから、フランス人がよかんべえ、なんて当時シェローの助手をやってたピエール・ロマンなんて演出家を呼んだんだけど、この人はシェロー座ではクライストとかトーマス・マンとかドイツ物ばっかり演出してた奴なんだよねえ…。ほんと、オペラ関係者って演劇のことは何も知らんからねえ(笑)…。
なーるほどハインツ・ツェドニク、今では演出家として活躍してるんですねえ…。うん、あの人ならかなりの演出ができそうだなあ…。
きのけん
by きのけん (2006-06-28 16:16)
>新国の舞台は奥行きがあってやっぱりいいですよ。
舞台装置がとっても素敵でしたよね。
ただ、私は1回目は前から5列目、2回目は2回の4列目で観ていたんですが、最初のときは奥の方まで良く見えたのが、2階席で観たときには舞台前面の枠に遮られて奥の上の方はほとんど見えませんでした。
多分、第2幕の舞踏会の場面で奥に広がったところは、1階席に座らないと見えないんじゃないでしょうか。
あんなにキレイな装置なのにもったいないな~って思います。マ~タイさんじゃないですが... ^^;
by tsukune☆彡 (2006-06-28 16:34)
きのけんさん、そうですよぉ、知らない人はもぐりのオペラファンとしかいえない、あのツェドニクですよ。
前のマイスタージンガーは、ヴァイクルの演出でした。
今まで、新国によんだ演出家、すごいですよ。ヨーロッパの主要歌劇場と遜色ございませんのよ。
by keyaki (2006-06-28 16:46)
tsukune☆彡さん、そうなんですか。
私も1階6列でしたので、よく見えました。オペラグラスでちょっと覗いたら、ブレンデルと目が合って、なんだよ、そんな近くからオペラグラスでみるんじゃねぇ!と言われたような気がしましたので、その後は使いませんでした。舞台が明るかったので、見えますよね。
>あんなにキレイな装置なのにもったいないな~っ
また、年末にやって欲しいですね。
メトのワルキューレの舞台にがっかりでしたから、やっぱりオペラは新国に限る、、と思いました。
by keyaki (2006-06-28 16:59)
いいなぁぁぁ。。。やっぱりこうもり、行けば良かった。。。。
by みど (2006-06-30 03:44)
TBありがとうございます!
この演目を隅々まで知ったツェドニクならではの演出でしたね。
日本人同士の日本語の台詞の処理も洒落ていました。
TBさせてください。
by (2006-07-01 02:56)
やっぱりオペレッタ系も多いんですね>エーデルマン兄弟。
ウィーン少年合唱団員だったからお手の物かもしれませんね。でも、モーツァルトも似合っていましたよ。
by babyfairy (2009-03-11 06:11)