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執念のドン・アルフォンソ"COSI` FAN TUTTE" [コジ・ファン・トゥッテ]

Aix-en-Provence音楽祭で"COSI` FAN TUTTE"上演中です。
2月13日の記事《「コジ ファン トゥッテ」三度目の正直》でも、書きましたが、ドン・アルフォンソ役は、なかなかチャンスが巡ってこなかったようです。(下記の表でもわかるように、どうやら三度目の正直ではなく四度目の・・だったようです)
RRは、1990年頃から、モーツァルトの『フィガロ』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ』の三作品を一連のものととらえ、まだ演じたことのない『コジ』のドン・アルフォンソにこだわり続けていました。

「若い女性への愛欲を募らせながらも妻を裏切ることに内心恐れを抱く『フィガロ』の中の伯爵は、ドン・ジョヴァンニによって既成のモラルから解放された自由人に脱皮する。さらに老哲学者は前二者の歩んだ煉獄、地獄から戻って、知性を武器に男女の愛をさめた目でながめるのです。この三人は、親子関係にあると思う・・・・」1991年インタビューより

「伯爵はドン・ジョヴァンニの父であり、ドン・アルフォンソは土にかえったドン・ジョヴァンニなのだ。」(詳細)アンドリュー・クラーク1994より

"COSI` FAN TUTTE"ドン・アルフォンソ役経緯

1993年8月ザルツブルグ音楽祭1991年出演予定だと話している
キャンセルの理由?
2000年8月ザルツブルグ音楽祭キャンセル(アバドの2000年問題)
ノイエンフェルスの演出絡み??
詳細は2月13日の記事
Cosi Fan Tutte (2pc)
2001年6月
ベルリン演出(デーリエ)絡み?でキャンセル
2002年再演がDVDリリース
詳細は2月13日の記事
2004年2月-3月フェッラーラ
モデナ
レジョエミリア
アバド指揮
初めて実現する
2005年7月
2005年9月-10月
2006年10月-11月
2006年11月
Aix-en-Provence
パリ、ガルニエ
パリ、ガルニエ
ウィーン
シェロー演出
ハーディング指揮
※1993年8月は、リサイタル(St Petersburg,Drottningholm)を行っていますので、演出絡みのキャンセルなんでしょうか???

ついでの話:
2000年ザルツブルグの『コジ』は、リンクしてありますが、豪華キャストです。キーンリーサイドがグリエルモだったんでよ。ライモンディがキャンセルしなければ、共演が実現していたわけですね。 キーンリーサイドファンのSardanapalus さん、残念!です。キーンリーサイド演出についてなにか語っていますか?


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助六

仏「クラシカ-レペルトワール」誌7-8月号に、RRのインタビューがあり、ベルリンのコジは「ヒッピーが登場する演出に納得出来ず、契約を解除した。ベルリンは自分に対して訴訟を起こさなかったから良かったけど」とか語っていましたよ。
その他小生が記憶している発言は、
-もう飽きた役はあるかという問いに対し、「ドン・ジョヴァンニ。もうやめたよ。自分の年じゃ老カサノヴァになっちゃうしね。」
-03年3月ナポリでラヴェッリ演出で予定されていたが実現しなかった「オランダ人」デビューに関して、「歌ってみたかったが、断念した。もうやる気は無い。」
-新役の計画:「シモン・ボッカネグラの他もう一つ位で終わりにする」
-「60年代後半数年のヴェネチア座付き時代に、ドン・ジョヴァンニ、フィガロ、グノーのメフィストを初めとするバリトンの諸役を覚えた」(きのけんさんがインタビューされた頃は、余程「伯爵中毒」だったのかな?)
keyakiさんはご存知のことばかりでしょうが、一応メモしておきます。記憶による引用ですので、不正確な部分があるかも知れませんが。
by 助六 (2005-07-19 06:52) 

keyaki

助六さん、情報ありがとうございます。
>仏「クラシカ-レペルトワール」誌7-8月号
これは今年のでしょうか?
この情報、私のブログの記事に追記させて頂いてよろしいでしょうか。
>ベルリンのコジ
やっぱりですか! ご本人がそのように言っているのは知りませんでした。ファンの間でも「またぁ、なんでぇ」でした。
昨年このDVDを買って、解説に2001年プレミエだったと書いてあったので、想像力の逞しい私は、こりゃ、演出のせいだ!と思いました。
その後のデーリエ女史の演出が、だんだんエスカレート(私見です)しているのを見て、ライモンディは、多分デーリエ女史と話し合ったが納得できなかっただろうなぁ・・・と思っていました。

>ドン・ジョヴァンニ
は、あきた、という発言は読んだことがありますが、今年の2月末にCagliariでやったので、へぇーーと思ってました。その時のインタビューでは、「これが最後」というのは否定していましたが、私は最後だと思っています。

>-新役の計画:「シモン・ボッカネグラの他もう一つ位で終わりにする」
フィエスコでなくシモンをやりたいということですね。マクベスもやりたいそうですけど、これは夢に終わるでしょう・・と言ってます。(多分音域的に無理)
来年は、新役のドゥルカマラに挑戦します。マドリードとバスティーユの予定です。

本当にいろいろ情報ありがとうございます。
Aixのコジもファンの方によれば、舞台装置はちょっと不満だったが、あとは非常に満足した。ライモンディの足も、びっこをひいているわけでもなく、見た目は全く普通だったそうです。

そうそう、「フィガロの結婚」の件ですが、
ライモンディは、声域的にはフィガロですから、当然フィガロが持ち役でしたが、演出家のレンネルトに「伯爵をやるべきだ」と言われ、10年後に伯爵をやりますが、1994年のインタビューでも「もうフィガロに戻るつもりはない」と言っています。
きのけんさんがインタビューした時(恐らくまだ伯爵をやってない)、ライモンディが伯爵とフィガロを取り違えて発言した・・・ということ・・・です・・・よね。
by keyaki (2005-07-19 08:57) 

NO NAME

>私のブログの記事に追記させて頂いてよろしいでしょうか。
勿論OKです。この調査の行き届いたサイトの充実に役立てれば光栄です。

出典:「Classica-Repertoire」第74号、05年7-8月合併号
インタビュアー:ジェレミー・ルソー(Jeremie Rousseau)、05年3月31日、チューリッヒにて実施。

正確な引用は、
RR:ベルリンの「コジ」は、舞台を60年代米のヒッピー部落に移し、衣装は花模様とかいったものでした。この作品をこうした文脈に移したら、「コジ」の基礎にある緊張関係や道徳的禁忌は全て事実上消え失せてしまいます。少量の大麻で、全ての問題は解決するという訳ですよ。この種のセンセーショナリズムが段々受けつつあります。
-練習の半ばで降板されたのですか?
RR:そうです。契約を解除しました。何で参加したくないか説明しましてね。幸い訴えられなかったですけどね。

>フィエスコでなくシモンをやりたいということですね。
そうです。「多分」という条件付きですが。

Doerrieの発音は、本人に確認した方の報告ですと「デリー」で、アクセントはアタマのデにあるそうです。
by NO NAME (2005-07-20 03:17) 

助六

前のコメント記名忘れました。一応念のため。
by 助六 (2005-07-20 03:19) 

きのけん

助六さん:
>(きのけんさんがインタビューされた頃は、余程「伯爵中毒」だったのかな?)

僕が憶えているのは、なにせ自分がフィガロをやっちゃうと、伯爵が自分より大きな人でないとだめなので、結局できなくなっちゃうんだ、ということでした。その時は妙なことを気にするもんだとは思わなかったですが…。
きのけん
by きのけん (2005-07-20 08:24) 

keyaki

助六さん、ありがとうございます。
私の想像でしかなかったことが、事実であったこと、しかもそれが、リハーサルがはじまってからの契約解除だったなんて・・・ライモンディにとっては、訴えられる可能性があることがわかっていても納得できない演出には出ない!という信念があるんですね。
これについてもちょっとメモ的記事を書きたいと思います。
このところ、助六さんをはじめ、フランス語に堪能なみなさんから情報を頂いて、ちょっと舞い上がってしまいそうです。
by keyaki (2005-07-20 10:15) 

オクタヴィアン

こんばんは!
どこに書いてよいかわからなかったので...^^;
ライモンディが悪役4役のホフマン物語、タワーの店頭に並んでました。(●^o^●)

DVDになっているバレンボイムのコジ、ホントはライモンディが出るはずだったんですねー (@_@;)
by オクタヴィアン (2005-07-20 23:18) 

keyaki

>オクタヴィアンさん いつもありがとうございます。
うっそぉーーマチェラータのですよね、タワーにネットで予約済みですけど14日発売予定が8月に延期って、メールが来たんですよ。日本語字幕入れてくれるからかなぁ・・と思ってました。明日あたり、届くかな、楽しみ!

>バレンボイムのコジ、ホントはライモンディが出るはずだったんですねー (@_@;)
そうなんですよ! 主義主張のある人はね、猿の惑星じゃファンとしても、拒否ですけど、コジは、普通のネクタイ、スーツですからね。まあ、格好の問題じゃないんですけどね。
by keyaki (2005-07-20 23:39) 

Sardanapalus

ちょっと留守にしていましたので反応が遅れてすみません~。

>ライモンディがキャンセルしなければ、共演が実現
そうなんですよ!この舞台、ビデオ収録されていてこのところ毎年フェスティバルで無料上映されているそうなのですが、なぜかDVDにはなりそうにありません。翌年の「こうもり」はさっさとDVDになっているのに…。
このコジは、ノイエンフェルスの面目躍如といいますか、観客と批評家の殆どが気に入らなかった演出だそうです(笑)映像のりんごに瞬く間に虫がわいたり、巨大な蚊が出てきたりしたとか。衣装もセンス良いのか悪いのか不明です(笑)歌手達もかなり色々とやらされたようですが、キーンリーサイドはこの演出「嫌いじゃない」とインタビューで応えてます。(インタビュアーの方が嫌ってました)でも、レチタティーヴォをカットしたりしたそうなので、たとえアバドが振っていてもライモンディはキャンセルしたかもしれませんね…。
by Sardanapalus (2005-07-22 05:39) 

keyaki

Sardanapalus さん
>レチタティーヴォをカット
アバドだったらカットしないと思います。

>キーンリーサイドはこの演出「嫌いじゃない」とインタビューで応えてます
引退してから自伝でも書いたら、わけのわからない演出で、出演者全員唖然とした・・・なんて暴露したりして。

それにしても残念でした。
翌年の「こうもり」って、強烈なやつですよね。どういう基準でDVDになるのかさっぱりわかりませんね。
by keyaki (2005-07-25 02:47) 

Sardanapalus

>>レチタティーヴォをカット
>アバドだったらカットしないと思います。
アバドも体調だけじゃなく、演出家と意見が合わなくて降りたのかもしれませんね(^_^;)アバド指揮でライモンディがアルフォンソだったら…なんて今更言っても無駄なんですけどねぇ~。本当に残念です(>_<)

>わけのわからない演出で、出演者全員唖然とした・・・なんて暴露したりして
そうですね、実はこのインタビューでも「嫌いじゃない」けど、「レチタティーヴォを軽視したり、観客をただ驚かすための奇抜な演出法には個人的には賛成できない」と続きますので「嫌いじゃない=好きでもない」という典型的イギリス英語的な表現だと思います。
by Sardanapalus (2005-07-25 08:23) 

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