触媒討論会第100回を記念して(1) [随想]
触媒討論会第100回を記念して(1)
2007年9月17、18日(北大にて)
初めに私が触媒の研究をどのようにし始めたのか、その一方で我が国で触媒の研究が当時どんな姿になっていたかについてお話します。私は東京大学の化学教室の鮫島先生の研究室で終戦の翌年学部を出ました。その後特別研究生として大学院に進み、鮫島先生のところに行って、これから何を研究するか、研究テーマを頂きに行きましたら、先生は一言「触媒をおやりになったら如何でしょうか」、ただそれだけで終わりでした。
どんな触媒を使って何をするかなど何もありませんでした。その頃は研究室の中でも、更には化学教室全体の中でも触媒など研究している先輩や仲間は周りに誰もおりませんで、終戦直後だけにまだ外国からの戦時中の文献も入ってきませんでしたし、研究と言うものもどうするものかも分からずに、ただ「触媒をやったら」と言われても一体何をしたらよいのか、正に迷子の状態で、誰と相談もまた指導も借りられないままに、放り出されて、それからの何ヶ月間は本当に苦しみました。しかし後で考えてみて、それは大変に苦しい経験でしたが、研究というものは常に迷い苦しみながら自立して自分で考えるものであるということを体験したという意味で、大変に貴重な経験でもあったわけです。
結局自分で選んだテーマは ・・・ 次回に続く
これは連載
まさに暗中模索ですね。
by Silvermac (2007-09-25 06:59)
こんにちは^^
そういう暗中模索の状態から抜け出せるかどうかが
平凡非凡の分かれ道かしら・・・
by (2007-09-26 13:52)