江戸川乱歩『灰色の巨人』サーカスの背徳感 [本]
少年探偵団シリーズ。
江戸川乱歩『灰色の巨人』
”灰色の巨人”と名乗る怪盗が次々と宝石を奪う!サーカスから姿を消した犯人達を名探偵明智小五郎が追い詰める!
まぁいつもどおりの話で可も無く不可も無くって感じでした。ただこの話、サーカスが絡んで来ていわゆる一寸法師が出てきます。まだ児童向けでこういう表現が使われるのは嬉しい限り。
この話はところどころ”人間豹”に似ているところがありそれを元にしているのかもしれません。もちろんあのエログロは出てきませんが。さらに”人間豹”で用いられた追跡術がこの話でも使われ、どうやら少年探偵団シリーズも通常の明智ものと同じ時系列で展開しているらしいことが分かります。かたや超エログロ、かたやほのぼのラブストーリーなので今までパラレルワールドなのかと思ってました。よく明智が不在なのはその為なのかな?
この話では謎の大男を小林君が尾行するのですが、見破られてしまうシーンがあります。そいつは笑いながらこんなことを言いました。「きみはかわいい子だ」
……お前二十面相だろ!!
何この既視感?実際犯人の一味に大男がいるのですが、ここでの大男は絶対二十面相の変装です。相変わらず小林君が好きで好きでたまらない二十面相、告らずにはいられないのです。そうに決まってます。
ラストは小林君に縛られてしまう二十面相。縛られれば縛られるほど、その股間が徐々に怒張していくシーンが私には見えます。書いてなくても見えるんです。
今回も失恋したけど、二十面相はちょっといい思いが出来てよかったと思います。
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