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『駿河城御前試合』その第8試合 [シグルイ]

なんか久しぶりになりました、漫画『シグルイ』原作本『駿河城御前試合』のストーリー解説。11の真剣勝負の第8試合です。ばりネタバレですが、表現はいじりまくり。ご留意願います。

第8試合 疾風陣幕突き

俺読んで『もうね、ニュータイプだから。そこんとこヨロシク』

進藤武左衛門(神道流)VS小村源之助(判官流)

ニュータイプ。ガンダムに出てくる、なんか超能力者っぽい人の総称。すっごくカンが良くって、見なくても敵の位置とかキュピーンって判る。

「ゲンよぅ、今日の宿直、変わってくれよぅ」

佐伯修次郎さんのそんな提案があって、その日の宿直は小村源之助さんの替わりに修次郎さん。もう一人相方に進藤武左衛門さんとなりました。宿直ってのはお殿様の寝室の近く。駿河城のお殿様っちゃー、ヤバイで評判の人なので、夜伽の女の子ちゃんと問題起こすこともしばしば。変態プレイを強要されて、アヘ声が聞こえてきても、家来はどうすることも出来ないので、なかなかやっかいな仕事です。

ところがこの日は宿直の二人とも、様子が変です。妙に緊張しています。と、突然殿の寝室の方から怒鳴り声が。やっべと構える二人。緊張が増します。んでふすま一枚隔てたところまでそのやり取りが聞こえてきた時、別の方向から「曲者!」の声。その時です。進藤さんがふすまごと槍で突いたじゃありませんか!

ふすまの向こうでは槍に貫かれた夜伽の女。その傍らにはお殿様が。女を抱きかかえて涙する修次郎さんでした。

事件の真相はこうでした。実は修次郎さん、この日の殿様の夜伽相手、千加ちゃんといい仲でした。なんかどの話もこういうのばっかですが、それが南条範夫先生です。

千加「アタイ、アンタ以外の男に抱かれるなんてご免だよ!

修次郎「わかったぜ、千加!お前が夜伽の時は、俺が必ず宿直やるからそこまで逃げて来い!そしてそこで一緒に死のう!

千加「あぁ・・・修・・・愛羅武勇

って手はずでした。ところが手違いで、修次郎さんが宿直変われなかったと思い込んでいた千加ちゃん。そこまで逃げていってもしょうがないなーと、躊躇していたところを進藤さんにぶっ殺されてしまいました。

ちなみに進藤さんは「もし殿に槍が当たったドーするの!」って最もな指摘を「曲者かと思った。それに俺、陣幕突きが出来るから」ってだけで余裕で言い逃れました。

陣幕突きってのは、合戦の際、敵陣の幕越しに敵将を貫く秘技で、極めれば幕が透けて見えているかのように、正確に突けるらしい。

そんな「俺、天才だから間違わないぜ」的言い訳で納得する上。おいおい。修次郎さんは愛する千加ちゃん殺されて怒りに燃えてますし、源之助さんは進藤、元々殿を殺そうとしてたんじゃないか?と、至極まともなことを考えてました。

そんなとき、進藤さんの陣幕突きを腕を、殿の前で披露する機会がやってきました。幕の向こうで両手に紅白の鞠を持った者が立ち、言われたほうの鞠を進藤さんが槍で突くというもの。鞠持ち係りは修次郎さんです。

これはチャンス。ここで間違えるようならあん時だって殿殺したかも→進藤は暗殺者ってことで、堂々と進藤さんをぶっ殺せます。

「じゃー白、紅の順で」と言われた進藤さん。いきなり幕の真中を突きました。哀れ修次郎さん、お陀仏です。「ちょ、おい、ちょ・・・待てよ!」といつもの台詞が出ましたが、お殿様からは「OK」の声。進藤さん曰く、「戦場の心得でやった。片方ずつ突くより、真中倒したほうが早いでしょ」と。

到底納得できない言い訳ですが、お殿様がOKなのでOKです。というかお殿様、自分に抱かれることを拒んで逃げた千加ちゃんを、抱きしめて涙していた修次郎さんのことを最初から許すつもりはなかったのでした。

そこで立ち上がったのは男気あふれる源之助さん。「あんな奴のいうこと信じられるか!俺がぶっ殺してやるぅ!」とばかりに進藤さんと御前試合で決着をつけることを申し入れました。

その試合は特別ルールで行われました。まず、会場には幕が引かれ、源之助さんと進藤さんを隔てます。そこで先に進藤さんが突いて、それを源之助さんがしのいだら、その後はご自由に、ってルールです。

このルール、お互いに不利な点があります。進藤さん側からすれば先手は取れるものの、相手は「突いてくる」とわかっているので、出来るだけ気配は消すでしょう。それこそ陣幕突きを極めていなければ、到底当てることは出来ません。対する源之助さんは、必殺疾風剣が使えない。これは相手の周りを凄まじいスピードでぐるぐる回りながら、四方八方から攻撃する技で、まぁ雰囲気的にもロビンマスクVSジャンクマンな感じの試合ですね。とにかくコレ、幕が邪魔で使えない。

いよいよ試合開始。衣擦れの音さえ立てずに移動する源之助さんですが、進藤さんはそれにぴたりと狙いを定めました。そしてその槍先が幕を貫いた瞬間!キュピーン!源之助、飛んだぁ!幕の結わい紐を切断。そのまま疾風剣の要領で、幕で進藤を包み込んだ!げぇー!動きを奪われた進藤さん。哀れ、源之助さんの刃の露と消えました。

試合結果 勝者・小村源之助 敗者・進藤武左衛門(死亡)


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