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すさまじい偏食を直すパート2 [O4 特別支援教育]

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【オススメ記事】あったかい家族日記「野菜嫌いをなおす!」

2006.6.22 すさまじい偏食を治すパート2

 約1年前の記事「2005.7.6(水)すさまじい偏食を治す」の続編である。
 まず、この記事から読まれることをオススメする。
 
 一部だけ抜粋すると……


家では、牛乳を飲んだりパンを食べたり肉を食べたりするのだが、学校では牛乳一口、肉一口すらだめだった。


 よく言われる「オカーサンハヤスメ(オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、ハンバーグ、焼きそば、スパゲティ、目玉焼き)」という軟食文化の食事から「マゴワヤサシイ」(豆、ゴマ、ワカメ、野菜、魚、シイタケ、イモ)という日本の伝統食へ変えるというレベルではなく、まず何か食べさせるというものだった。

 これまで、家でも幼稚園でも、野菜はもちろん、ご飯(お米)は全く食べなかったそうだ。ご飯は、幼稚園の年中の頃から突然食べるのを拒否するようになり、もう2年以上口にしていないとのことである。(幼稚園時、尿検査で良くない結果が出て、お医者さんに食事の内容を聞かれ、野菜はさておいてもご飯だけでも摂らせなさいと言われたそうだ。でも、ご飯を盛るとそれを投げつけて抵抗するなど、いろいろやってみたがだめだったそうである。)
 みそ汁もほとんど飲まない。パンや牛乳の他には、お菓子や果物を食べていた(る)そうだ。幼稚園では、食パンを特別に持たせていたそうだ。……
(中略 ファーザー)

 ……7月4日(月)。お母さんの話では、4月以来初めて「学校に行きたくない。」と言っていたという。
 A「さあ、約束だよ。」と言って、ホワイトボードのチャレンジの欄に「ごはん」と書いた。もちろん、ミロ入り牛乳も果物も他のおかずも、ごはんを一粒(一口でない)食べた後である。
 案の定「できない。できない。」と言って、なかなか食べようとしない。
 でも、なんとか米一粒を4分の1ずつに分けて、約2年ぶりに意識してお米を食べた。みんな拍手した。「がんばったね。」と。
 結局お米を3粒ほど食べることができた。
……(引用)

 そして、最後の方にこう書いていた。

「おそらくお米は3粒が9粒になったように、やがて一口、二口、お椀の4分の1と増えていくだろう。 思えば長い道のりだった。お母さんもよく頑張ったと思う。」と。

 野菜はどんどん食べるようにできたのだが、このお米については、この段階ではまだまだ序の口であった。
 この後約1年間、ほぼ平均して10粒前後がずっと続くのである。
 
 何せ、一粒を3回、2回に分けて、1分以上かけて食べるのだ。10粒で10分である。それに、お米ばかりでなく、野菜も食べるように指導しないといけない。しかも、給食時間は限られているのだ。

 お母さんばかりでなく、私も途中で何回かくじけそうになった。5粒、10粒では、栄養的には、ほとんど影響は0である。いい加減止めようかと……。(当市では地産地消の方針もあって、毎日米飯である。パンは月に1回である。)

 しかし、日本社会(それも米どころのN県)で、お米が食べられないというのは、大変なハンデだ。お母さんも言われていたが、レストランに行っても、食べるものがほとんどないのである。それに保存料がいっぱい入っている食パンを食べ続けるのも心配だ。

 この子の一生がかかっている!

 そう思い直して、くじけそうになるのを自ら励ましていた。そして、お母さんにも「とにかく続けましょう。」と言っていた。

 そうこうしているうちに、この4月には、当然だが進級した。
 お母さんは、3月までは週2回給食時に来校され、一緒に昼食を取られていたが、この4月からは来校していない。私もその子も、ランチルームで全校一緒に食べている。

 さて、進級しても、あいかわらずだった。ただ、意識して10粒から30粒ほどは、食べるように指導していた。

私(Aさんの手に、40粒から50粒ぐらいの米をおく。)「まず、ご飯からね。」
A「こんなにいっぱい食べられない。」
私「これくらい簡単だ! 先生を見てごらん。それよりずっとたくさんだけど、1回でぱくっと食べられるよ。」(こう言ってやってみせる。)
A[こんなに食べられない。」
私「Bさんだって、ほらCさんだって、1回であんなにたくさん食べてるじゃない。」
A……。

 こう言いながら、後半に10粒から20粒ほど減らしてあげ、ここ1カ月ほど結局30粒前後を食べさせるようにしてきた。

 そうした中で、この6月19日(月)の朝。お母さんがAさんと一緒に学校に来られた折のことである。

お母さん「先生、この土日に試しにのり巻きにしてみたら、のり巻き5つほど食べました。のり巻きといっても、10粒ちょっとくらいしか一つに入れていませんが……。」

私「そうですか! お母さん、やりましたね! この日をずっと待っていたんですよね!」

お母さん「はい。」(こう言いつつ、声が詰まっている。)

私「さっそく学校でものり巻き作戦をやりましょう。学校にのりを持たせてください。一気にやってしまいましょう。」

お母さん「学校に(他の子が持ってきていないのに)持ってきていいものでしょうか。」

私「Aさんにとって、それはとっても大事な指導内容なのだからいいです。他のみんなには、私がうまく言っておきます。」

 10粒×5=50粒。これは、Aさんにとって凄い量である。その日の放課後の会議で事情を話し、のり巻きの件は了解済みとなり、さっそく翌日からのり巻き作戦が始まった。

 ちなみに、牛乳もミロ混ぜ作戦で成功し、今はミロなしで飲めている。

 読者の皆さんは、のり巻き作戦が効くなら、カレー作戦とかホットケーキ作戦とか、もっと早めにやれたのでは……。こう思われた人もいるかもしれない。
 Aさんの偏食はそんなに甘いものではない。大好きなホットケーキですら、米一粒でも入っていると探知してはき出してしまう。カレーの中でも同様である。また、のり巻き作戦にしても、以前は全く通用しない手だったのだ。

 さて、さっそく学校でも始めたのり巻き作戦。
 この火・水・木曜日の三日間ずっとやっている。一つに、20粒から30粒ほど入れて、それを10個ののり巻きにして食べさせている。(私が一つ一つのり巻きを作っている。)

 やってみるとわかるが、ほとんどのりを食べているような感じではある。しかし、300粒ほどであるから、Aさんにしては大進歩である。

 7月4日からほぼ1年。ようやく家庭と学校で連携したお米の偏食指導がこうして実を結んだ。(野菜については既に実を結んでいる。)ここからは、一気に進むような気がしている。

 ネバーネバーネバーギブアップ! 最後まであきらめないで、ねばり強くねばり強くねばり強くやり続けること。これはあることを成し遂げるうえでの鉄則だ。

 これは偏食指導でも当てはまるし、他の躾でも同様であろうと思う。

【追記】

6月30日初めて学校でクリームシチューを食べた。持参しているパンに挟んで……。ご飯の方も順調である(家庭でも)。40粒ほどを一つののり巻きに挟み、それを8つ食べている。いずれ、ご飯が普通の量、食べられるようになれば、パンから解放である。それまでに、パンに挟まなくとも、野菜や肉類などを食べられるようにしないといけないと、現時点で思っている。

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