SSブログ

家族の幸せを株式投資に邪魔させない 154号 [M 家計・投資・買い物 他]

◆最新記事もいい! カテゴリーで関心のあるテーマから記事を選んで読んでもいい!

【オススメ記事】あったかい家族日記「最も効率のよい投資は何か?!」

2006.2.17 家族の幸せを株式投資に邪魔させない 154号

 1カ月程前に、『ちょハピ!』(原作 本田健、イラスト AKIFU )という一コマ漫画集を読んだ。一つ気に掛かった一コマ漫画を紹介する。

○タイトル「家族の幸せを新聞に邪魔させない」とあって、食卓で父親が新聞を広げている。それを見ている妻と子ども「パパ!」と言って、怒っている。赤ちゃんは、黙って新聞にライターで火を付けるといういたずらをしている。当の父親は、「うんうん。」と言っているだけ。(あいかわらず新聞を広げている。)

  これは、よくありそうな日常生活場面である。


 深刻度としては、震度2ぐらいであろうか。子供や妻が、咎めているところを見ると、まだまだ健全である。
 
 さて、私は、この「新聞」に当たる部分はないか、しばし考えてみた。間違いなくある!

 それは、株式投資である。

 株式投資のキャリアは、約10年。現在も継続しているが、信用取引も行っている。毎日帰宅後、株価のチェックは欠かさない。その時間、通常10分から30分である。
 家族との交流の時間にも、「相場展開はどうなっている(く)だろう?」とか「○○の株を買うといいのじゃないか。」と、ふと思いめぐらすこともある。つまり、株価チェックの時間以外にも、株式投資に時間とエネルギーをとられているのである。

 先週にも、こんなことがあった。帰宅後、株価をチェックしていると、めずらしくクニコが2階の書斎に来た。かまってほしいのだ。

私「今はダメ、お仕事(実際は株価チェック)中だから。」
クニコ「わかってるよ。」と言いながら、隣の机で何やらお絵かきのようなことをしている。

 10分か15分そうしていただろうか。その後、クニコはあきらめて階下に帰って行った。私の心には、もやもやしたものが残った。

 今週にも、こんなことがあった。帰宅後、株価をチェックしていると、アキコが2階の書斎に来た。

アキコ「お父さん、遊ぼ。」
私「今はダメ、お仕事(実際は株価チェック)中だから。」
アキコ「いいから、遊ぼう。」
私「今はお仕事(実際は株価チェック)中だからダメだってば!」
アキコ「つまんない。」

 その後、アキコはあきらめて階下に帰って行った。私の心には、もやもやしたものが残った。

 思い起こせば、株式投資は一体私に(我が家に)何をもたらしただろうか。

① 経済的損失……損失の方が多い。去年の株価の上昇で、今までの損を一気に返してくれた感じである。ところが、ライブドアショック以来、また半分逆戻りである。

② 経済的損失に伴う、機会を生かせない損失……株価の下落で、行きたかった海外旅行やセミナーに行けなくなったことがあった。

③ 時間とエネルギーの消費(浪費)……株式投資の基本の学習から、どの銘柄を売買したら儲かるかという研究など。これはある意味おもしろい。テレビゲームなどをされている方は、どうやってクリアーするかの攻略本を読んでいると考えるとイメージし易いかもしれない。しかし、いくら学習しても、実際はなかなかうまいタイミングで売買できない。株式市場に参加している誰もが「できるだけ高く売ろう。」「できだけ安く買おう」と思っているのだから。

 ある意味パチンコなどと同じで、儲かった時は嬉しい。しかし、損をしたときは悔しい。株価に上下があるのは当然だ。それで一喜一憂したり、家族に当たったりすることはしたくない。だから自制している。しかし、どうしても少しは、家族や仕事に影響が出てしまうものなのだ。

④ 家族との交流へのマイナスの影響……さきの我が子とのやり取りがそうである。さらりと書いたが、これは深刻だと思っている。数年前、家族で北海道を旅行していた時も、株価のチェックだけはしていた。頭のすみにあるとはいえ、いつも意識していなければならない。株式投資のことで一度、妻とトラブルになったこともある。

⑤ 仕事へのマイナスの影響……帰宅後に家で株式投資について研究している(時折)とはいえ、それがなければ、もっと仕事に集中しているはずだ。さらに、仕事力がアップしているに違いなかった。また、仕事中も「ライブドアの株価への影響は、まだ続いているかな?」と、ふと思うこともある。

 こう考えてくると、悪いことのオンパレードである。実際止めようと何度も思ったことがある。その度に挫折してきた。このことは、禁煙(あるいはパチンコを止めること)に何回も何回もチャレンジして失敗したイメージが近いかもしれない。(私はたばこは吸わないし、パチンコも大学時代に一時期はまったきりで今はしないが)

 止めたいのに、なぜやめられないか。

 時々勝つことがあるから? 今度は勝てると思うから? 確かにそう思って、昨年は今までの借りを一気に返した。今後もその可能性がある。増田俊男さんの本など読むと、今年は上昇相場だと思うから。

 仮に今、全知全能の神様が現れ、このように問われたとする。

「今年は確かに上昇相場です。このまま株式投資を続けたら、今年2、000万円儲かります。ただし、今まで同様に毎日株価をチェックするのはもちろん株式全般についても勉強しなければいけません。当然一時的に大きく下げるときもあるので、その時はイライラするでしょう。これまで同様に、家族との交流や仕事にも一定のマイナス影響が出るでしょう。どうしますか。」

 ここで自問する。もし2,000万円あったら、自分はどうしたいか。(本当は、取らぬ狸の皮算用であるが……。それに株式投資の場合、逆に損失を被る場合もあるのだが、あえて一番上手くいった場合を考えてみる。)

 家族ともっとリッチな旅行をして、もっとリッチな食事をして、妻に新車を買って、実母に液晶テレビを買ってあげたりリッチな旅行のプレゼントをしたり、借金を返して、いろいろなセミナーにも出て……。
 
 我が子そして妻は、本当にそれを望むか?

 そんなことより、いつも帰ってきたら、「株価チェックより、すぐに遊んでほしい。」「今日の株価より、今日の自分のことを気にかけてほしい。」「もっとリッチな旅行やもっとリッチな食事より、安上がりでもあったかい雰囲気での旅行、そこそこでも和気あいあいとした雰囲気での食事がいい。」をこそ望んでいるのではないか!

 私自身こそが実はそうではないか。あの株価をチェックしてクニコとアキコを、「今はダメ、お仕事(実際は株価チェック)中だから。」といって、相手にしなかった後の、あの心のもやもや感が何よりの証拠だ!

 実母への思いやりも、今できることを今すぐにすればいいし、節約次第で、液晶テレビもちょっとだけリッチな旅行ならプレゼントできる。借金にしても今のペースで十分返せるし、現在の生活レベルでも、セミナーにもある程度満足のいくレベルで参加できると思うのだ。

 株式投資の信用取引を止める! ずっとずっと考えてきたことだが、今、決心した。家族とのあたたかい交流、心のやすらぎ、仕事への一層の集中は、1年間2,000万円以上の価値がある! それにそれは私が現時点で想定する最高にうまくいった場合の話なのだ。

 信用取引撤退後、株式市場が一段と上昇し、増田俊男さんが予想しているように日経平均株価が2万、3万……となってしまったら。それでも後悔しない。その代わり、より価値あるものを手に入れるのだから。それに、その時は、さわかみ投信や現物株などへの投資がある程度答えてくれるだろうから。

 家族とのあたたかい交流、心のやすらぎ、仕事への一層の集中は、お金には換えられない価値がある。

 私はあったかい家族をつくりだす人だ。そのアイデンティティのとおりに生きていく。

【関連記事】あったかい家族日記「プロ中のプロに資産を預ける」

←サイドバーミニブログ『今月子供に受けた本』2月号更新しました。

←サイドバーミニブログ『心にしみた言葉』第9号更新しました。

よかったらnice! ブログを書く意欲はあなたのnice!に支えられています。only nice!  commentは、気のすすむままに


※ なお、現物株への投資は、止める必要はない。現物株なら気が向いたときにチェックすればよい。月1回のチェックでもかまわない。売買などせず、優待など楽しみながらずっと放っておけばよい。それなら、何のマイナスの影響もない。そもそも預貯金一本では、逆に心配だ。バランスのとれた投資は基本である。

 信用取引をやめるといっても、現在ポジションをとっているので、いきなり撤退はできない。徐々に建玉を慎重に反対売買しながら、確実に撤退していく。

【追記】2006.9.3

8/7をもってようやく信用取引が完了した。6ヶ月の返済期限が来てしまったのである。大きな損失を被った。去年の上昇相場で儲かった分が、ほぼ打ち消しという形である。なかなか儲けてやめる、勝ち逃げはできないものだ。

 それでもよい。

 「人は苦悩を体験しつつ富を手にすることもできるし、喜びを体験しつつ貧しくなることもできる。喜びと富は、富が正しく入手され、賢く用いられたときにのみ一つになる。」 (アレン)

 株式投資が正しくないなどという気はない。

 ただ、人の役に立つことで富を入手し、イライラしながらでなく喜びとともに富を手にしていこうと思う。


nice!(2)  コメント(3)  トラックバック(6) 
共通テーマ:育児

nice! 2

コメント 3

みずたま

ファーザーさんが信用取引されていたのはちょっとイガイでした。
私の勝手な偏見ですが=ギャンブル的なイメージが強いので。
そしてまた、今回止める決心をなさったとのこと・・・これは本当に
よく決心されたと思います。(なかなかやめられないと聞きます)

 我が家も夫が、資産運用の一つとして株式投資をしています。
最初は全く夫任せだった私も、夫婦間できちんとディスカッションできなければ・・・と思い
自分の独身時代からの貯金から、勉強がてらはじめて5年以上がたちます。
 夫は、時間の融通の利く私にデイトレーダーまがいのことを勧めてみたりもするのですが
今回ファーザーさんが決心された理由と同じ・・・家族に影響が及ぶのがいやですし、
自分の中で、やはり決めているルールがあります。

*分からない会社は買わない。自分がいいとおもった商品の会社、応援したい会社を買う。
*買うときに決めた額に達すると欲を出さず売る。その後はそこの株価を見ない。
*損切りは絶対にしない。(中長期になってもいいように、配当利率や優待を重視)
*株価のチェックは毎日しない。たまに。
*相場師の予想を信用しない。先に何が起こるかは誰にもわからない!
*信用取引はしない。(これは夫も同意見)

運がいいだけかもしれませんが、コレを守って最初の2年で倍額に。
以後も数字上の目減りはしても、実損は経験ありません。
預貯金だけでは・・・というのには同感でその他に外貨などにもチャレンジしています。
が、投信ものはプロであっても信用しないという主義なので私は持っていません。

私が子供の頃、父が何度か大損を出しました。
もう止めると言ってはまた・・・を繰り返し。当時、父を軽蔑したものです。
私はそこからいろいろ学んだので、マイナス要素オンリーではありませんが
家族からの信頼を失う危険性を自ら回避されたファーザーさんにはやっぱりナイスです。
生意気なコメントでスミマセン!



 
by みずたま (2006-02-19 15:07) 

サンラブ

TB有難う御座いました。
此方からもTBさせて頂きました。
ソネブが不安定できちんとTB出来ているか不安でしたけど無事にTB出来てましたね。良かったです。
株式会社は、株を買って貰ってそれを運用することで市場は、なりたっていますがやはり個人投資家は程々にすべきことなのでしょう。
昔と違い今は、小口取引が可能ですので個人投資家も運用し易いのでしょうね。でも夢中になりすぎて失うモノもあるかも・・・そう考えるとやはり家族と過ごす時間を大切にしたいですね。
by サンラブ (2006-02-21 09:59) 

泉河潤一

>ちゅんくるさんへ
 コメントありがとうございます。ちゅんくるさんのコメントには、何回励まされたかわかりません。
 つい1時間ほど前、風呂から上がって着替えたアキコが2階の書斎に来てました。そして、「お父さん、アキコ一人でさびしいから来て。」と言うのです。そこで、さっと階下へ行き、アキコが作り始めた子リス、小鳥、タヌキのお面を作るのを手伝いました。学校の音楽の時間にやっている「山の音楽家」を家庭でも再現したいらしいのです。私は気持ちよく手伝うことができました。
 もし株式の信用取引から撤退を決断していなかったら、ちょうどその時、株式研究中ということで、「1年生だろ、もう少ししたらお母さんも上がってくるから、がまんしなさい。」となっていたかもしれません。あるいは、階下に一緒に行ったにしても、気もそぞろでアキコとのふれあいを心から楽しめなかったかもしれません。撤退を決断して本当によかったと思います。
 本文には書きませんでしたが、信用取引で追い証もかかったことがあるのです。忘れもしない、3年ほど前。住友金属工業の株を信用取引で買ったのです。今でこそ、502円(2/24)の高値が付いていますが、その時は50円を割ったのです。それも配当が1.5円もあった(当時発表済み)のにです。これは絶対買いだを思い、確か48円ぐらいで腹一杯買ったのです。恐ろしいことにさらに下落し、30円台になってしまい、追い証のために泣く泣く反対売買となったのでした。「腹一杯買わない」ということを骨身にしみて学びました。そして、「株に絶対はない!」ということも。あと骨身にしみて学んだことと言えば、分散投資ということでしょう。書き出すと、きりがないので、もう止めておきます。
 去年は、信用取引をてことして多用し、1年とはいっても、ほとんど後半の半年で元金を3倍にしました。それでようやく、少しまだ損していると思いますが、今までの借りをほぼ返しました。とはいっても、金額上今までの損がほぼなくなったというだけで、これまでにかけた時間と労力を考えたら、絶対損です。
 今回、あのイラストで決断したというより、ずっと前から考えていたことなんです。今年は上げ相場だと踏んでいるので、実はあと1年だけやって、来年の3月に止めるつもりでいたんです。それを1年前倒ししたのです。既に家族との交流においても仕事においてもマイナスであるとわかっているのに、続けることは、もう心が苦しかったのですね。
 今後私は、本当に価値あること、本当にやりたいことに、株式投資(信用取引及び現物株式の短期売買)を止めたことで得られる時間とエネルギーを使っていく決意です。
by 泉河潤一 (2006-02-24 23:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 6