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★泣いている我が子の思いを受け止める 第119号 [J1 親子の会話・信頼関係]

2005.11.19 泣いている子どもの思いを受け止める 第119号

 今日は、本当は親戚のようにつき合っている友人の一家が遊びに来て、お泊まりしていく日だった。
 ところが、昨日電話があり、長男Bくん(年少)が風邪をひいていてずっと治らず、行けそうにないと連絡があった。

 帰宅後、すぐにこのことで妻から報告があり、どうしたものか相談を受けた。相手の長女A子ちゃんはとても楽しみにしており、A子ちゃんとお父さんだけ来る方法もあるし、アキコもとても楽しみにしていたし……ということである。

私「う~ん、風邪ならしょうがないだろう。Bくんもお母さんも来た方がいいだろうし、2週間後に延期したら……。」(1週間後は、相手の都合でダメ。)
妻「やっぱりそれがいいかしらね。」

 この日をずっと楽しみに待っていたアキコは、風邪で来れそうにないことを知って泣き出し、そしてふくれたのであった。

 友人宅も事情は同じ。長女A子ちゃんは(アキコと同い年)、とても楽しみに待っていたとかで、お父さんと二人でも行きたいらしい。

 さて、泣き出し、ふくれているアキコにどう対応したものか。

 ちょっと先を読む前に、自分ならどうするか、その対応法を考えて欲しい

 考えましたか? では、先へ。

実母「風邪なんだから、どうしようもないでしょう。世の中こんな時もあるの。(こんな時、がまんできるようでないとだめだよ。)」=説教

妻「風邪治るかと思っていたんだけど、どうしても治らないんだって。A子ちゃんだって、来たいんだよ。」=講義

 アキコは、二人にこう言われたが、ふくれっ面は治らない。

 私も「風邪なんだからしょうがないだろ。ずっと会えないわけじゃないんだよ。日をずらして会えばいいじゃないか。」=提案

 アキコのふくれっ面は治らない。

 私は、ふと「この対応ではまずいな。」と思った。そして、「こんなとき(子どもが問題をもってイライラしているとき)は、親業で学んだ聞き方をしよう。」と思った。

私「ずっと楽しみにしていたのに、突然A子ちゃんがこれなくなって、とっても悲しいんだね。」=能動的に聞く と言った。親の考えや気持ちを言うのではなく、「あなたの気持ちをこう受け止めたよ。」と受け止め返す。

 そしたら、アキコは、私に近寄ってきて、私の足を背もたれにし、床をいすにしてすわった。少し落ち着いた。

 しばらく黙ってそうしていた。そして、いっしょにお風呂にはいった。

 その後もう一度聞いた。

私「2週間後に相手に4人全員で遊びに来て欲しいか。それとも、A子ちゃんとお父さん2人だけでもいいからいっしょに来て欲しいか。どっちがいいの。」

アキコ「2週間後に全員が来てくれる方。」

 アキコは、ようやく落ち着いて冷静に自分で判断することができた。

 この後、相手のお家に電話を入れ、結局2週間後に延期となった。


 親業訓練プログラムを作ったトマス・ゴードン氏は、子どもがイライラしたり困惑したりしているときー親業では子どもが問題を持っているときと表現しているー、多くのおやたちがするおきまりのコミュニケーションとして次の12の対応をあげている。
 ※ ( )内は、私がこの場合に即して表現したもの。

1 命令(しょうがないことなんだから、あきらめなさい。)

2 脅迫(ずっと泣いていると、おやつぬきにするよ!)

3 説教(実母) 4 提案(私) 5講義(妻)

6 非難(どうしょうのないことをいつまでもいっているようじゃ、大人になれないぞ!)

7 同意  8侮辱(どうしょうもないことをいつまでも泣いているなんて、赤ちゃんだな!)

9 解釈(頭をすぐに切り換えて、じゃあどうしようと考える力がないから、いつまでもこだわることになるんじゃないか。)

10 同情(楽しみにしていたのにな。でも、またすぐにあえるよ。)

11 尋問(どうして泣いているの。どうしようと思ってるの。)

12 ごまかす(しょうがないさ。急にかぜが治るとかなんとかなるよ。 今日どうしようか。)

 大方の親というが90~95%は、これらのどれかの対応をとるという。

 しかし、ゴードン氏によれば、通常の場合なら適切なコミュニケーションとなりうる(例えば提案)ものも、子どもが問題をもっているときには、不適切なコミュニケーションとなる。つまり、子どもが「わかってもらいていない」と口をつぐんでしまったり、反抗したりし、新たな問題を生んだりして、親と子の心のかけ橋を徐々に壊していくものとなるという。

 先の12の対応法、多くは親の何とかしてあげたいという意図からきている。しかし、実際は意図に反して親と子のコミュニケーションの間に障害をつくりだし、問題を生むという。

 子どもの気持ちを聞くということ。簡単ではない。親業訓練プログラムでは、これだけで1回から3回の合計9時間もトレーニングする。(全プログラムは8回24時間である。)

 私が親業に出会ったのは、今から8年程前である。訓練プログラムということで、単なる講義でない。自動車学校のように講義有り、実習有りで、大変実践的である。(ちなみに私は親業のインストラクターです。)

 以前にも紹介したが、記事:長女の不満「妹ばっかり注目して!」 http://blog.so-net.ne.jp/kazoku/2005-10-15-1  

受講する価値は十分にあると思う。

家族専科http://www016.upp.so-net.ne.jp/kazoku/

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コメント 3

綺華

職業として、保育士をやっている時間はできるのに
我が子には出来ないんですよね・・・・(;^_^A
記事を読ませていただき、改めて気持ちをくんでやることの難しさを感じました。
仕事だと出来るけど、自分の子じゃ冷静になれないから・・・と
先輩保母さんたちもおっしゃいますが、それじゃあダメなんですよね。
by 綺華 (2005-11-20 11:55) 

mack

「子どもの気持ちを聞くということ。」 振り返って思い起こすと余り出来ていないです。
多く場合、挙げられている12の方法のどれかで対処していますね。やっぱり感情的になっている事が多い。”なるほど”と思いました。
by mack (2005-11-20 16:30) 

泉河潤一

>ayakaさんへ
我が子には「よくなってほしい」という思い入れが強いし、すごい身近で融通というか我が儘というかが聞くところがあるので、冷静になりにくい面はあるかもしれないですね。それこそ冷静に考えれば、我が子にこそ良い方法は試したいですよね。
>mackさんへ
通常は、つまり子どもが問題を持っていない場合は、普通に会話していていいんですよ。
子どもがイライラしたり困惑したりしていた時は、落ち着いて聞いてあげるなど対応したいですよね。私も修行中です。
by 泉河潤一 (2005-11-23 21:21) 

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