首相交代と建築基準法改正後の混乱解消(公明党の素人大臣は勘弁して!) [平成19年建築基準法改正]
6月20日の建築基準法の改正と、その後の「建築確認が降りない」というお役所窓口での大混乱についての記事を、前に書かせていただきました。
(6月20日以来 建築確認がほとんど降りておらず、建築業界は空前の大混乱状態に陥っています。このままでは、秋から冬にかけて建築関連業者の大量倒産もあり得る事態です。)
建築基準法改正と瓦の出荷減。関係有りや?無しや?(戸建て住宅着工減:平成19年7月20日改正建築基準法)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-08-28
「住宅着工統計(平成19年7月分) 国土交通省 総合政策局 情報管理部 建設調査統計課 平成19年8月31日公表」
http://www.mlit.go. jp/toukeijouhou/choj ou/kencha.htm
今回の改正は、姉歯事件(強度偽装事件)の際にマスコミが「建築確認を出したお役所の責任」を言い過ぎたために、お役所側が自己防衛のために採った改正だと私個人は考えています。
(耐震偽装事件の際に、お役所に全ておっ被せてしまうマスコミの対応に違和感を感じ続けていました。:お役所の責任をこれだけ言われれば、自己防衛のために措置を講じるお役所の気持ちもわからないではありませんが....。)
どんなに厳しい法改正が行われたとしても、「審査の最低基準」しか考えなかったり、法の編みの目をくぐり抜け「利益優先の手抜き」を考え出す業者の根絶が出来るとは到底考えられません。
本来であれば、「安い物には安い理由がある!」との単純な現実をお施主様に気がついていただくことが解決法で、問題の発生していない「真面目にやっている業者」や「お施主様」の不利益になる改正は筋が違うと思っています。
(お役所のお墨付きがあるから、「こんな安い家でも大丈夫!」なんて世界は、作って欲しくありませんでした。)
また個人的には、「住宅品質確保促進法」や「住宅性能表示制度」の改定による性能表示項目の構造まで含めた充実と、第三者審査機関による審査の厳格化、更にそれを「付加価値」と受け止められるだけの周知を行い乗り切るべきではなかったか?と思われて成りません。
これというのは結局、目先のことや自分の組織を度外視して「日本全体での建築行政」を背負って立つだけの自負を持った官僚が居なくなってしまったと言うことなのか?と感じています。
そして相変わらず政治は、官僚の書いた法案によって「何が起こるのか?」の創造力に欠け、そのままスルーしてしまう眼力しか持ち合わせていなかったと言うことを露呈してもいます。
建築業界に対する影響という面では、とにかく周知徹底が遅すぎました。
あらかじめ何が変わるかを早い段階でお施主様も含めて知らされていれば、当然それに対応した先需も生まれ、資金的な余力を持って事務手続きが安定するまで落ち着いていられたはずなのに、3ヶ月経った今でもお役所の窓口が対応しきれない改正の方法では、「ドロナワ式」としか思うことが出来ません。
これらも、お役所側の失態以外の何物でもありません。
まともな官僚が居なくなってしまった以上、政治家に勉強していただき頑張ってもらうしかありません。
ひょっとしたら、建築行政に素人である公明党系の大臣が続いたことにより、官僚の意のままに操られてしまったのかもしれません。
(建築業界が壊れると、自民党の支持基盤は更にズタズタになることはを自民党の方達は自覚していらっしゃるはずです。)
少なくとも新首相の組閣では、まだマスコミや国会的には表面化してはいませんが「政治責任」を取って公明党は国土交通大臣から外れて欲しいと思っています....。
そして、出来得るものならば厚生省における桝添大臣のように、問題を表面化させ、一気に解決するだけの政治力を持った方の国土交通大臣への就任を期待しています。
(最低限、明確な見通しと日程を明らかに出来る大臣でなければなりません。)
落ち着くまで、あとどのくらいかかるのでしょう....??
PS.
実名で、こんなの書いて大丈夫かな??
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私も久々に政治っぽい話を記事にしてみました。またお越しください。
by (2007-09-18 17:01)
公明党(というよりも創価学会)が票を持っている以上、大臣のポストを用意せざるをえないんでしょうね。
歯痒く思いますが・・・。
では国交大臣以外でどのポストを、と考えてみましたが、大臣というのはどれも大切なポストですからね・・・。
だいたい改憲が党是の政党と改憲反対の政党がくっついているのがおかしいと思います。
by nina (2007-09-19 00:02)
STEALTHさん、思わず私は実名でやっていることを忘れ、こんな領域まで踏み込んでしまいました。(もちろん確信犯ではありますが...。)
STEALTHさんのスタイルも、見習わせていただきます。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-19 13:28)
ninaさん、この件については「素人が大臣を務めることの弊害」と、官僚が自らの持っている力を自己保身のために使い「天下国家を喪失」してしまったことが、最大の引き金だったと考えています。
大臣は、「その業界と全く関係のないクリーンな人がよい」とのロジックは、崩壊しているように感じます。
その意味で「連立与党」の弊害は、多の分野でも出ているのではないのでしょうか?
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-19 13:36)
こんばんは。小田急線内から失礼します(笑)
そんなに長期にわたり建築確認が降りないと言うのは、おかしいを通り越してふざけていますね。個人住宅であれば、つなぎ融資の利用される方もあるでしょうし、建て替えで解体後に確認申請を行っていたら悲惨です。
建設業者にしても、職人の現場の確保も大変でしょうし、日当で働く職人自体も死活問題ではないかと、私でも想像出来てしまいます。
私の働いていた庶民金融業界に限らず、お役人の不理解・不見識が与える業界や消費者への影響は、このところとみに悪いものばかりになっているように感じます。
日本の政治は、本当に機能不全を起こしていますね。官僚天国のお隣の中国とさして変わらない状態かも知れません。
by (2007-09-19 21:12)
すみません、今回のテーマについてではなくご報告です。
私のブログにたいせいさんのブログのリンクをさせていただきました。
先に許可をいただかなくてごめんなさい。
by (2007-09-19 23:10)
そもそも、家を建てることについて自分の考えを持っていない人は、建築業界で仕事をしてはいけないと思います。
ごまかしてしまう業者がいれば、基準なんていくら変えようが意味がないです。
by こう (2007-09-20 12:52)
「安いものには安い理由がある」
はずなのですが、建築業界は仲々これが表に出てきません。
性能表示制度は一つの解決策かもしれませんが。
by kappa (2007-09-20 22:53)
まーきんさん、どなたかのBLOGの記事に、「今回の建築基準法は性悪説に基づいて書かれている」との指摘がありましたが、私もそんな気がして仕方がありません。
どれだけ法の編み目を細かくしても、確信犯で手抜きやギリギリを行う事業者があった場合に、全てを網に掛けるのは不可能ですし、一時的に解消されたとしても、いたちごっこが続いていくだけです。
もちろんそうした業者に対する対策も必要なのですが、これまで真面目にやっていた何の問題も発生させていない事業者や、お施主様にその負担を強いるのは大きな間違いだと思われて仕方ありません。
政府は、「民間に出来ることは民間に」等と言い、今回の改正でも建築確認の民間開放が謳われてはいますが、それは形だけの民間開放としか思うことが出来ません。
政府は、「公」で行わなければならないことを峻別し「小さな政府」を志向していると思っていましたが、今回のことを見ていると、とてもではありませんが「大きな政府」を作ろうとしているとしか思われません。
池に嵌って亡くなった子供がいれば、全国の池に柵を設け、監視係員を常駐させて(それでも冒険心のある子供はいなくなりませんので、子供は目を盗んで池で遊ぶのに)、結果として税負担を増やすのと何ら変わりがないように思われます。
権益拡大が役人の本能なので、政治家に賢くなっていただかないと本当に困ります。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-21 13:51)
ぺんたごんさん、TBは全然問題有りません。
せっかく書いた記事を沢山の方に読んでいただくことにも成り、私の方としても大歓迎です。
ただ、私の方の切り口では「依佐美送信所記念館」がメインでしたので、フローラルガーデンよさみの雰囲気が間違って伝わってしまったのではないかと心配です。
コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-21 13:54)
こうさん、法の盲点を突いたり編み目をかいくぐるつもりの業者には、どれほど厳しい法改正をしようとも、仰るように、新たなる脱法対策を立てられるだけでほとんど意味がないと思います。
それを網の目に掛けようとした行政当局のとばっちりが、真面目にやっている業者やお施主様にかかってしまった改正だったと思います。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-21 14:04)
kappa さん、性能表示制度が出来たとき、これで信頼性や性能が付加価値になる時代が来たのだと思いました。
(ただその時点の性能表示項目は、特定の観点での物差しによって選ばれた項目だと感じられ、もう少し時間が経って多面的に建物が見られるような表示項目に変わっていくのを期待していましたが....。)
今回の建築基準法の改正はそうした流れとは全く異なり、確信犯で法の編み目をくぐる悪質業者に対して「お役所のお墨付き」を与えてしまう可能性の高い改正だと危惧しています。
建築の世界も、「高いものにはそれに応じた付加価値がある!」「安い物には理由がある!」という当たり前の世界に成って欲しいです!
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-09-21 14:15)
真面目にコツコツやってきた私には相当違和感があります。
お役所側の失態だと思っている一人です。
by アキラ (2007-09-22 10:43)
アキラさん、お役所側も政治家も「建築行政のプロ」と呼べる人が、中央に一人もいなくなってしまった結果のように思われて仕方ありません。
地域を守り、地域に根ざした仕事をする建築屋さんの生きていく道が、ますます狭められているような気がしています....。
PS.
人参焼酎ありがとうございました。
一飲後、お礼状を書こうと思っているのですが、5年ぶりの通風の発作(最近楽していると言うことなのでしょうか?)や、出張などが立て込みまだ暫く飲めそうにありません。
本当にありがとうございました!
by たいせい (2007-09-22 11:23)