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京都/大阪07夏(3):劇団四季「オペラ座の怪人」観劇記@大阪四季劇場 [観劇の記録]

2007年8月10日。大阪四季劇場で劇団四季「オペラ座の怪人」マチネ公演を観劇した。夏休みをとって、昨日まで3日間京都に旅行してきたが、その際に足を伸ばして、大阪に寄った次第。

今回の旅行は日々最高気温を記録する猛暑続き。ただでさえ暑い盆地の京都はまさに「うだる」ような暑さだった。旅行初日、昼過ぎに新幹線で京都に着き、昼食後、宇治に向かうと平等院と参道は店じまい。宇治川花火大会を翌日に控えた宇治川沿いを散策するうち、熱中症で倒れそうになった。だが、なんとか乗り合い船で夕涼み。珍しい鵜飼見学を果たすことができた。。。
参照>>「京都/大阪07夏(1):宇治川で鵜飼観覧」

2日目は、盆地京都を離れ、アウトドアを避け、JRで30分、大阪駅へ向かう。目的は当然、観劇だが、その前に、ねぎ焼き発祥の店、「やまもと」の梅田店で腹ごしらえも忘れない。。。。
参照>>「京都/大阪07夏(2):ねぎ焼き「やまもと」@梅田エスト店」


 

腹ごしらえを済まし、いざ、ファントム観劇。自分の思うベストミュージカルにも関わらず、y約1年半ぶりの観劇となる。



ハービスエントの地下入り口の柱。前回はマンマ・ミーアだったが、すっかりオペラ座の怪人に置き換わっていた。マスク、バラ、シャンデリア。

ロビーも売店も見慣れたマンマ・ミーア!とすっかり様変わりしていた。そもそも、色調が変わっている。飲み物には以前の京都劇場のようにスパークリングワインも用意されていた。800円もしたが(-_-;) 高いながらも注文をしていると、となりのGoods売り場から、聞き覚えのあるマスカレードのオルゴールの音が。。。そういえば、前回みたのは「さるのオルゴール」を買いに行ったついでだったなぁ。。。。
参照>>「さるのオルゴール」

と、思って売り場をみれば、なんと!限定だったはずのあの「さるオルゴール」が売られているではないか。

思えば、それから1年半。限定も初期だけの話だったのかもしれない。ベストミュージカルとか思いながら、近くの海劇場でやっている間はご無沙汰になっていた。いつでも見られる安心感か?他に見るべき演目がたくさんあるからか?どちらもあるが、もうひとつは、キャストにも問題があった。最後に観た時、高井ファントムこそ健在だったものの、北澤ラウル、苫田クリスには多いに不満が残った。永遠のミュージカルも色褪せてみえたものだ。



今回は、どうだろう?



キャスト表


また、北澤ラウルではないか?!一瞬、不吉な予感が走った。が、それはほぼ杞憂だった。化けるというほどではないが、北澤さんは成長をみせていた。歌うだけに見えた人が、表情が豊かになり、演技に表現力が増したようだった。何よりラウルらしくイケメンなわけで、まあ、合格ではないだろうか?

だが、印象としては「まだまだ」。この演目に自分が求めるのは、ファントム:クリス:ラウルの三角形が、各自の存在感により大きな大きな三角形になることだ。近年では、一昨年の海劇場での高井ファントム:高木クリス:石丸ラウルの組み合わせはよかった(*^-^*)
参照>>「登場!石丸ラウル」

(以下、ひとしきり「ラウル論」。。。)

自分は、この演目で、ほぼファントムになっている。ラウルに入ることはまずない。ラウルに求めるのは嫉妬の対象だ。仇だ。だから、思いっきり嫉妬させて欲しい。ラウルは脳天気で、ヘタレだ。それなのに、金持ちで、イケメンで、若いというだけで、あるいは、幼馴染という特別な縁のお陰で、大事な大事なクリスのハートをサラッと掠め取ってしまう。あれだけ手を尽くし、ファザコンのクリスの弱みに付け込み、「音楽の天使」と騙くらかし、専制君主として心を支配したのに。。。何の努力もしない、頭の悪いボンボンにいとも簡単に奪われてしまう。悔しいじゃないか?でも、恋とはそんなもんだ。若くてキラキラしてればいいんだ。ボンボンの苦労知らずは、恐れ知らずの勢いでもある。遺伝子の求めで、理屈ではなくスコンと落ちるもんだ。恋ってそんなもんだ。逆に、そこに必要な要素がファントムには決定的に欠如している。醜く、老いて、陰湿だ。生まれながらのものだから、望んでも得られない。芸術性も知性も発明の才能も、そんなものは何の役にもたたない。ありったけの力を行使し、思う者の為に技能を教え、チャンスを与え、理不尽な圧力で成功までもたらしたのに、そんな努力も報われない。

自分の持てる全てのものが最も大事な「恋」の前では無力であること。

そのことを、端的に思い知らせて欲しいのだ。ラウルには。

たとえば、オペラ座の屋上の"All I ask of you"。石丸ラウルの場合、「助けだ~そう~」と両手を広げると、顔から、全身からキラキラビームを発する。すると、クリスティーヌは目を潤ませ、うっとりした顔でそこに飛び込み二人はくちづける。この時、もうファントムは叶わない。どうしても、割り込めない。なぜもクソもない。自分がどうしたとかは関係ない。自分という存在が二人の空間には関係ない。ないがしろだ。悔しい。無力だ。いてもたってもいられぬ気持ち、抑えようの無い嫉妬。。。エンジェルの影のファントムが映しだされ、場面がプレイバックする。遠くに二人の"All I ask of you"が響いている。耳をふさぎ、もがく。

苦しい。観ている自分が苦しい。そんな気持ちにさせて欲しいのだ。

北澤ラウルには、まだ、そこが足りない。ファントムになっている自分には、ちょろく見えてしまう。まだ、これなら勝てるなっていうのが正直な感想だ。だから、まだまだだ。

その他、キャストについて。

  • 高井ファントム:文句なし。高井さんがファントムだから、今回みようと思った。演技がどうの自分は書いているが、この演目はとにかく歌だ。高井さんは歌で心を表現する。抜群なり
  • 西クリスティーヌ:歌はうまい。たぶん。芝居も場面場面ではそれなりの表情をみせているように思う。だが、理屈でなく好きになれない。ファントムたる自分はクリスに恋をしないといけない。ルックスの問題かもしれないし、それだけでないかもしれない。役作りとしても物足りなく思える。「エンジェル・オブ・ミュージック」で、ファントムの虜になっているように映らない。たぶん、父への思いが伝わらない。よって、「墓場にて」でも残るのは単なる絶唱で、殺人鬼と呼んでたくせに、また「エンジェルかしら?パパかしら?」なんて簡単に騙されるところが、アホに見えてしまう。それもこれも、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いということに過ぎないかもしれない。
  • 石井ピアンジ:芝居をするウバルドをはじめてみた。定番の半場さんにはみられぬひょうきん者のピアンジ。おどろいた。
  • 小川メグ:今の芝居は学芸会のよう。ひととおり、歌いしゃべるので精一杯なのだろう。これから、がんばれ!

全体的に、非力なキャストだったと思われる。しかし、なんといっても「オペラ座の怪人」だ。1年半ぶりにでもなると、耳に残る素晴らしい音楽のひとつひとつに、ただただ感動する。まして、ファントムが高井さんであれば、その歌の力で決められたところで自動的に泣くことになる。


なんだかんだ言ってもファントムはいい!これからは、また、旅の楽しみの定番だ(^-^)


劇団四季公式HP ステージガイド:http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/index2.html

■公演日程 2007年5月3日開幕~ロングラン公演
(11/20(金)公演分まで発売中)
■会場 大阪四季劇場
■料金 S席/11,550円 A席/9,450円 B席/6,300円 C席/3,150円
■予約方法 0120-489-444(劇団四季予約センター)
■問い合わせ 06-4796-6600(関西公演本部)


いろんなblogでの「オペラ座の怪人」大阪公演の評判;

  • 佐都の呟き:オペラ座の怪人 8 - livedoor Blog(ブログ):好きな音楽やステ-ジの感想や、その他日々感じた事『今日の舞台一言で言うと...不発。と、感じました。観ている私の気持ちもあるでしょうが、イマイチ全体的に伝わってこなくて、気持ちの持って行く所がなく盛り上がれませんでした。』


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コメント 4

AYA

ありゃ~~~。
かるきんさんは西クリスダメでしたか。
私は海で見た時はかなり気に入りました。
高井さんとの声の溶け具合が抜群だと聞いていたんですけど
その辺りはいかがでしたか~?
まあ、ルックスは目を瞑るとして(偉そうな意見)
歌声はとっても好きなんです。
グリンダの稽古で少し違ったクリスになっちゃったのかな~?
高井さんのファントムが見たい今日この頃です。
by AYA (2007-08-13 01:00) 

おはようございます。
僕も西クリス結構好きなのですが、韓流クリスだと高木さんはルックスではOKで、歌はやはり西さんのような気がします
高木さんはやはりヴィブラートが強いので、やはり歌い方の癖に好みが分かれます・・・西さんはお歌は上手ですがちょっと低音が弱い気もしますね、でもデビュー当初からは随分と良くなられたと思いますよ。
僕的にベストクリスは沼尾さんなのですが、もうクリスでは当面出てくれそうにないので(涙)エメラルドシティーへ足を運んでいます。西さんもグリンダで大化けしてくれるのを期待しています
確かに今回は高井さんがいらっしゃったお陰で、お楽しみになられた感じが伝わります。オペラ座大阪はチケットが売れていますから、今はあまり主要なキャストさんを出さなくても四季的にはOKなんでしょうかね?
どんなメンバーでもオペラ座ともなると、ハイクオリティーな舞台を楽しみたいというのは欲張りなのでしょうか。
かるきんさん。関西地方も相当暑いと思いますので、どうかお体には気をつけて、ご旅行を楽しまれてくださいませ
by (2007-08-13 09:07) 

かるきん

>AYA さん
ありゃ~、また見解がちがっちゃいましたねぇ(^^; 好き勝手書いてゴメンナサイm(__)m

客観的にみて、歌はよいです。確かに高井さんとの声の相性もいいですね。今の四季のキャスティングでは一番歌的にはよいかもです。演技もネットの評判をみる限り、デビュー当初から大きく成長した結果のようですね。私もラストでは「私の心」をみせてもらった気がしました(笑)

では、なぜ?というと。。。。。やっぱりルックスなのでしょうか(笑)佐渡さんのように自立して強くはないし、畏れや不安を繊細に表現してはいるのでよいのですが、守ってあげたかったり、無性に愛おしく感じたりしないんですよね(^^; もう、好み意外の何者でもないですね。特にオヤジの(笑)
by かるきん (2007-08-13 12:16) 

かるきん

>jurun さん
こんにちは。確かに歌は西さんですね。特に高音の声量は他の四季役者にはないかもしれません。あまり、ルックスにこだわる意見はよくないですね。反省m(__)m

グリンダになったらどうなのでしょうね?歌いこなすかもしれないですね。たぶん、自分は沼尾さんに刷り込まれて違和感を感じると思いますが(^^; コケティッシュなところを演じきれるか?見ものではあります。

オペラ座の怪人には、ちょっと自分としても要求水準が高すぎかもしれません。客観的にハイクオリティーを望んでしまうこともさることながら、自分の思い描くキャラクターを求めてしまうことなど。別に正解ではないはずなのに。好きな作品、よい作品ほど、ハードルは高いものですね。

でも、この作品はいいです。やっぱり感動します。文句いいながら(笑)
by かるきん (2007-08-13 12:29) 

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