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オスカー・ニエマイエル造りし世界遺産 [その他]

 隊長、聞こえますか、隊長!

 なんじゃ、わしゃ眠いのじゃ。

 12時間の時差がありますからぼけるのは当然です。 あっ、隊長は前からでしたか、春になると陽気のせいで・・・

 前からとは何じゃ、それにこちらは秋の終わりじゃ。

 賊に破られたスーツケースはその後どうなのです。

 うむ、3つの鍵のうち1つが壊されておった。
090522スーツケース破損.jpg

 どうやら端が少し開いた状態から力ずくで開けたようで、残りの2つの鍵は壊れてはいなかったのじゃ。そこで金具の曲がりを直してみたら、何とか閉まるようにはなった。

 被害はなかったのですか。

 荷物の中身をチェックしてみたら、ガムテープが無くなっておったが、他に盗られたものはなかった。貴重品は全て身につけて外出していたのが不幸中の幸いじゃ。

 ガムテープですか。しかし最も金目のものがガムテープってプアなスーツケースですね。襲撃を受ける心当たりは無かったのですか。

 思い当たるフシとしては、前夜・前々夜とも枕銭を置かなかったこと位じゃ。

 ベッドメーキングのチップですね。何故置かなかったのですか。

 いや、何かの本でこの様なチップを置くのは日本人だけだと読んだものでな。

 そうなのですか。

 同じ本で、そんなことは無いという意見もあって、どちらが正しいのか分からんのじゃが・・・
 その後はチップを置くようにしており、今のところ再度の被害はない。日本人は金を持っていると思われているので、こういうチップは欠かさない方が良いかも知れん。

 そうですね。ところで合同演習はいつまで掛かるのですか。

 今日はカポエイラ隊と組み手の夜間演習じゃったが、これで終わりじゃ。
090522カポエイラ.jpg

 それより、幾つか興味深い建物もあったので紹介しよう。

 いえ結構です、それではお達者で。

 ・・・ まあ、そう言うでない。一応この場は建築ブログなのじゃ。

 そもそもブラジリアは何もない彼の地で1955年から建設が始まった人工都市で、1960年にはリオ・デ・ジャネイロから首都が移された「過去を持たない首都」なのじゃ。その後1987年にユネスコの世界遺産に登録された。
 都市計画には、国連ビルを設計したオスカー・ニエマイエルと、師であるルシオ・コスタが起用され、都市全体が、鳥が翼を広げた形にデザインされておる。
090521都市計画スケッチ.jpg

 中心部はゆったりとしたスペースに近代的なビルが立ち並んでおり、カオス化しているサン・パウロやリオ・デ・ジャネイロとは別次元の街じゃ。
090522風景.jpg

 街にはユニークな形状の建物がたくさんある。代表的なものがこの大聖堂じゃ。
090524ポスター.jpg

 隊長、これってレストランのポスターです。もしかしてオスカー・ニエマイエルってコックさんだったのですか?

 これが実に美味そうで・・・   いや失敬、こちらの写真が本物じゃ。
090521カテドラル.jpg

 16本の支柱で王冠を模っており、その間は青いステンドグラスで覆われておる。
090521カテドラル内部.jpg

 こちらはドン・ボスコ聖堂。
090521ドン・ボスコ聖堂.jpg

 内部は同じく青いステンドグラスに覆われており、一種独特の神秘的な空間が演出されている。現地部隊の話によると、この地域の聖堂は青いステンドグラスに統一されているそうじゃ。
090521ドン・ボスコ聖堂内部.jpg

 確かに海の底に居るような感じがします。このような特別な建物ではなく、普通の居住地はどんな感じなのですか。

 これが小学校。さすがに50年の年月が経っているので、木が大きく茂っておる。
090521学校.jpg

 現地で働く人たちは、この学校と同じくらいの6階建てのアパートメントに住んでいるそうじゃ。6階建てというのは木が茂る高さで、この高さなら隣の棟からの視線を木で遮ることができるということらしい。一人あたりの面積とか、棟と棟との距離なども定められていて、見るからに整然とした居住地じゃった。

 ブラジルの都市に良くある貧民街はなさそうですね。しかし皆がアパートメントというのはどうなのでしょう。

 うむ、さすがに所得の高い層はアパートメントに入ってはおらず、川を堰き止めた人造湖畔の広々とした家に住んでおる。こちらの一戸建てには赤い瓦が使われておった。
090521湖畔の家.jpg

 どこにでも持っている人達はいるのですね。



 しかし、これだけの都市の設計を任されるとは、建築家冥利に尽きるのう。ワシも野菜部隊の配置を預かる身として、共感できる部分が多々あった。

 規模も立場も違いすぎて、比較することさえ失礼です。それより、補給部隊から無事に帰ってこいとの伝言です。危険地帯の通過、無事を祈ります。



 伝達ご苦労。蟄居でも何でも、早く帰りたいわい。




 細菌部隊が日本でどうなっているか分からないのですが,とにかく専守防衛に努めます。



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kurizo

隊長~、ガムテだけの被害で不幸中の幸いでしたね。
キレイな建造物、我が小隊も拝見したいものです。
今回のご遠征の真の目的が気になるところですが、とりあえず細菌部隊に気をつけて帰国してください。
こちらでは麻生総理がテレビCMで、日本にはタミフルを備蓄してるから慌てなさんな、と放送されています。
by kurizo (2009-05-25 08:17) 

たいせい

 今のところ日本では感染は広がっていますが、死者・重篤な患者のいずれも出ておらず、最近になってマスコミの騒ぎすぎなどという声も聞こえはじめています。
 しかしながら感染しないに越したことはなく、危険地帯の通過はくれぐれもお気をつけください。

 なお国内ではマスクが全く手に入らない状況となっています。
 BLOG友の話によると、海外の友人よりわざわざ送ってもらったなどの話も聞きました。
 せっかく海外にいらっしゃるのですから、国内では手に入らない戦略物資。
 調達して帰るというのも、「県立地球望遠軍」の兵站上必要なことなのかもしれません。
by たいせい (2009-05-25 09:01) 

tsk

帰りはUS経由でしょうか?
企業のほとんどは、海外から帰ってくると5日間ぐらい自宅待機しろ
と言われているようなので、
逆に家に滞在できるので今までできなかったことができたりして....
自宅で仕事しろとは言われると思いますが.....

海外で一番多いのは盗難ですが、最小限ですんでよかったですね。

by tsk (2009-05-25 14:07) 

michie

青のステンドグラス、幻想的で綺麗ですね。
by michie (2009-05-25 21:24) 

kappa

kurizoさん、

そうですか、日本でも感染が広がっているのですね。
麻生首相の発言、タミフルを射てば大丈夫ということでしょうか。
毒性が強く無いのが、救いかもしれませんね。
nice!&コメント、ありがとうございました。
by kappa (2009-05-26 00:56) 

kappa

たいせいさん、

感染が拡大しても、死者や重篤患者が出ていないというのは何よりです。出国前にはある程度の年齢の方には免疫があるということも言われていたのですが・・・
国内に蔓延しだすと、確かにマスクは品薄になりそうですね。トランジットで米国でも買えそうですが、感染故国のマスクというのも微妙なので、やっぱりブラジル産でしょうか。こちらのマスクの質はどうなのか分かりませんが、無いよりはましかもしれません、
nice!&コメントありがとうございました。
by kappa (2009-05-26 01:03) 

kappa

tskさん、

帰りはUS経由です。こんなことならドバイ経由にしておけば良かったです。
ウチは帰国後特に自宅待機指令は出ておらず、送別会の出欠確認が送信されたりしています。さすがに帰国早々大人数での会合はまずいと思い欠席にしたのですが・・・
nice!&コメントありがとうございました。
by kappa (2009-05-26 01:10) 

kappa

michieさん、

私はカトリックではないのですが、荘厳な雰囲気には思わず頭を垂れてしまいます。
ブラジリアは他にも面白い建物がたくさんあるので、興味のある向きには楽しめると思います。
nice!&コメントありがとうございました。
by kappa (2009-05-26 01:13) 

mugitea

被害が無く、よかったですね。
天気もよさそうで、写真を見ているだけで気持ちが晴れます。
気をつけて帰ってきてください~^^/
by mugitea (2009-05-26 15:37) 

いの

トランク被害は痛いですがご無事でなによりです。

ドン・ボスコ聖堂 
すごいです 大胆で華麗です。
目の保養をさせていただきました。

タマホームネタです。
http://t-ohshita.com/2009/05/20090523-1830.html

by いの (2009-05-27 15:47) 

ぺんたごん

仕事で南米の人々に会う機会が多いのですが、
実際にどんな様子の国なのか知りませんでした。
隊長は色々なところに任務がありますね。
体調にはくれぐれも気をつけて・・・(たいちょうだけに:ププッ)

スーツケースの被害、実際目の当たりにすると恐ろしいですね。
私も旅行が好きなので、悪い情報も色々本で読みますが
貴重品が盗られなくて良かったですね。
私も枕銭は日本人だけの習慣と聞き、やめました。
by ぺんたごん (2009-05-27 22:46) 

kappa

mugiteaさん、

現地滞在中は好天に恵まれ、暑いくらいでした。
スーツケースには万能ナイフなども入っていたのですが、何故かガムテだけが無くなっており、賊の意図がよく分かりませんが、とにかく良かったです。
nice!&コメントありがとうございました。
by kappa (2009-05-28 00:24) 

kappa

いのさん、

ブラジリアは圧倒されるような建物が沢山あり、出来れば時間をかけて廻ってみたかったです。
タマホームの仕様変更、各所で話題になっている様ですね。実際の施工がどうなのか、6月以降が楽しみです。
コメントありがとうございました。
by kappa (2009-05-28 00:30) 

kappa

ぺんたごんさん、

南米は英語が通じない国が多いので、実際に行くとなると結構面倒です。ストアに行くと現地語でまくしたてられてるのですが、何が何だか全く分からず、ジェスチャーで何とか意思疎通を図りました。
枕銭ですが、鍵を壊された2日後は、置いておいたのですが取らずにそのままになっており、担当者によっていろいろの様です。今回のこともあって、私は今後枕銭を置こうかなと思っています。基本的に外国では「タダのサービスはない」と思っていた方が良さそうです。
nice!&コメント、ありがとうございました。
by kappa (2009-05-28 00:38) 

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