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11月,12月の電気料金と暖房について [完成後]

 ここ数日間ちょっと悩んでいたことがありました。

 それは暖房にかかる電気代と機器の能力について・・・

 かっぱ亭は完成しましたが、まだ引っ越していないので生活に係る電気の消費はありません。

 11月(10/15~11/11)の電気料金の請求額は、

 268円        何じゃそりゃ



 検針票には、

 おまいらみたいなしみったれには請求書も発行してやらん。さくさく使うようになったらまとめて請求してやるから出直してこい

という様なことが(もう少し丁寧に)書いてありました。



 因みにまだ外構が出来ていないのでポストがなく、検針票は封筒に入れられ、ポーチにぽとりと落ちていました。



 この月の使用量は、昼間35kwh、朝晩36kwh、夜間28kwh、プランは東京電力の電化上手です。



 プランの料金表から電気代を計算してみると、下の表のようになります。

 基本料金と使用料を合わせて4000円くらいの請求になるはずですが、まあ安いに越したことは無いので放っておきました。



 次の月。

 12月(11/12~12/10)の電気料金の請求書が来ました。請求額は、

 10,889円

 内容は次のとおりです。



 昼間と朝晩の使用量は完成見学会の時につけたエアコンと照明のものだと思われます。

 夜間1は100Vの深夜電力。エコキュートは動かしていないので、全て24時間換気関連だと思います。夜間2は200Vの深夜電力。使用量が桁違いに増えているのは、電気蓄熱式床下暖房を稼働したからです。



 基本料金と使用料を合わせると16,283円ですが、割引が5,393円ありますので、支払額は10,889円です。

 割引の内訳は、オール電化と深夜通電機器(エコキュート、電気蓄熱式床下暖房)です。

 最も割引に寄与しているのが電気蓄熱式床下暖房で、深夜1時から6時までの5時間通電機器として1kVAあたり241.5円、かっぱ亭に設置されているものは19kVAなので4588円が、使用の有無にかかわらず毎月割引になります。(因みにエコキュートは通電制御型夜間蓄熱式機器に区分され、割引額は1kVAあたり136.5円となります)

 11月の電気使用料が4000円を超えていたにも関わらず、請求額が268円だったのはこの割引があったからでした。
 でも0円でなかったのは何故?



 生活していないので、この明細だけでは実際の電気代がどこまで上がるかは未知数なのですが、逆に言うと他に使っていないので、換気だけとか、暖房だけの電気代を知ることができます。

1.24時間換気に掛かる電気代
 12月の夜間1の使用量から、全時間帯の使用電力量は一月あたり18×3=54kwhと推定されます。時間帯別電気料金に直すと、昼間15.75kwhで417円、朝晩20.25kwhで432円、夜間18kwhで132円、合計981円となり、おおよそ毎月千円が掛かることが分かります。

2.電気蓄熱式床下暖房に掛かる電気代
 暖房機のスイッチを入れたのはBeハウスの担当者なので、12月の検針期間(11/12~12/10)のいつから使い出されたのか分かりません。そこで12月25日にメータをチェックし、検診日から半月分の電力使用量を確かめました。
 その結果、15日間の電力使用量は1,354kwhで、一日当たり90kwhでした。一日5時間稼働ですから、一時間当たり18kwを消費しています。機器の能力(19kVA)を考えると、ほぼフル稼働している計算になります。
 そうすると一ヶ月ではこの倍の2,708kwhを消費し、電気料金は19,900円となります。Ⅳ地域で暖房費が毎月二万円というのはかなり高いと思いますが、この機器を使う事による電気料金の割引額が年間で約55,000円、暖房期間を4ヶ月間とすると電気料金が80,000円なので、差し引き25,000円、一ヶ月あたり6,200円程度と考えると悪くないレベルでしょうか。

 気になった点は、12月下旬の時点で1ヶ月近く暖房機がフル稼働しているのに、室内が余り暖かく感じられなかったことです。

 そこで室内の温度を測定してみたところ、午後12時30分頃で、外気温8.6℃、床下19.5℃、一階床面14.8℃、二階床面12.1℃、小屋裏床面10.5℃でした。

 暖房機の床下温度は20~25℃に設定してありますので、床下温度が19.5℃というのはまあ妥当な値なのかも知れません。
 しかし一階床面温度が14.8℃というのは、暖房機を稼働している温度としてはかなり低いと思います。また二階、小屋裏の温度が一階よりかなり低くなっており、高気密・高断熱住宅の特徴である、「家の中の温度差が小さい」状態にはほど遠いと言えます。

 熱源が床下にありますので、輻射や伝導による熱の伝搬を考えれば、熱源から遠いほど温度が下がるのは普通の現象です。
 これだけでは家の中の温度は一定にはなりませんが、熱源に近い空気が暖められて上昇することで対流が生じ、熱が上層階に運ばれるので家の中の温度が一定になるのです。

 この輻射と対流のバランスを取ることによって、家の中の温度差を小さくすることができます。

 対流は空気の上下動ですから、吹き抜けがあるとその効果が大きくなります。
 大きな吹き抜けのある家で、エアコンやファンヒーターを主暖房としている場合、対流による熱移動が卓越するので、二階や天井付近が暖かくなり、足元が冷えるという現象が生じることは、殆どの方がご存知だと思います。この場合は蓄熱暖房機、オイルヒーター、床暖房など、輻射熱を利用する機器を主暖房とすることによって、輻射と対流のバランスが取れ、快適な環境となります。

 逆に吹き抜けが無いと対流が生じにくいので、輻射熱を利用する機器を主暖房とすると二階が寒くなってしまいます。この場合はエアコンやファンヒーターを主暖房とするか、二階にも熱源を置くことが望ましいです。

 かっぱ亭では蓄熱型暖房機を主暖房にするため、階段をリビングに配置し、小さい吹き抜けを設けているのですが、上層階の温度が低いということは、熱対流が余り起こっていないことを意味しています。

 電気蓄熱式床下暖房では、暖めたスラブから一階床面への熱輻射の他に、一階床にガラリを設け、床下の暖気を室内に導いています。

 しかし床下温度が20℃程度では対流によって上層階を暖めるにはエネルギー不足なのだと思います。実際に生活していれば、それによって発生する熱がかなりありますから、この不均衡はある程度改善されるとは思いますが、一階床面の温度は低すぎます。

 試しに一週間ほど温度を測定してみたのですが、この傾向は変わりませんでした。



 つらつら考えるに、外気温が0~10℃程度なのに、床下温度20℃という設定は低すぎます。暖房システムの操作パネルの推奨温度は冬季で30~35℃とされているので、とりあえず温度設定を30℃に上げ、一日おいて温度を測ってみました。

 翌日の温度分布は午後12時30分頃で、外気温6.9℃、床下23.7℃、一階床面15.3℃、二階床面11.2℃、小屋裏床面9.6℃でした。

 床下温度は前日と比べ4.2℃上昇しており、一階床面の温度も0.5℃高くなっています。しかし二階と小屋裏の温度は逆に低くなっています。これはこの日の外気温が低かったことによると考えられます。逆に言えば外気温が低いにも関わらず、リビングの温度が若干でも上昇したことは、温度設定を上げた効果が出たと考えることができます。

 しかし新たな疑問が。

 そもそも床下温度20℃程度の設定で、なぜ機器がフル稼働しているのでしょうか。

 フル稼働でこの程度であれば、余りに効率が悪すぎます。普通の蓄熱暖房機を使われている方のブログを拝見すると、適正な容量の機器を導入していれば、快適な環境が得られているようです。かっぱ亭とどこが違うのでしょうか。



 電気蓄熱式床下暖房は基礎スラブを蓄熱体にします。

 図のように普通の蓄熱暖房機は室内に蓄熱体がありますが、蓄熱式床下暖房は蓄熱体と室内の間に床が挟まっており、断熱ラインもスラブの部分で途切れていますので、効率は少し下がるとは思います。



 しかし月に2万円の電気代をかけても、床面が15℃程度にしかならないのであれば、はっきり言って使い物になりません。

 ここ一週間位は、このことで悶々としていました。



 いっそのこと、使うのを止めたらどうなるのでしょうか。

 使用の有無に関わりなく、電気料金は毎月4,500円ずつ割引になります。

 機器の設置費は材工込みで90万円。

 単純に計算すれば16年ちょっとで元が取れる勘定です。

 問題は電力会社がそれを許してくれるかどうかですが・・・






 そんなことを考えていたら、あることに気がつきました。



 かっぱ亭は基礎の通気性を確保するため、床下換気口を3箇所設けています。

 ここの状態はどうなっているのか・・・



 昨日見に行ってみると、



 フタが開いたままでした。  _| ̄|○ il||li




 Beハウスの監督さんから、3つの換気口を開ける毎に暖房の利きは悪くなり、3つとも開けると殆ど効かなくなると言われていたのを思い出しました。

 これでは蓄熱したそばから暖められた空気が外に逃げてしまいます。

 Beハウスさんが暖房機を稼働させた時に、換気口も閉じたものとばかり思っていました。

 Beハウスさんの名誉のために書くと、換気口を開けておくのは、基礎コンクリートから出てくる水蒸気を逃がすためです。これを行わないと床下の湿度が上がってしまい、木材の腐朽に繋がってしまうのです(引っ越しまでの電気料はBeハウスさんのご厚意により、負担して頂けるとのことです)。建築後1年位は換気口を開けておく必要があると思いますが、床下の状況を確認し、特に湿っぽい感じもしなかったので、

暖房効果を見るためにしばらくの間換気口を閉じてみることにしました。

 一日経過した今日の昼頃の床下温度は24.9℃と昨日より上昇していますが、設定した温度(30℃)には届いていません。
 床下温度が30℃近くにまで上がるには時間が掛かると思いますので、その間温度を測定しつつ、様子を見てみます。

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イピオッカ

ランニングコスト次第で我が家も付けようと思っているので、
ひじょーーーに有難い情報です(^^)/

どこかのHPでスラブの含有水分により
1年目は温度が上がりにくいと書いてあったのですが、
その辺は実際のところどうなんでしょうねぇ~
by イピオッカ (2007-12-28 12:52) 

れっしー

私もBeハウスで建築し,5月に入居しました.エナーテックは10月後半にブレーカーを上げ,11月半ばまで設定温度25度でアイドリング?し,それ以降は徐々に上げ,11月20日過ぎの最低気温が氷点下になった時点で設定温度45度にしました.12月前半までは日中の日射取得効果もあり,朝のリビングの最低気温が19から20度,日中は24度くらいまでありましたが,現在は朝は18度,日中は20から21度程度です.
 
 電気代は,10~11月は1万円,11~12月は3万円直前まで行きました.
 やはりはじめの年はスラブの含水率が高く,暖房効率は悪いようです.電気代も気になり,maxまで設定を上げるのをためらっていますが,適宜エアコン暖房を追加しています.

 ちなみに,当方つくば市で,述べ床48坪,C値:0.7,Q値:1.8,蓄熱床段容量:22.5KVAです.換気はロスナイです.

 床下換気口は,春から初夏までと秋は解放,真夏と11月以降は閉鎖状態です.
by れっしー (2007-12-28 16:08) 

トーゴ

とうとう来ましたね!「蓄熱レポート」!!
私もヨメもかっぱさんの、このレポートを待ち焦がれていました(もう自宅が出来上がるってのに)。

年間の電気消費も考慮して、考察してくれるところなんかはさすが。月々の支払ばかり気にするヨメへの対抗意見として大いに役立つはずです(笑)。ありがとうございます!
by トーゴ (2007-12-28 18:42) 

クコノミ

こんばんわ。
電気料金の割引金額がすごいですね!そんなに割り引かれるとは思ってませんでしたぁ~
ってことは稼働しない時期の電気料金はめちゃ安になるんでしょうね^^

導入方向で話が進んでいるので、オチがなかったら悲しくなるところでした。今後の温度測定レポート楽しみにしてます!
by クコノミ (2007-12-28 23:46) 

kappa

イビオッカさん、

断熱換気口を閉めた状態でどれくらいの性能が出て、電気代がどうなるかを、今後ご報告したいと思います。
スラブの含水率と暖房効果の関係は分かりませんが、最初の年は冷え切った構造体を暖めるのに時間が掛かっているように思えます。
by kappa (2007-12-30 01:41) 

kappa

れっしーさん、初めまして

シャノンのサッシを使っているお家でしょうか。
時期的に、完成見学会にお邪魔させて頂いたかも知れません。
(そうだとしたら、ありがとうございました。)
設定温度はかなり高くしないと、実用的な室温にならないのですね。
ウチも床下温度が30℃に達したら、設定をもっと上げてみます。

電気代が三万円弱ということは、暖房だけで二万円程度でしょうか。
やはり冬の間はフル稼働に近い状態のようですね。
一階と二階の温度差などはどうでしょうか?

ともあれ、情報をどうもありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします。
by kappa (2007-12-30 02:36) 

kappa

トーゴさん、

Beハウスではランニングコストが実質ゼロ円と謳っていますが、必要熱量と機器の能力を考えると、ゼロ円という訳にはいかないようです。
どの程度の能力があるのか、またレポートしますね。
by kappa (2007-12-30 02:56) 

kappa

クコノミさん、

電気蓄熱式床下暖房を入れるということは、全館暖房をするということなので、コタツや床暖などの局所暖房に比べると電気代はかかるようです。
でもその分家の中の温度差がなく快適で、ヒートショックも防げるのですから良いのではないでしょうか。
by kappa (2007-12-30 03:00) 

しゃくとりむし

これだけ原油が高くなってくると、
冷暖房費を無視した家作りというのが難しくなりますね。
じっくり読ませていただいて、参考にさせていただきました。
by しゃくとりむし (2008-01-04 20:16) 

kappa

しゃくとりむしさん、新年おめでとうございます。

うちは数年前まで石油ファンヒーターだったのですが、給油の面倒くささに負けてガスファンヒーターに変えました。ガス代はびっくりする程高いです。電気の契約も従量電灯なので、使えば使う程単価が上がり、エアコン暖房もままなりません。
蓄熱暖房の初期費用はとても高く、回収は期待していませんが、新居では電気料金を気にして暖房を控えることはしたくなかったので、投入と相成りました。

本年も、よろしくお願いします。
by kappa (2008-01-04 21:39) 

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