SSブログ

5月12日 新宿警察署管内カラオケ業防犯協力会が活動スタート~しかし街にはホストが大量出没~ [まちづくり]

歌舞伎町にはカラオケ店と看板に出して営業をしている店舗は約28件ある、内キャッチ(いわゆる外販スタッフ)は、従来約270人だった。また、この多くが歩合制のアルバイトであるため、執拗なキャッチ行為が目に付き、しかも路上でタバコを吸うは缶ジュースは飲むは、タムロして路上に立ちふさがるはとマナーも悪く、来街者からのクレームや苦情、110番も多かったという。

客引き行為については、風適法や迷惑防止条例によって禁止されているが、現行法上の運用では基本的に風俗・風俗関連営業の店舗に適用され、それに属さないカラオケ・居酒屋についてはほぼ野放しだった。しかし、カラオケ店については先に書いたように、また居酒屋についてはさらに代金を路上で取ってはプチボッタクリを繰り返す店舗も見受けられ、且つ両者とも歌舞伎町の外、たとえば新宿駅前や西口にまで出てのキャッチ行為も目に付く。そこで、これらの業種のキャッチ行為に規制強化をすることが検討されているのだが、そうは言っても新たに規制を受ける前に業界自身が自主規制やマナー向上を訴えて自浄作用を持とうと、とりあえず歌舞伎町内のカラオケ店が主体的に協力、話し合いの上、今回の「新宿警察署管内カラオケ業防犯協力会」の立ち上げとなった。

昨年から延々話し合いをもち、店舗同士で調整しながら生みの苦しみを味わいつつ、なんとか5月12日の夜から具体的な活動が始まった。カラオケ業防犯協力会としては、「安心・安全のまちづくり」を謳った黄色いタスキを肩に掛け、所属店舗が明確にわかる身分証を常に携帯した上で外販を行う。外販においては、路上での喫煙等の禁止、道案内などを行ったり、暴力団・そのほかの違法な行為を発見した場合は即座に110番を行うなど地域の防犯に協力する。また各店舗の外販スタッフは話し合いの結果、約半分の149名を最大限とした。

5月12日の18時に新宿警察署7F講堂に集合、会のセレモニーを行い、その後各店舗スタッフは会のタスキを肩にかけ、随時夜の歌舞伎町に出て行った。この会の発足にあたって、オブザーバーとして背中を押す役割だった新宿警察署の柗木(まつき)署長からは「条例や法律によって足かせをされる前に、業界自らが自主的に規制を行おうということはよいことだと思う。長い目で見ても、カラオケ業界そのものにいい影響を及ぼすことになる。」と話があった。

 

早速、この日の夜から新宿警察署管内カラオケ業防犯協力会の黄色いタスキを掛けて外販を行うカラオケ店従業員達の姿。ただこの日の状況だけ見てどうこうというにはまだ早いだろう。会議に出席しているのも各店の店長クラス、しかし外販を行うのは主にアルバイト。どうしたって意識には違いがある。従業員の末端まで意識の改革をしていけるかどうか、警察にしても決して容認したわけではなく、あくまでカラオケ業界自身が自主規制をし社会貢献をしようと言うのであれば保留して自浄作用の効果を検証しようというものだ。結果によって、あるいは規制強化ということだってまだまだありうるのを認識すべきである。


週末の歌舞伎町は、多くの人達で賑わっている。しかし、その他多くのキャッチもあふれている。新歓コンパ等の賑わいの裏で、新人ホストたちも増えてなのかキャッチ連中のしのぎ(あえてしのぎと言いたい)の削りあいが混在している。ナンパ・スカウト・アンケート・ビラまき、それぞれ勝手な解釈を加えて検挙されたときの言い訳を考えながら、しかし実体は、少なくとも「迷惑防止条例違反」は犯している。

迷惑防止条例でいうところの「つきまとい行為」、これは半年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている。解釈の範囲としては、路上で客引きを行う目的で立ち止まっていることそのものが「つきまとい行為」とみなせる。しかし警察も人員的に、または他の犯罪行為との優先順位の関係上片っ端から摘発・検挙、というわけにはなかなか行かない。

そういった実際につけこんでか、歌舞伎町のホストクラブのキャッチが19時頃から大量に街にでてくる。

20時ごろのセントラルロードはホストがこれだけいる。夜のカラスたちが獲物を模索している。

 

コマ前も大量のホスト。無視する女性来街者に執拗に声を掛けつづける。新人ホストなんだろう、身なりもシワだらけのスーツ、声かけがぬるい連中もいるにはいる。多くが売上の50%(入金ベース)が彼らの収入になるだけに懸命ではある。が、売り掛けが未収になれば、いわば罰金も大きい。手取り5万もいかず、寝るところもなく、店を終えて山手線を何週もして寝てるような連中もいる。言ってみれば、ホームレスとかわらない。店側に言わせれば、客を持っているホストはキャッチに出なくても済むが、売上を持たないホストはこうして外に出ないと食っていけない。風俗は必要悪でしょうとよく言われるが、ホストの業界は完全に需給バランスを失っているのだ。社会から認知もされず、疎まれている不要な存在に墜ちた「王子様」たちなのだ。それに気づかず、まだもがいているのがこういったキャッチをしているホスト連中。そのもがきが来街者に迷惑行為を及ぼしている。また、「華やかな夜の世界」と勘違いして供給過剰な状態を作り、それを後押ししているのが、軽薄なホスト番組を作って未だに視聴率が取れると思っているこれもまた勘違いしている民放各局の存在。さらに、そんな番組にCMを入れてるクライアントの企業も、結果としてイメージダウンは必須だろう。

 

さて、柗木署長も言っていたが、この日の昼間警視総監との会議で「どんな規制を行うのが有効なのか検討して欲しい」という話があったというが、そのことについて、まずこのホストクラブについて書いておく。

まず、ホストクラブの営業実体は、二つの違法行為が存在する。一つはこうしたキャッチ行為(風俗営業法違反と迷惑防止条例違反)、もう一つは深夜の時間外営業(風俗営業法違反)。また、ホストらが客の女性への売り掛け、彼ら自身昼間おきて集金にまわれるわけもなく、したがってここを暴力団が介在し、不当に高利な利息を乗せて請求、徴収する連中も居る。単純に店のミカジメ料(とくに歌舞伎町二丁目は暴力団組織の島が強い)+売り掛けの集金をインフラにしている二つの暴力団インフラが存在している。場合によっては二つ以上の組と関係している場合もあるということだ。方や関東の地場組織にミカジメを払い、売り掛け集金に関西系の組織を使っている、なんてのもよくある実体だ。

根っこからこれらを排除するのであれば、キャッチ行為と時間外営業を徹底的に摘発・検挙したうえで、現行法上風適法違反に限られているビルオーナー責任を強化し、風俗営業法と迷惑防止条例違反の両方を範囲としての違法行為にビルオーナー責任を強化、またそれを仲介した不動産業に「幇助」、そしてそれぞれに対し「不法収益に対する追徴没収」を行うべきだろう。また、これらの店舗の多くが転貸借物件(またがし)であるためビルオーナーや中間業者が言い逃れをするのだが、これをすべて含めて「幇助」を適用する。また、客引き行為も一切を店舗側の幇助とし、検挙・摘発を行う。もっと言えば、違法行為と知りながらそれを黙認または幇助し、オーナー(歌舞伎町の場合、不動産業者が実質オーナーというケースもある)と雇われ社長、従業員が共謀し組織的に犯罪行為を行っている、挙句にミカジメを払いキリトリで暴力団にインフラを提供する、つまり経営実態そのものが犯罪組織であるといってよい。

ホストクラブについて、摘発・規制強化すべきポイントの一つにすぎないが、この上の写真をみる限り地域の体感的な風紀・治安において緊急課題なのはわかるだろう。個人的は、ドアの向こうまでどうのこうのといいたくはないが、カラオケや居酒屋のキャッチ行為についても、今後目に余るようであれば迷惑防止条例を法律化したり、つきまとい行為の運用強化と違反行為がビルオーナー責任・仲介した不動産業者・また貸しの中間名義人すべてに幇助を適用できるようにすることが違法な店舗をなくし、なくなった跡に再び違法な営業行為を行う店舗が入ることを抑止することにつながるのではないか。

さらに、最近思うのは、このホスト連中を民放各局が深夜のみならず平気でゴールデンタイムに画面に映し出していることにモラルの欠如を感じる。違法行為を知ってて民放各局はあつかっているのか?CMを入れているスポンサーはそれを十分承知で宣伝費を使っているのか?知ってて扱っているのなら、それはすなわち犯罪行為そのものを容認してるということにならないか?それも幇助じゃないのか?局とCMスポンサーは結果として暴力団のインフラを提供しているということだ。一部民放の局員、口頭では反省の弁を聞くことがあるが、一向に減らないのはどういうわけか。違法性風俗店の広告扱いを規制しているわけだから、同じく違法な営業行為を行うホストクラブ等の広告やメディアの扱いについて、媒体への規制、案内所・駐車場などに見受けられるパネルなどの宣伝行為の禁止、扱う側への規制・処罰強化なども含めてメディア上についても検討すべきかと。

 

↑花道通りに氾濫するホストクラブの看板。違法な営業行為(時間外営業・客引き行為等)を続けながら堂々と掲げている宣伝行為を放置していることに問題を感じる。さらに従来看板の占める面積は建物壁面の30%なはずなのだが。。

 


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 5

歌舞伎町の通行人

ホストの件について!
嬢を狙って車の前に飛び出し「すみません」でもない。私は姉ちゃん連れなのに、その姉ちゃんに声をかける「何か用事?俺の連れなんだけど?」と凄むと「知り合いと勘違いしました」とか・・・云々でして・・・・いらないねぇ・・・昔はホストもある意味、粋なホストが居たのだが・・・・何を勘違いしているのか・・・メディアの取り扱い方にも問題が有るね・・特に某TV局!・・裏金が動いてるんじゃないの?
by 歌舞伎町の通行人 (2006-05-13 07:55) 

Tera

先だって沓掛国家公安委員長、伊藤警視総監と続いての視察まもなくにも関わらずまったくあきれる状況です。
民放各局のホストの扱いについて、当然出演費の支払いはあるでしょうが、それ以上に日に何百万も使っている客がのきなみいるかのごとく仕込むヤラセにしても、番組予算でやっているわけで、各局コンプライアンス重視を謳いながらいったい何をやっているのか?
なにも民放にNHKと同じことをやれとは言わないが、それでもモラルは必要だし、「テレビ的に簡単に撮りやすい絵を作りたがる」気質を何とかして欲しい。
これを読んでる局員・制作会社、あるいはホストのマネージメントを手がけてるプロダクション連中も耳の痛い話だろう。「自分達はまだまだ素人、歌舞伎町報道に関して、またバラエティにしても表面しかあつかっていない」とわかっているくせにこの体たらく、そんな番組を作って放送していること自体、民放各局はコンプライアンス的にも違法行為の片棒を担いでいることを認識すべき。
by Tera (2006-05-13 14:38) 

美神 先生(みかみ さきお)

4月29日の記事に対する私のコメントは、今回の記事に対して勇み足でしたね・・・。
一つの物が悪いと全てが悪いと思わせるマスコミ、メディア関連はおかしいです。
マスコミ、メディア関連達が、いかにも正義。
情報過多で勘違いしている方々が圧倒的に多いです。
何を伝えたいの?
視聴率、アクセス数稼ぎ?
それもすらも必要悪?

>「王子様」
形容する価値も無しです。

今回の記事は自分でも取り上げたい内容でしたが、てらたにさんの記事を見て止めました。
てらたにさん、頑張ってくださいね。
(陰ながら応援しています。今後も、ご迷惑でしたら私のコメントは削除して頂いても構いません。気持ちだけは汲んでくださいね。)
by 美神 先生(みかみ さきお) (2006-05-14 03:21) 

某

テレビのホスト番組は、リアルでなくバーチャルで愉しみたい、浮気するにもできないような主婦層(特に地方)の視聴が多いようです。よって客はそれほど街に流れているわけでもなく。実際ホスト番組の流れた晩にホスト街を歩いても、あまり人いません。

脱法行為の糾弾も結構ですが、法が実効していないことのほうが問題なのです。なんのための客引き条例なのでしょうか。
ところでセントラルロードで客引きをしているホストは一番街の角地まで行けないことになっているので、ここになんらかのシマが介在しているのは明白ですね。
by 某 (2006-05-16 12:10) 

Tera

美神さん、某さん、コメント有難うございます。みなさんの一言一言がどういう意見であれけっして無意味ではなく大事だと思っています。機能しない法律、機能しない組織ならないほうがいいんですよ、おっしゃるとおり。また、時代錯誤な法体系というのもたくさんあります。でも、これが一番難しい、だからこそまず今ある法の元で勝負し、その上で「本当に街がよくなるためにはどうすればいいか?」、不可能と思われることが可能になるかもしれないじゃないですか。
自分はそう信じています。
by Tera (2006-05-18 13:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0