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チチのおもひで [ラヴ(ヒト)]

チチ。
遅々ではない。乳でもない。今回は、父の話。
どっかで見たような始まり方^^;)

今はなき、以前のブログ「シゴトはつらいよ」には何度か父の話を書いた。
paranaさんの影響が大きかったデス)
どうも、春が近づくこの季節になるとちょっとだけ父親のことを思い出すのだ。
父は、今から6年前の春が近づく明け方に亡くなった。
亡くなってからの方が思い出すことが多い。
ははは、何とも親不孝な娘だ。

両親は中学の時に離婚していて、その原因は父親にある。
父にそっくりの娘。父は私のことが大好きだったらしい。
でも、小さくても女の子はお母さんの味方。
小学校の頃から母の話を聞くたびに、泣き顔を見るたびに
「お父さんキライ!」という思いが強くなっていた。
詳しくは書かない(いや、書けない!)けれど
父のした数々のことは、そりゃー褒められたもんじゃない。
離婚されて当たり前なんである。
しかも、離婚して別々に住むようになってからも
いきなり家の電話が止まったり、
強面のおじさんが「お父さん今どこにいるの?」とたずねて来たり(笑)
そのやんちゃっぷりはとどまることがなかった。

父に、会いたいと言われてもかたくなに拒否した。
母にさえ「会ってあげなよ」と言われるくらい拒否しまくり。
離婚してから亡くなるまでの17年で、会ったのは数回だけ。
そのたびの父の所業は、私の中では伝説である。
坊主頭にサングラス、全身白のスーツにエナメル靴で現れた父。
成人式に絶対送っていく!と行って軽トラで来た父。
結婚すると告げた途端、手土産の焼酎を飲み干して泣きだした父。
ちなみに一升瓶を持っていったのだけど…
あ、しまった!このことだけでブログの記事が3本書けた(笑)

まあ、とにかくとんでもなく子供でやんちゃな父。
いつも唐突で、現れるたびにビックリさせられまくってた。

そして、亡くなる時も唐突だった父。
連絡をもらった時、私がいたのはバンコク。
会社の研修旅行の真っ最中。
研修がすべて終わって、翌日はやっと自由行動!という夜だった。
慌てて手配した帰国便はビジネスクラス。
ひとりで乗る国際線。夜の便。
飛行機の暗い窓に自分の顔が映っていた。

唐突で、ビックリさせるのはやっぱり父だなぁ…。
前の日の昼間、飲み友達と花見で一杯、楽しく酔っ払っていたらしい。
ほんとにほんとに唐突。
悲しいというより、あまりに父らしくてちょっと笑ってしまう。

久しぶりの父は、何も言わず穏やかな顔をしていた。
帰りの飛行機で見た自分の顔を思い出す。
やっぱり私は父に似てるんだなぁ…と思ったら少しだけ泣けた。
お父さん、会いに来なくてごめんね、って
その時初めて素直に思った。…ごめん。

今頃思っても遅いんだぞーって、父が笑った気がした。


もうすぐ父が亡くなった日がやってくる。
ますます父に似てきた私、タバコと酒を持って、父に会いにいく。


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コメント 13

kimiko

亡くなると、否だった部分が消えて
不思議と好い思い出しか浮かんでこないような気がします。
ふとした瞬間に‥もっと優しくしてあげときゃよかったなんて・・・
by kimiko (2006-02-20 20:35) 

袋田の住職

すごいお父さんだったんですね・・・・
ご冥福をお祈り申し上げます。
合掌!
by 袋田の住職 (2006-02-20 20:57) 

☆JOHN さん、こんにちは♪

しっかり者のJOHN さんにも、そんな体験があったなんて・・・。
それでも親は親、って感じなのかなー。
by (2006-02-20 21:02) 

のの

昨日、教会で小学校2年生の女の子と話していたら…
「○○ちゃんのパパ、イケメンで背が高くてカッコいいじゃない。」
「う~ん…でも顔のココにシミがあるからダメ!!」
娘は8歳にして父親には手厳しいものなんだな、と笑ってしまいました。
お父さんは娘にはデレデレのことが多いのに…切ない片思い?

ところでJOHNさんの呑みっぷりもお父さま譲りですか?(笑)
by のの (2006-02-20 21:21) 

ここにも親不孝者がいま~す。
うちの父親はまだ健在ですが・・・。なかなか親孝行できないです。
少年時代にあまりに父親との時間か少なかったので、いまだ、どう接していいのやら・・・。
by (2006-02-20 23:19) 

parana

人間っていつ大人になるんだろう?って考える事があるのだけれど、
結局、親が死んだ時かなぁって思います。
なんとなく、そう思うんですよ。
「許す」って究極の奥義じゃないですか。
人間の持ってる業の中で一番乗り越えるのが難しい領域というか。
あぁ、「許す」って言葉、どこか横柄に聞こえちゃうかな。
ん~~、「包み込む」とかそんな感じ?
自由人であったお父様を包み込んでいるJOHNさんは素晴らしいな~って思います。
理屈じゃないんですよねぇ、こういうのって。
うんうん。
by parana (2006-02-21 00:11) 

moonrabbit

とても個性的な人が回りに多いようで・・・・(^^;
死人に対しても恨みを抱く隣国の気質とは違って、日本には故人を赦すという風習が根付いていますね。娘と仲良くできる父親は、世の男性の理想像ですね。(^^
by moonrabbit (2006-02-21 01:35) 

夫婦は別れれば他人ですが、親子は別れても親子なんですよね。
父親は娘のことがかわいくてたまらないはずです。
不器用なお父様。
一升瓶を片手に天国でうれし涙を流していることでしょう。
by (2006-02-21 02:30) 

nal

何も言えずにナイスです(ナイスが適切かわかりませんが)
JOHNさんの文体が明るくて、
底抜けに明るくてちょっとしんみりしました。
by nal (2006-02-21 10:27) 

一昨年に亡くなった私の父は、絵に描いたようなマジメ人間でした。学生の頃はそのマジメ一辺倒の父(の生き方)が大嫌いでしたが、その後社会に出てからは少しずつ考えが変わってきて、今ではある意味尊敬できる存在です。もっと早くに親孝行できればよかったと、一片の苦い後悔が残ってます。
by (2006-02-21 11:15) 

onigurumi

私の父も、笑ってしまえるほど突然に
他界しました。とっても、嫌いで。情けなくなるほど
私が、似ていて。
でも、今は好い時の事しか思い出しません。
おかしなものです。
by onigurumi (2006-02-22 19:40) 

うらなみっこ

私の場合、実の父は今どこでどうしているのかもわかりません^^;
両親の離婚で、小学6年生以来会っていません。
風の噂ではその後再婚してコドモもいるというコトです。
たぶんもう会う事はないと思いますが、
お互いに別々の家族に囲まれているわけで
お互いに残りの人生が幸せならいいかなと思ってます。
by うらなみっこ (2006-02-23 16:50) 

JOHN

コメント遅くなりました!記事を書く時間しか取れず…
なかなか皆さんのところにもお伺いできません。
すみませぬ~~~


♪kimikoさん
そうですね…イヤだったことは山ほどあるんですが、
敢えて見ないようになるんでしょうか。
少しは優しい目で父親を見られるようになった自分がいます。
亡くなってからも実は色々あったのですよ…^^;

♪袋田の住職さん
ありがとうございます。
鏡に映った自分を見るたびに、父方の血が濃いことを実感します。
喜んでいいんだか…

♪さむ乃介さん
全然しっかりモノじゃないんですよ(笑)
親に対しては、父、母ともにちょっと距離を置いて見ている自分がいますね。
ふたりとも好き(父はビミョー^^;)なんですけど。

♪ののさん
ははは!顔にしみがあるとダメなんだ~!
イケメン父さんも大変ですね(笑)

飲みっぷりは…両親譲りです…
ふたりともちっとも顔に出ないんですよ。
もちろん私も^^;

♪eddieさん
男の人と父親ってまた少し違った感覚があるのかもしれませんね。
お孫さんを見せられたことが親孝行なのでは?

♪paranaさん
人はいつ大人になるんだろう?
うん、自分はまだまだ子供な気がします。
父のことを、今では好きだと言えるけれど、
実は許しても包み込んでもいないですよ(笑)。
うまく言えないんですけど…
「自由人」まさにその言葉がぴったりの父でした。
周りは大変ですよ(笑)

うーん、parana父さまのようにステキなお父さまだったら…

♪moonrabbitさん
周りが個性的な分、非常にフツウな私です(*^^)v(?)。
父を赦しているのでしょうか…わかんないです^^;

♪halさん
私が父に愛されていたのは間違いないと思います。
ほんとに父親似なのです。
父の人生って、ある意味とても幸せだったのでは?と最近思います。
はぁ~=3
周りは大変なんですよ、ほんと。

♪nalさん
ありがとうございます。
亡くなった時にほとんど泣かなかった冷たい娘なんです。
何か実感が湧かなくて(^^;
ほとんど会ってなかったので、今でもどこかに生きてそうな気がします。

♪Tadさん
孝行をしたい時には…。
でも、Tadさんが元気で好きな道に頑張ってることが
一番の親孝行じゃなかったのかな、なんて思いました。
生意気にすみません^^;

♪鬼胡桃さん
良い時のことを思い出し、ふとキライな一面を思い出し…
という繰り返しですね。
キライな一面も笑えるようになっているのは、不思議です。

♪うらなみさん
お互いに、幸せならそれでいいんです。
きっと。
by JOHN (2006-02-28 11:31) 

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