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NW-S706F/T Review SSCP4.2篇 [Sony・Walkman]

既報の通り、Walkmanユーザーには母艦となる統合音楽ソフト「SonicStage CP」が、最新バージョン“Ver.4.2”となりました。

NW-S706F/TにはVer.4.1が同梱されているのですが、Ver.4.2にすることでコンピレーションアルバムのジャケット転送が可能になるなど、必須と言ってバージョンアップが含まれているので、ユーザーの方はすぐにダウンロードしたほうがいいと思います。

今日はその最新バージョンVer.4.2をレビューしていきます。

今回のVer.4.2の最大の改良点は、音源圧縮によって失われた音を補正し、高音質化する「DSEE(Digital Sound Enhancement Engine)」の搭載でしょう。Ver.4.2を立ち上げると、ボリュームスライダーの下に、DSEEをON/OFFするチェックボックスが出るようになります。

このDSEE、効果がどれほどなのか試聴してみたのですが、なにせ僕の母艦となっているVAIO GRのアンプ自体が恐ろしくプアな上、そもそも低ビットレートでは圧縮を行っていないため(ATRAC3plus 256KbpsかAALしか使っていない)、外付けのONKYO製USBオーディオを使っても、その効果は分かりませんでした。

音質の改善能力に関しては、48Kbps~64Kbpsとかを使った時にどうなるか検証すべきですね。これは今後ヒマなときに確かめたいと思います。

次に同梱されているVer.4.1からの改良点で、いわゆる「着うた」に使われているコーデックである、HE-AACでのリッピングが可能となりました。

ビットレートは40Kbps~96Kbpsまで対応しているようです。しかし、NW-S706F/T本体がHE-AACに対応していないので、HE-AACでリッピングしても、転送するときはATRACに変換転送されます。

ただしまもなく発売するSO903iが、HE-AACをそのままで受け取ることが可能な上に、ATRACでリッピングした曲をminiSDや内蔵メモリに転送するときは、HE-AAC/AACに変換して転送されるという仕様になっているので、SO903iでSonicStageを運用する人は使う場面が多くなるかもしれません。

そして僕が新しいSonicStageで一番変わったと思ったのが、NW-S706F/Tへの転送機能。

NW-E507に曲を転送する場合、例えばFranz Ferdinandの「You Could Have It So Much Better」を先に転送した後、SonyのCMコンピアルバム「CM Style」を転送すると、その転送順通りにアルバムが並びます。

ところが同じ事をNW-S706F/Tで行うと、

転送した後はWalkmanの中で新たにソートしなおされるので、「アルバム」順での表示にしていると、転送順関係無しにアルファベット順に並び替えられてしまいます。

さらにこのWalkman内でのソート方法は「アルバム」「アーティスト」「プレイリスト」の三つがあるのですが、

ここで「アーティスト」を選択すると、アルバム関係無しにアーティスト順で並んでしまうので、コンピアルバムはアルバムが分解されバラバラに表示されるようになります。

さらに困ったことに「アルバム」「アーティスト」と「プレイリスト」を混在して表示することが出来ないため、プレイリストを見るには必ず「プレイリスト」表示に切り替えないといけません。しかも「プレイリスト」表示にしてしまうと逆に「アルバム」で転送した曲が見れないという摩訶不思議な仕様…

↑アルバム「CM STYLE」をプレイリストにして転送したもの。先に転送してあったFranz Feridinandやアルバムとして転送した「CM STYLE」はこの表示では見えません。

またNW-E507では、SonicStage上から曲の並び順をいじることができ、且つ転送し終わるとアルバムではなく、ただの「フォルダ」という扱いになるので、転送時にはアルバム順通りに並んでいた曲も、

アルバム内で曲順をいじったり、

↑一曲目にあったWhateverをドラッグすることで二曲目のTwo Months offと入れ替わってます。

別のアルバム(フォルダ)に移動させたりすることが出来ていました。

↑WhateverがFranz Ferdinandのアルバム(フォルダ)の最後に移動しています。

しかしNW-S706F/Tでは転送し終わった曲やアルバムは、SonicStage上から演奏順を変更することが全く出来ません。自分の好みの曲順で聴くにはあらかじめプレイリストを作成しておいて、プレイリストをNW-S706F/Tに転送するというやりかたしかないのです。

これはSonicStageを最新のVer.4.2にしたとしても、NW-E507接続時は今まで通りの動作をしているので、SonicStageの仕様が変わったと言うよりも、NW-SシリーズとSonicStageを組み合わせたときの関係が変わったと言った方が正確かもしれません(実はS2 Sports Walkman NW-S205FもNW-S706F/Tと同じ動作をする。)。

すなわち今までのSonicStageとWalkmanは、

“あくまでもSonicStageが主であり、従であるWalkmanはSonicStageでの設定通りに再生する装置”

という関係で出来ていたので、Walkmanの中の曲はSonicStageで転送した順番通りに並ぶか、SonicStageから曲順を自由にいじることが出来ていました。

しかしNW-Sシリーズでは、

“主役はWalkmanであり、SonicStageはそのWalkmanへ曲を転送するためのソフトに過ぎない”

という関係に変わったので、SonicStageからWalkmanの中ををいじれる範囲が大幅に狭まってしまったというわけです。

これは「インテリジェントシャッフル」「スポーツシャッフル」や「ジャケットサーチ」といったように、NW-Aシリーズ以降、Walkmanの音楽再生方法が高機能化したことや、ポータブルプレーヤー側で色々な再生を楽しむという、iPodの設計思想が影響を与えたからでは無いかと思われます。

まぁ慣れてしまえばこのNW-S型の転送も悪くないのですが、今までずっと転送しながら自分でWalkman上にプレイリストを作っていく、という方法をとってきた僕にはちょっと面食らう変更点でした。どうせならどっちのやり方も選べれば良かったのに…

Sonyの開発者の人には是非そのあたり改良をしてほしいところです。

あ、あと些細なことですが、NW-S706F/Tだと転送の過程がよくわからんので、ちょっと転送されているのか不安になってしまいます。ここも何とかしてほしいですね。

↑NW-S706F/Tでの転送中表示

↑NW-E507での転送中表示

以上SonicStage CP Ver.4.2を見てきましたが、昔のOpenMG JukeboxVer.1.0から知っている僕には隔世の感があります。とにかく6年半かかってここまで使いやすいソフトに進化してきたのですから、Sonyの人もこれからもどんどん改良にいそしんでもらえればと思います。


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コメント 12

JJ

個人的にはアルバムとプレイリストの表示が分かれててプレイリスト表示中にアルバムが見える方が摩訶不思議かも?

SonicStageでウォークマンの曲等をいじれない仕様はAシリーズからですね。

曲の転送の過程がわかりづらいと言うことですがSonicStageのウォークマン側の表示の上の方に今何を転送してるかちゃんと表示されてますよ。
by JJ (2006-11-13 13:09) 

Virgo

確かにOpenMG JukeBox+au C404Sの組み合わせで使ってた頃を思えば、隔世の感はありますよね。

後はWALKMAN側の方が圧倒的に容量が少ないので、そういう容量の少ないバケツに対するオートでの転送がiPodshuffleとiTunesとの関係のようになれば、もう言うことはないんですが、何故出来ないのか不思議です。
by Virgo (2006-11-13 23:16) 

かつぽん

HE-AAC変換転送ができるようになったということは、
ウォークマンケータイW42S本体の1Gメモリにも
SonicStageCPから転送が可能になった、ということなのかな?

明日試してみよーっと♪
by かつぽん (2006-11-13 23:25) 

akoustam

>JJさん
コメントありがとうございます。

う~ん、そこらへんは考え方の問題なんでしょうけど、僕の中では「プレイリスト」も「アルバム」も同じ「曲のフォルダ」という概念なんで、わざわざ「別物です。」と分けることの意味がよくわからないんですよね。

曲の転送過程は、「今何を転送してるのか」ではなくて「どの曲を転送指定したか」が知りたいんですよ。Eシリーズでは転送済みの曲も、転送待ちの曲もリストで表示されますから、「あれは入れたから、次は何を入れようかな」って考えながらやることができていいんですよね。
by akoustam (2006-11-14 01:54) 

akoustam

>Virgoさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

オートフィルはあったら確かに便利でしょうね。ただiTunesとちがって、SonicStageはサポートしているポータブルプレーヤの種類が、16MBクラスのメモリースティックから30GBのHDDに至るまで多岐にわたるんで、どうすればユーザーが便利なのか、判断が難しいのかもしれません。

実際今日SO903iにつないでみて、対応フォーマットが増えすぎて転送周りがいかに複雑になってきてるか思い知らされましたし。
by akoustam (2006-11-14 01:59) 

akoustam

>かつぽんさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

問題はW42Sの内蔵メモリがどういうかたちでPCにマウントされるかでしょうね。ただのマスストレージとしてマウントされれば、出来る可能性はありますね。
by akoustam (2006-11-14 02:00) 

かつぽん

ダメだ、内蔵メモリ見えない・・・(ToT)
しかもMS Duoへは、仮にHE-AACでエンコードした曲でも
問答無用でAtracに変換されて転送しちゃうようなので、いったん
MS Duoに転送してから更に本体内蔵1Gメモリへ再転送する、
というワザも使えなかった・・・(T0T)

ったく、ソニエリの担当者出てこ~い(`へ´)
by かつぽん (2006-11-14 16:10) 

akoustam

>かつぽんさん
W42Sをつないじゃうと、SSCPがMS DuoをATRAC機器としか認識しないようになっていますが、普通にVAIOのメモステスロットにさすと、ただのストレージとして「MUSIC転送モード」も選べるはずです。一度VAIOのスロットでHE-AACをMS Duoに入れてから本体に移せませんか?

あ、でもそれで大丈夫ならSSCP使わなくても、HE-AACファイルをMS Duoに直接コピーしてしまえばいいのか。
by akoustam (2006-11-16 08:20) 

かつぽん

言葉が足りませんでしたm(__)m

その両方ともやってみたんですが、結果は×でしたね。
MS Duoから本体に移動するときに、音楽専用メモリじゃなくて
本体内メモリに移動しちゃうんですよね。
んで本体内メモリから音楽専用メモリには移動できないという・・・

ね?ソニエリの担当者出てこ~い(`へ´)でしょ?
Lismoの縛りにはもうウンザリですわ・・・
こんな事なら音楽機能はLismoに一本化しちゃって、
ウォークマン・ケータイは縛りのないDoCoMoで出すことにし、
auからはサイバーショット・ケータイを出してもらえないだろうかと。
by かつぽん (2006-11-16 11:32) 

kyo

MDを10年使った自分としては現状のAシリーズ以降の動きがしっくりきます。
プレイリスト=MDでのお気に入り曲を詰め込んだ一枚ですし。

以前の、ウォークマンに転送後にSSCPから曲順いじれるってのも何か変です。
MDをコンポから取り出した後にMDの中をいじるようなものでありえない。
MDをコンポにいれて録音編集する状態=SSCP上での楽曲管理で、PCのHDDが唯一無二のメディアって考えます。
あとはSSCP上で編集したものの中から好きなものをチョイスして転送するだけかなと。
1000枚あるMDからその日の気分で10枚選んで持っていくようなそんな感覚です。

なのでネットジューク(NAS-M90HD等)なんかは、非PCユーザーを狙った今までの感覚で使えるいい製品だと思いますね。
まぁなんていうかPCが、オーディオやDVD、TV等を取り込んでしまったので棲み分けがうまくいってないなぁなんて思ってます。

長文すいませんでした。いつも楽しく読ませて頂いてます。
by kyo (2006-11-16 15:01) 

akoustam

>かつぽんさん
あ~なるほど、本体の1GBメモリにはLISMO以外から一切アクセスが出来ないんですね、つかえね~。何としてでもLISMOを使わせたいんですね。

これだから僕はauが嫌いなんですよ、DoCoMoでもやらないような縛りをメーカーとユーザーに押し付けてくるから…
by akoustam (2006-11-17 09:45) 

akoustam

>kyoさん
コメントありがとうございます。

なるほどMDユーザーの人からは別に自然なことなんですね。僕はDATユーザーで、編集抜きでテープにアルバムを録音していくということしかしない人間だったので、SSCPにもプレイリストが一つも無いんですよ。アルバムを通して聞くのが好きなので、ギャップレス再生必須というのもありますし。
by akoustam (2006-11-17 09:48) 

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