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大きいことはいいこと・・・なのか? [Sony・TV]

買ってから10年、我が家のテレビが先週ついに壊れてしまいました。いや正確に言うと壊れたのはテレビではなくモニター、その名は「PROFEEL PRO(KX-29HV3)」

29インチスーパートリニトロン管に、Bi-CMOS映像プロセッサー、3次元Y/C分離回路など、発売になった1993年当時の民生用としては、最高レベルの技術が投入されたSony入魂の一品です。

これがテレビではなくモニターと呼ばれるのは、チューナーもスピーカーも内蔵しておらず、ただひたすら美しい画像を「表示する」ことだけに集中した機械だから、あくまでもテレビではないのです。

そのためテレビを見るためには、モニター・チューナー・アンプの3つの電源を入れなければならず、そのくせ同サイズの普通のテレビより値段が高いという、一般の人々には理解しがたい存在でもありました。

当時大学生だった僕が、必死になって貯めた3ヶ月分のバイト代を全部つぎ込み、我が家にやってきてから10年。毎日毎日ひたすら美しい映像を提供してくれた、このプロフィールプロをどうするか、修理して延命させるか?テレビを新調するか?こんな時にとんでもない問題がぶち上がったものです。

なぜ悩まなくてはいけないのか、それはとりもなおさず、こいつに匹敵する映像を映し出してくれるテレビが存在しないことにつきます。

解像度が低く、暗部階調の表現が苦手なプラズマ。

残像感が解消できず、コントラストが低く黒が締まらない直視液晶。

どれもブラウン管に比べればまだまだな画質で、今ここで大枚はたいて投資する価値を見いだすことが出来ないのです。

そんな僕にとって唯一の希望であるSonyのSXRDリアプロも、いまだ日本投入は未定。これからしばらくはVAIOのGigaPocketで我慢する日々が続きそう・・・としょんぼりしていた時、1年前に見かけた一つのコラムを思い出しました。

普段、小画面。時々、プロジェクター(ITmedia)

本田さん執筆のこの記事、今読み返してみても共感できる部分がたくさんあります。確かに僕が高画質・大画面を必要としているのは、映画かTBS「世界遺産」のようなドキュメンタリーの鑑賞のとき。

地上波で普段放送している番組の中に、40インチとか50インチの画面で見なくてはいけないものがどれほどあるというのか、僕も「時代は薄型・大画面テレビなんだ」という先入観に捕らわれてしまって、柔軟な発想を失っていたのかもしれません。実際、BRAVIAも「Xの46インチかEの50インチがおすすめ」なんて吹聴してましたし。

本田さんのおっしゃるとおり、みんながみんな中・小画面+プロジェクターでいいとは思いませんが、メーカーやマスコミに踊らされず、自分に最適なテレビ像をじっくり考えるべきなのかもしれません。

そうやって冷静になってみると、テレビの選択も楽になってきます。まず大画面映画鑑賞のためのフロントプロジェクターなら、もう狙いは一つ、100万円強で買えるこいつしかありません。

Sonyビデオプロジェクター 『VPL-VW100』

これの場合どっちかというと、使いこなしのための部屋の確保のほうが問題かも(^^;)。資金のほうは目標さえ定まれば、10年前と同じく必死になって働けばいいだけですから。


さて、となれば今検討すべきは普段使いの、小さいけどリーズナブルで、それなりに高画質な20~26インチクラスの中画面テレビ。さっそく各社のサイトを見て、電器店で今まで行かなかった中・小画面サイズの液晶テレビコーナーからカタログを貰ってみたのですが・・・

全然まともなのが無いじゃないかぁ~

なんだかカタログ見てもHDMI端子搭載機はほとんど無いし、映像回路も明らかに大画面用のよりグレードダウンされていて、手抜きなつくりなのがバレバレ、SonyのBRAVIAに至っては32インチ未満は存在しないという有様です。

メーカーとして、利益率の高い、より大型で値段の高いテレビを買って貰いたい、という論理は分からないでもないのですが、小さいけど高性能なものを選択肢として用意するのは、テレビメーカーの責務ではないでしょうか?

大排気量車にしかいいクルマが無い、なんて自動車メーカーは許されないと思うんですけど(ポルシェとかフェラーリとかTVRみたいな、特別な存在を目指すなら別ですが)どうなんでしょ。

これでまたも悩みの日々の始まりかと思ったところに、先日救世主のようなテレビの発表が!

ナナオ製 FORIS.TV SC26XD1 (EIZO Direct)

またナナオかよ!と言われそうですが(笑)、これいいですね。HDMI端子も付いてるし、D4×2も搭載。画質調整範囲もさすがPCモニターのナナオらしく、かなり細かい部分まで調整可能で、映像回路も26インチでは他社より明らかに力の入った出来のようです。これは購入後に画質を追い込んでいけば、かなり自分好みなレベルまで到達できそう。

とりあえず見に行かなくちゃということで、有楽町にあるショールーム「EIZO Galleria TOKYO」に行ってきました。

さすがショールームだけあって、電器店みたいなキンキンに明るい環境ではなく、試聴には良好な明るさが保たれていて、じっくり画質をチェックできました。

とりあえず26インチ液晶テレビ「SC26XD1」を見た感想としては、

・HD映像ならこのクラスでは一段上の画質(他社だと32インチ以上じゃないと、ここまでいいのは投入してくれない)
・I/P変換が甘いのか、スケーリングが下手なのか、SD映像はちょっと期待はずれ。
・デザインはいい!これも高い大画面機じゃないと手抜きな造りにしてしまう他社の姿勢とは大違い。

といった感じです。これで19万9500円でデジタル3波対応というのですから、今買っても損はなさそうです。というより他社の出来が出来なんで、どのみち他に選択肢は無いと言っていいのかも。

あと、写真におさめたアナログSD画質の白い19インチもかなりいいですね。画質もこのクラスとしてはかなりいいですし(というか他社の19インチは画質も何もありませんからね)、この値段でこんなかっこいいテレビが手に入るなら、アナログ機だから寿命が短いといっても、十分に買い!でしょう。

今日はまだ検討開始の第一歩ということで、買うかどうかは決めていませんが、候補のトップにたったのは間違いないです。

寂しいのは、本来購入候補の第一位になるはずのSonyに、実質的に対抗可能な製品が存在しないこと(一年前の液晶WEGA KDL-L26HVXでは・・・HDMIも付いてないし)。

こういうマニア好みの「小さい画面でも、他のメーカーとはちょっと違う、ピリッとスパイスの効いた高画質でかっこいいテレビ」ってSonyが一番得意とする製品のはずなんですけど。

iPodもそうなんですが「Sonyがやるべきことを他社にやられてしまい、Sonyが『その他大勢』と一緒になってしまう。」という、Sony不調の典型例みたいな製品分野になっています。

そしてもう一つ、Sonyに限らず各大手電器メーカーの大画面機への偏重ぶりには、ちょっと異常さを感じます。もうちょっと中・小画面液晶にも、まともな画質のマシンを用意すべきではないでしょうか?小さいのを買う人に、画質にこだわる人がいないと考えているのかわかりませんが、無理に大画面を買わせるように誘導するのはなんか間違っていると思います。


それにしてもこのFORIS.TVのデザインディレクター川崎和男さん、製品発表会でいいこと指摘しています。そのことについてはまた別の記事で。


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