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Time Machine Network 前編 [Sony・VAIO]

既報の通り、CEATEC初日にあわせVAIOの新機種が発表されました。

VAIOオフィシャルサイト

昨年の11月「1TBのHDDに6チャンネルのTV番組を1週間丸ごと録画」という触れ込みで登場した、AVレコーディングサーバー「VAIO type X」が、よりコンパクト・横置きになり、大画面テレビにつないでデジタル放送を録画・視聴、家庭内ネットワーク配信もする“リビングルームコンピューター”「VAIO type X Living」に変身。

アナログ放送全チャンネル丸ごと録画という「タイムマシン」コンセプトは、PCではなく「VAIO X ビデオステーション」という、純粋ビデオレコーダーに抽出・分離されることとなりました。

一方、こういうデジタルホームのリビングに置かれることを狙った「type X」とは正反対に、若者が肩肘張らずに使えるよりパーソナルなPCとして、人気のオールインワン「type F」の小型版「type F light」を同時発表するという、Sonyお得意の二正面作戦を展開。

どちらもSonyらしい独創性と、オシャレなデザインに身を包んだ、かなりの自信作と言っていいのではないでしょうか。

では一つずつ見ていきましょう。

リビングルームコンピューター「VAIO type X Living」 VGX-XL70S

昨年登場した初代「VAIO type X」VGX-X90P/90PS は、リビングに床置きして使うという、かなり風変わりなデザインコンセプトで開発されたため、やたらと図体がでかく(それでもtype Rとそれほど変わらないのだが)、普通の日本の家庭で使うにはちょっと躊躇するような存在感を持っていました。

それでは一般家庭には入り込めないと考えたのか、今回のtype X LivingはVAIOにしては珍しい横置き専用デザインになり、幅が430mmと標準的なAVコンポーネント機器と全く同じ幅にするなど、明らかに「PCというよりテレビの下に置くAV機器」という使い方を意識したデザインとなりました。

実際大きさを最新型のデジタル対応スゴ録 RDZ-D90と比較してみると

・スゴ録 RDZ-D90 幅430mm×奥行き346mm×高さ84.2mm
・type X Living 幅430mm×奥行き400mm×高さ129mm

やはりPCではなくAV機器のサイズですね。

もう一つ、おそらくVAIO MX(実は僕これ持ってました)以来と思われるスロットローディング式の光学ドライブを採用して、一段とPCらしさを感じさせないシンプルなデザインにもなっています。BRAVIA Xと組み合わせたこのカタログ画像、知らない人が見たらPCだと気づかないかもしれません。

PCじゃないように見えて実はPCというこのtype X Livingのデザイン、素晴らしい出来だと言っていいのではないでしょうか。

しかし見た目はAV機器でも中身はれっきとしたWindows PC、それも前モデルに続いてのかなりのハイスペック機で、CPUにPentium D 820(2.8GHz)、チップセットはIntel 945G Express、
メモリは512MBか1GB、グラフィックにNVIDIA GeForce 6200TC (PCI Express x16接続)256MB(GDDR3 SDRAM)、HDDは500GBか1TB、光学ドライブはDVD±R/W(+R DL対応)・・・とまぁ、ただのPCとしてみても相当なレベルです。

ところがこれほどのPCが映像出力にHDMI端子とD4端子しか備えていません、DVIもアナログVGAも無いのです。そのうえ出力解像度はテレビの規格1920×1080(PCの規格WUXGA 1920×1200ではない)が最高解像度になっています。そうPC用ディスプレイではなく「大画面テレビにつないで使え」というPCなのです。

ここまで完璧に大画面テレビにつなぐことを前提としたPCを売るというのは、他のPCメーカーには見られない、テレビの会社Sonyらしいやり方だと思います。

NECや富士通はPCのディスプレイそのものを、32型といったテレビ並の大きさにするという方向で行っていますが、テレビとPCでは製品寿命がまるで違うので、一体化することに僕は非常に懐疑的でした。

それがこういう形であれば、テレビは好きなのが選べるし、PCだけ早いサイクルで買い換えることも出来るので、無駄のない購入計画が立てられるよりユーザーフレンドリーなコンセプトだと思います。

当然リビングで使うわけですから、リモコンで離れた場所から操作することを考えた、いわゆる「10フィートGUI」で使うのが中心になると思われます。そのためにリモコンだけでなく、キーボードもワイヤレス。キーボードにはマウス代わりにタッチパッド、Felicaポートも付いています。

ちゃんとしたアンプ類につなぐことも考えてか、この秋のtype R/type V/type Hに搭載された高音質エンジン「Sound Reality」を搭載。各レビューを見る限り、この「Soun Reality」チップかなりの高音質なようで、ノイズだらけのPCでも音質に期待が持てる時代がようやく来たようです。

で、このマシンの最大のハイライトは、地上・BS・110度CSデジタルチューナー×1、地上アナログテレビチューナー×2のトリプルチューナー搭載なこと(アナログ×2のみも選択可)。最大1TBのHDDにデジタル放送をストリーム録画可能ということで、BSデジタル(約24Mbps)だとDドライブ894GBに約87時間のデジタル録画が出来ます。

アナログの方はダブルチューナーなので2番組同時録画ができ、So-netのテレビ王国との連携で自動録画機能「おまかせ・まる録」も実現されています。

ちょっと残念なのが、アナログ放送視聴にはおなじみの「Do VAIO」を使うのに対し、デジタル放送視聴には「StationTV Digital for VAIO」という別ソフトを使うことになること。どうしてDo VAIOでデジタル・アナログ双方シームレスに視聴する環境を構築できなかったのか、ここはマイナスですね。

そしてもう一つの目玉機能が「VAIO Media Ver.5.0」を使った、デジタル放送コピーワンスコンテンツの家庭内ネットワーク配信サーバーになる機能。

これのために昨日になって、9月29日付けでARIB(社団法人電波産業会)が、デジタル放送のDTCP-IP出力を承認したというニュースが流れたんですね。

DTCP-IPとは何かというと、まずDTCP(Digital Transmission Content Protection)というのが、Sony、東芝、日立、Intel、松下の5社が策定したデジタル伝送用の著作権保護技術であり、
それをIPネットワークに適用するのがDTCP-IPという技術になります。

このDTCP-IPがARIBに正式な「著作権保護技術」として認められたことで、今までB-CASカードと一体で録画した機器でしか見られなかったコピーワンスコンテンツが、家庭内LANに流せるようになり、例えばリビングのtype X Livingで録画したデジタル放送番組を、LANでつながった別の部屋の新ルームリンク(CEATEC 2005で参考展示中)で取り出して、そこのテレビで見るということも可能になるのです。

現状「クライアントの数は最大8個」、「同一のサブネットに限定」という制限が設けられているので、VAIO Mediaお得意の「外から視聴」は出来ないですが、とにかく家庭内ならデジタルコンテンツをネットワーク経由で見られるようになったことで、ホームサーバーの実現により近づいたと言えるのではないでしょうか。あとは全部が全部コピーワンスという、今のデジタル放送のアホな制限をさっさと撤廃してもらうのを待つだけですね。

またすっきりとした無線ホームネットワーク構築のために、IEEE802.11b/gの無線LAN機能を持ち、自らが無線LANアクセスポイントになることも出来るそうです。デジタル放送は帯域が広いので有線伝送しか出来ないようですが、アナログのテレビ番組やSonicStageの音楽の配信だけなら無線で組んでみるのも良さそうです。ちゃんとかっこいいアンテナ付いてくるし。

このような強力なスペックをもったtype X Livingですが、ソニースタイルで最高スペックでシミュレーションすると279,800円!これは安い!

なにせ400GBのデジタル放送対応スゴ録 RDZ-D90は同じソニースタイルで175,000円。これに中程度のスペックのtype Rを別途で買ったら、プラス104,800円じゃすみませんからね。リビングに大画面HD画質の液晶やプラズマテレビを持っている皆さん、これはなまじのDVDレコーダよりはるかに買いですよ~!

これで、ドライブがDVDじゃなくてBlu-rayだったら・・・僕も今頃注文してたかもしれないんですが(^^;)、もう少し、もう少しの我慢ですね。

 

さて、これで「ホームサーバー」としてのtype Xは、デジタル時代のtype X Livingへと進化したわけですが、「タイムマシン」としてのtype Xはどうなったか「VAIO X ビデオステーション」を見ていきましょう・・・と思ったら朝の4時(・ω・)、明日の仕事に問題が出るので、続きはまた明日の深夜に後編でお会いしましょうということで勘弁してください。

【追記】予定より遅れましたが、後編をこちらにアップしました。


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