ALWAYS 三丁目の夕日 [CINEMA]
2005年のベスト1。あ、でも「パッチギ!」があったか。よーし、同率の1位ということにしておこう。
近頃これほど泣かされた映画も珍しい。♪涙の数だけ強くなろうよ・・・♪なんて歌が昔あったなぁ。
ひとつひとつのエピソードは、決して奇抜なものはなく、いわばお決まりの展開といってもいいくらい。でも、これが、じわじわと効いてきて、終わりのほうは堰を切ったように涙が流れてしまう、そんな映画でした。
原作は昔よくビッグコミックで読んでいたけど、ほのぼのという形容がぴったりの漫画でした。この漫画をこれほどまでに感動的な映画にした、監督・脚本の山崎貴はタダモノではない。しかも、昭和39年生まれ。物語の舞台となった昭和33年をまったく知らない世代がつくったんだ。
「僕は人々の記憶の中の昭和を創りだしたいと思ったんです」とは、監督のコメント。映画の中には、確かに自分の子供時代はこんな風景だったなあとか、こんなことやってたやってた、と思わず微笑んでしまうシーンがたくさん散りばめられていて、観ているうちに温かい気持ちになってくるのです。
東京タワーのできあがっていく過程が象徴しているように、この時代の人々は、未来を信じてまっすぐに伸びていこうという気持ちを皆が持つことができた時代だったんだなあと、あらためて思います。
登場人物がそれぞれの場所で夕日を眺めるラストシーン、鈴木オートの息子一平が「50年先だってずっと夕日はきれいだよ」と両親に答える。「50年先」はあと3年でやってくるが、今から50年先の夕日もずっときれいだと言える自信は、ない。でも、いつの時代もきれいな夕日を見ていたい、明日を信じる心を持ちつづけたい、観終わって数日たった今、しみじみ感じています。
2005年11月12日 六本木ヒルズ
六本木ヒルズから眺める2005年の東京タワー
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