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「市川崑物語」 [cinema]

元旦のハシゴ、2本目はこれです。
この作品が現在のところ上映場所が限られていて、これ目当てで今日の映画を新宿拠点でいこうと決めました。

実は、市川監督のキャリアはアニメーション作品から始まっていたこと、初めて知りました。
当初、岩井監督と市川監督が共同演出で長編映画を撮る企画があったそうで、それがひとつの発展形で結晶したのがこの作品、ドキュメントとなりました。詳細が分からなかった時点で、岩井監督がリメイクされた「犬神家の一族」の撮影過程を追いかけたメイキング映像製作を担当しているらしいとか、それはそれで心躍る話題が聞こえていましたが、これは更に人間・市川崑を描き出すより深く突っ込んだ形の作品。市川監督と妻であり脚本を手がけていたパートナー・和田夏十さんへのリスペクトが昇華して岩井監督独自の筆致で語られる言葉が、じんと胸に染みました。
特に前半はモノクロで静止画像(要するに当時の貴重な写真資料)、そしてシンプルで穏やかな音楽と字幕の活字をひたすら追いかける映像で、これ以上はない淡々とした味わい。その語り口の基本線は変わらないけど、次第に後半に熱がこもってくるのは、岩井監督自身のリアルタイムでの体験が肉付けされ、抑えてもその熱狂ぶり、マニアな部分がどうしても見え隠れしてくるからでしょう。その分、語られる言葉も生き生きしてて、ユーモラスでもありました。
一通り観終えると、これは狙いでもあるんでしょうがやはり、リメイクされた「犬神家の一族」を観たくなります。まだ観ていないままなので、早速都合を調整して、出かけようと思っています。

なお、本編と全く関係ないんですが「犬神家」をPCで変換しようとすると何度やっても「犬が三毛」と出てくるのは気持ち、微妙です。

市川崑物語

市川崑物語

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/06/29
  • メディア: DVD


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ken

昨年の東京国際映画祭で市川昆監督をお見かけしました。
実は齢90を超えているとは思っていなかったので、舞台挨拶の際、
車椅子に乗って登場したときは驚きましたが、監督の作品に対する
コメントにはもっと驚きました(TBします)。
そんなわけで、この映画もすごく興味があったんですけど、
観るチャンスはないまま、終わっちゃいました…。
by ken (2007-02-12 23:01) 

cs

kenさん>
niceとコメント、更にTBまで、どうもありがとうございます。
自分にとっては市川監督というと、準監督の方がなぜか馴染みがあって作品を観ても肌があうというか、あの淡い味わいが好みだったんで、巨匠で今でもバリバリの現役・崑監督は勉強不足なのでした(「どら平太」は観たりしてますが、他はまだ全然・・・)。
なので、自分にとってはこのドキュメント映像は入門編です。最近有線チャンネルで過去の作品を放映してくれているので、順次鑑賞していきたいと思います。
by cs (2007-02-12 23:33) 

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