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バルラハ展 [つぶやき]

                            

 午後、日比谷で外部とのミーティングがあったので、昼休み時間を利用して、ちょい不良して、早めに出発、東京芸大美術館に行ってきました。バルラハ展(ボクはバルラッハと呼ぶ)が目的です。14年ぶりのエルンスト・バルラッハ(1870-1938)です。ドイツの彫刻家。とりわけ印象深いのは、現代ヨーロッパには、珍しく木彫です。日本でのバルラッハ展は初めてだそうな。

 「ドイツ芸術の復興なしに民族の興隆なし」=ナチスに弾圧されたバルラッハの作品にもう一度会いたいと思ったのです。別にナチスに弾圧されたから、彼の作品の価値が高まったのではなく、見た人の魂を揺さぶる高い芸術性を持った作品群です。「寝巻きを着た2匹のサルの抱擁」とナチスに酷評されたキリストとヨハネの「再会」も来ていました。ボクにとっても14年ぶりの「再会」です。92年4月に旧東ベルリンの国立美術館で開かれた「堕落した芸術展」が出会いでした。

 ナチスの宣伝相ゲッペルスによる芸術弾圧と、東独共産党政権による芸術弾圧とは、まさにアナロジーなのです。そんなことは別にして、彼の作品は人間的な優しさに溢れています。悲嘆にくれた人々や悲しみに打ちひしがれた人々に対して、バルラッハの優しい目が注がれています。ナチスに弾圧された晩年、彼がどんな気持ちで過ごしていたのか?最後まで後ろ指を刺されることなく、自分の良質な精神(良心とも違うし表現手段がありませんが)に殉じた芸術家の魂が作品に宿っているような気がします。


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TaekoLovesParis

IkuBayさん、こんばんは。
エルンスト・バルラッハ、初めてきいた名前でした。
IkuBayさんの説明を読んで、見てみたい!と思っています。
by TaekoLovesParis (2006-05-12 20:28) 

ikubay

 絵画を鑑賞するとき悪い癖でどうしても観念的になってしまうのだけど、バルラッハは素直に感動できます。優しさが作品に表出されてるからなんでしょうね。
by ikubay (2006-05-14 11:46) 

TaekoLovesParis

見てきました。よかったです!教えてくださってありがとうございました。
プラドを見たあとに行ったのだけど、客層がぜんぜん違いました。
後日、感想をブログにのせますね。
by TaekoLovesParis (2006-05-24 23:02) 

TaekoLovesParis

IkuBayさん、私は説明が下手なので、私のバルラハの記事に、ここを
リンクさせてください。
by TaekoLovesParis (2006-05-26 02:27) 

IkuBay

私の拙い文章でよかったら、いつでもお使いください。
by IkuBay (2006-05-26 11:27) 

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