知られざる本物・3

最近はアメリカのトーナメントシーンでも水面直下を引くプラグが話題のようです。日本でもサーフェイスクランクが何種類か発売されており、気に入って使っている人も多いことでしょう。

私自身もサーフェイスクランクに関しては色々な市販品を買い漁ってあれこれ試行錯誤を繰り返しました。結果、問答無用に良いと思えるのはOSPのバジンクランク。これは非の付け所が有りませんでした。バンディットのフットルースもお気に入りでしたが、最近のものはモールド変更によって泳ぎが変わってしまったという残念な噂も耳にします。私が所有しているフットルースは古いタイプのものなので、大事に取っておこうかと考えているところです。

その他の製品についてはアクションレスポンスがイマイチだったり、どうしても水面下に潜ってしまったり、リトリーブスピードがシビアだったりと、私自身が合格点を付けられるものはありませんでした。強いて言えば、ストーム（ラパラ）のサブワートがなんとか合格圏内にランクインする程度でしょうか。

もっとも、バジンクランクやフットルースに関しては皆さんご存知でしょうし、あえてここで取り上げるほどのものではないでしょう。そこで今日はあまり話題に上がっていないプラグを紹介します。もちろん私自身が合格点を付けたものです。

DUEL社の「魚舞流０」。クランクベイトとミノーの中間的なボディーフォルムと垂直に立っているリップが特徴的です。内部にはマグネット式の重心移動も搭載しています。

アクションレスポンス良し。ちゃんと水面を引き波立ててキビキビと泳いできます。リトリーブスピードもスローからファーストまでちゃんと対応しています。泳ぎに関しては、このジャンルには珍しいタイトウォッブリング。これは水面を引くプラグとしては極めて稀な存在で、それだけでも存在価値が十分あるというものです。バジンクランクの泳ぎではちょっとアピール過剰かな？と思えた時などは試してみる価値大です。形状といい泳ぎといい、おそらくシーバスにも効くのではないかと思います。

ところが何と、実はこの素晴らしいルアーも生産中止品。現行品の中には、このルアーの代替品となるものはありません。水面を引くルアーなのでさほどロストもしないだろうとは思うものの、中古ショップなどで見かけたら即買いしているルアーの1つです。どうしてこんなにいいルアーがさほど話題にも上がらず消えていかねばならないのか、本当に不思議に、そしてとても残念に思います。

幸い、このルアーはまだ店頭に残っているところもあるようです。見付けたら購入しておいて絶対に損はありません。自信を持ってお勧めできる「本物」の1つです。