スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」 [★ カンゲキ日記]
遅くなりましたが、まだ書いていなかったレビューを少しずつアップしていきます。
◎2005年5月23日(月)スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」/松竹座/(作)梅原猛(脚)(演)市川猿之助(出)市川右近、市川段治郎、市川笑也、市川猿弥、市川笑三郎、市川春猿、市川門之助、金田龍之介、市川弘太郎、他/♪♪♪♪
スーパー歌舞伎の原点「ヤマトタケル」の再演。今回は病気療養中の猿之助さんにかわり、右近さんと段治郎さんがヤマトタケルと彼の従者・タケヒコの二役をダブルキャストで演じる。私は段治郎バージョンのみを観劇。初演は見ていない。
誤って双子の兄を手にかけてしまったヤマトタケルは、父帝の怒りにふれ、西の熊襲(くまそ)、東の蝦夷(えぞ)征伐を命じられる。見事、役目を果たしたタケルだったが、その帰路、さらなる試練を与えられ、伊吹山の山神と戦うことに。しかしタケルは、自らの慢心によって深手を負ってしまい、都の土を踏めぬまま、真っ白な鳥となって昇天する。
はじめ、段治郎バージョン、右近バージョンの両方を見ようと思ったのだが、まずは段治郎バージョンを観劇。右近さんの声は特徴があるので、段治郎さんの演技を見ながら、右近さんならこんな感じかと想像しながら見ることができた。主人公・ヤマトタケルに力強さを求めるなら右近さん、美しさを求めるなら段治郎さんか。
第一幕、双子の兄弟、大碓命(おおうすのみこと)と小碓命(おうすのみこと=のちのヤマトタケル)を早替わりで演じる段治郎。兄の大碓命の方が魅力的なキャラクターに思えたが、すぐに殺されてしまい、この小碓命が主役で物語が進行するのかと少々物足りなさを覚えた。
しかし、第二幕以降、小碓命が苦悩や試練を乗り越え、恋をし、ヤマトタケルとなって、人間的に大きく成長していく様を見せられるにつれ、なるほどあの物足りなさは演技か、汚れを知らぬ青年故かと納得。
熊襲の国での華やかな宴会シーンの唄や踊り、草原での火攻めのシーン、京劇俳優が登場してのアクロバティックな戦いのシーン、伊吹山での山神(猿弥)や姥神(門之助)との戦い、ラストの宙乗りなどなど、見所満載で大満足。
カーテンコールで最後に舞台に登場したヤマトタケル(段治郎)が、父帝(金田龍之介)と手を握り合ったのが印象的だった。あの一瞬ですごく救われた気がする。兄が謀反を企んでいたことを隠そうと真実を語らなかったため、父帝の怒りをかった小碓命(=ヤマトタケル)は、ついに父と和解できないままこの世を去っていたのだ。
↓ 初演の猿之助さん主演作も見てみたい。
この舞台のセット(舞台美術)を手がけてる男性の方・・・
わたくしの友人でございます!
チケットあったのに、いけなかったので、記事たのしく拝見しました!
by (2005-10-14 12:21)
舞台美術も衣装も素晴らしかったですよ!
スーパー歌舞伎は、他の歌舞伎公演より、若い観客が多いような気が。
クリエーター系風の若者もよく見かけます。
by YUMiKO (2005-10-14 13:53)