劇団風斜 第47回公演「カノン」 [★ カンゲキ日記]
遅くなりましたが、まだ書いていなかったレビューを少しずつアップしていきます。
◎2005年8月27日(土)劇団風斜 第47回公演「カノン」/神戸アートビレッジセンター/(作)野田秀樹(演)日下部佐理(出)高井幸康、北井さやか、諏訪いつみ、のりまきのりこ、他/♪♪
前回の公演「ハッシャ・バイ」は、偶然見た。今回は、野田作品だと聞いて興味を持ち、自ら足を運んだ。野田地図オリジナルは見ていない。
さてさて、初体験の野田作品との相性は?
あらすじ↓
『無数の欲望眠る夜の都羅生門に、女ボスの沙金と愛人の太郎が率いる盗賊の一群。
そもそもの因縁は、捕まえられた沙金が、牢番たる太郎の隙をついて逃げ出し、投げ渡したアカシアの花がその発端。
ああ、いとしき自由の女神よ、犯した罪をまた罪が追う転落のメロディ、それがカノン。
メリメ「カルメン」と芥川「偸盗(ちゅうとう)」を両足踏んづけて、「自由」を盗むか、超シリアスで、とってもピカレスクな野田ワールドを天もご照覧あれ!』 (チラシより転載)
難解なことで有名な野田作品だが、そんなことはなかった。
ただ、予想通り台詞が多く、テンポも早い。しかも言葉遊びが随所に散りばめられている。
<例えば、じゆう(自由)という宝を求めていたはずが、手に入れたのはじゆう(銃)だった…といった感じに。←台詞は違いますけど、ニュアンスだけでも伝わります?>
マザーグースの詩のように、わかる人はクスッと笑えるけれど、わからない人(野田秀樹のトリックに気付かない人)は、きっとどんどん置いていかれるのだろうな~と、勝手な想像をしながら見た。
それにしても、言葉遊びというのは、役者の力量が試されるものだと痛感。頑張っている役者さんもいたけれど、前半ほとんど台詞が聞き取れない役者さんもいたのが残念だ。難しい作品を選びすぎたのでは?
猜疑心、裏切り、三角関係に、史実、世相が入り混じったシリアスな芝居をエンターテインメントとして料理してみせる、天才・野田秀樹の演出だからこそ、言葉遊びも活きるのではないだろうか。
家に帰って調べたら、野田地図では、盗賊の女ボス・沙金を鈴木京香、その愛人・太郎を唐沢寿明、二人と三角関係にある太郎の弟・次郎を岡田義徳くんが演じたらしい。まぁ、唐沢寿明の演技力もどうかと思うが(彼は舞台より映像向きだと私は思う)、この日見た芝居を思い出しつつ、キャラクターをあてはめてみたら、アリかもしれないなという気がしてきた。
一ヶ所、意味がわからなかったのが、なぜ役人の屋敷を破壊する場面で、突然鉄球が出てきたのか。 (「浅間山荘かいな」と、思わず心の中でツッコんだ)
で、これまた帰ってネットで調べてみたら、やっぱり浅間山荘事件をモチーフとして盛り込んでいたらしい。どうやら細部まで作りこまれていて、いくら私がココでこんな風に偉そうなことを書いていても、気付かなかった点が多々あったのではないか。やはり天才の考えることは、そう容易く理解できるものではないようだ。ぜひ、野田作品を何作か見てみたい。
ところで、劇団風斜の次回公演は、クドカン作品「鈍獣」をやるらしい。これも未観賞。私のツボをついたチョイスだけど、見に行こうかなぁ、どうしようかなぁ…。
私は天才・野田秀樹に負けました。
そもそもそんな人がいるのも知らなかった。
劇団のひとりぐらいかと。
じゆう(自由)がじゅう(銃)のところはブルーハーツがとつっこんでいました。
あの鉄球は「ガンダムハンマー」と愛称があるようです。
by イチ (2005-10-07 22:40)
「ハッシャバイ」そして「カノン」ご来場いただきまして、まことにアリガトウございます。劇団員にかわり感謝いたしまする。
「ハッシャバイ」につづき次回「鈍獣」も演出として劇団風斜さんの公演に参加させていただくことになりました。(「カノン」はチャンバラの動きのみ私がつけさせていただきましたが^^;)
で、ですね・・・・。
「鈍獣、面白いですから絶対みにきてください!」
あ、いっちゃった・・・・・。
言ったかぎりはやります。ぜひ!(宣伝みたいになっちゃった。すいません)
by 湊達也 (2005-10-08 01:01)
イチさん。
別に勝たなくてもいいですよ~。
好みの問題もありますし。
結構、テレビなんかでも芸能人が野田秀樹の芝居を見て、
「ぜんぜん意味わからんかった」って言ってたりしますから。
私も、今回初めて見たので、エラソーなこと言えないんですけどね。
湊さん。
きゃー、すいません。演出家さんの前でド素人がエラソーに。。失礼しました。
「ハッシャバイ」面白かったです。
なので、(湊さんが書き込んで下さったから言うわけじゃありませんが)
「鈍獣」も「ハッシャバイ」の時と同じ人が演出するんだ~って思ってて、
6:4ぐらいで、見に行こうかなって方に気持ちが傾いてたのですが…。
>「鈍獣、面白いですから絶対みにきてください!」
はい! 行きますとも! (↑こう言われちゃあ、ねぇ~)
楽しみにしています。
というわけで、
劇団風斜 第48回公演「鈍獣」は、
12/16(金)~12/18(日) 三宮「イカロスの森」にて上演予定です。
by YUMiKO (2005-10-08 01:40)
私も観に行きます。
by イチ (2005-10-08 18:15)
イチさん。
よろしければ、イチさんの「カノン」の記事とTBさせてください。
by YUMiKO (2005-10-09 01:32)
どうぞ。
ところで「イカロスの森」ってどこ?
by イチ (2005-10-09 09:11)
ありがとうございます。
「イカロスの森」は私も行ったことがないのですが、
「カノン」のときにもらった仮チラに地図が載ってましたよ。
ネットで調べたらHP↓がありました。
http://www.ikarosu.com/
神戸市中央区琴緒町4-7-9関西ビル302号
by YUMiKO (2005-10-09 13:02)
イチさんの記事(http://blog.so-net.ne.jp/evo3/2005-08-28)にTBさせていただきました。
by YUMiKO (2005-10-09 13:08)
随分ご無沙汰していました。ミルクです。この間、「鈍獣」を観に行きました。会場の大きさのせいか、出演者の熱のせいか、伝わってくる熱伝導が大きかったです。ただ、観ている方がやや恥ずかしかったりするんですね。
演出の湊さんは、最後に挨拶している、がっちりした方ですか?
私は他の劇団の演劇を見に行ったことがありませんので、今年(来年でいいです)お勧め演劇を教えてください。
by ミルク
by ミルク (2005-12-23 09:42)
ミルクさん、いらっしゃいませ~♪
演者との距離が近すぎると、照れくさくて、どこ見てたらいいかわかんなくなりますよね。でも、私は小さい箱(小劇場)の方が好きです。
「鈍獣」も、後日、感想アップしますね。
>演出の湊さんは、最後に挨拶している、がっちりした方ですか?
残念ながら、存じ上げておりません。が、たぶん、そうなのでは?
オススメですか~? ん~~~?
お好みがわからないので、難しいですね。まずは、お好きな俳優さんが出ている作品を見てみてはいかがでしょう。あとは、演劇雑誌などを参考に、興味の持てる作品を選ぶとか・・・。
でも、あんまりメジャーだとチケットが高いし、手に入りにくいんですよね~。
個人的にオススメの劇団は、関西なら
スクエア(http://square.serio.jp/index.html)
南河内万歳一座(http://www.banzai1za.jp/index.html)
ファントマ(http://www.fantoma.info/)
など。面白いですよ。
あとは、
劇団M.O.P(http://www.g-mop.com/index.html)
加藤健一事務所(http://homepage2.nifty.com/katoken/)
など。いろんな意味で、安心して見ていられます。
来年の公演予定はちょっとわかりませんが、ご参考まで。
by YUMiKO (2005-12-23 16:20)
今度知り合いの役者2人がファントマにでます。
どんな役で出るか楽しみ。
by イチ (2005-12-25 19:15)
イチさんって、演劇関係のお知り合いが多いんですね~。
私も、久々にファントマ見に行こうかな。今からチケット取れるかしら。
by YUMiKO (2005-12-26 18:05)
前回のサイボーグ侍も面白かったようですよ。
私は時間がなくて行けませんでしたが。
「戦国時代にサイボーグやで、面白いわけないやん。」と聞きましたが。
by イチ (2005-12-26 22:30)
イチさん。ファントマは、ツボにハマればかなりおもしろいですよ。好き嫌いは分かれるかもしれませんが。
by YUMiKO (2005-12-27 14:14)