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・・・Say Me [感想文]

 で。
 Mr.BOOといえば、なんといっても広川太一郎。

 声優の実力とはどういうものなのか。なにをもってして、声優の実力をはかるのか。
 特に洋画の吹替えであるなら、オリジナルの台詞まわしの雰囲気を忠実に再現できるのが、実力のある声優ということになるのだろう。そしてそれこそが、洋画吹替え声優に与えられた仕事である。
 しかし広川太一郎はその声優の役割を大きく逸脱し、声優のできること、可能性を広げている。
 吹替えによって、オリジナルとは別の作品にしてしまうのだ。それを大いに実感できるのがこれ。『キング・コング』リメイク版も公開されることだし。

クイーン・コング〈限定版〉 映画自体はカスである。あまりにもひどすぎて目もあてられない。
 しかしそれを“くだらないZ級映画”として楽しめるレベルまで引き上げ、商品として成立させてしまっているのは、広川太一郎先生の吹替えによるものである。オリジナルではまったく言われていない言葉をアドリブで織り込んでいくおなじみの広川節により、まったく別物の作品に作り変えられている。

 Mr.BOOも、吹替え版の方がおもしろかったりするわけだが(というより吹替えじゃないとおもしろくない)、それよりもこの『クイーンコング』のように、比較対象となるオリジナルがひどければひどいほど、吹替える広川大先生の実力がはっきりとみえてくる。きこえてくる。


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