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感想@鬼頭莫宏「ぼくらの」第3巻*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

小学館から単行本が出ている漫画「ぼくらの」3巻の感想です。
作者は鬼頭莫宏氏、連載雑誌は月刊「IKKI」です。

全体と第1巻の感想はこちら↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24
第2巻の感想はこちら↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-1

以下、単行本8巻以降を含むネタバレがあります。
(アニメネタも少々含みます)
未読の方はご注意を。

カコ(加古功)編です。
二人の話がセットになっている進行上、
次のパイロットであるチズ(本田千鶴)についての感想も
ついでに書いていきます。

アニメでは何もできずに
醜態を曝して終わったカコ君ですが
アニメ以上に駄目だったんだなぁと思いました。

物や人に当たったりしているのは
人間臭かったです。
私も多分こうなると思います。

でも、自分が死ぬからって何でもしていいはずがないし、
チズを襲おうとしたのは、読んでて本当に嫌だったので
同情できない……する気にもなれませんでした。
ただ、軍が何とかしてくれるかもって望みを抱いた
(抱かされた)後に
やっぱり駄目だったってことで
関さんに「すまない。敵が、来る」と言われて
絶望させられたのは、かわいそうでした。
ぬか喜びさせられた分、
余計に辛い思いをしたのではないかと。
カコ君の死に方にもびっくりです。
死に意味合いを後付けするのは好きじゃないのですが
あまりにも無意味だったなぁと。
あと、本格的な戦闘に入る前に
夢から醒めるところは、
ちょっとゾッとしました。
自分が起きた時、こんな状況だったら本当に嫌だと
思いました。

カコを殺したチズも、
その前に「できる」「できない」のやり取りがあったとはいえ
あんなに簡単に彼を殺せちゃうとは……。
それだけ、
畑飼たちに対するチズの殺意が本物だったんでしょうね。
これから何人も殺すつもりなんだから
今さら一人増えたところで
(キリエ君以外の皆には、仲間意識もなかったみたいですし)
どうということもなかったのかもしれません。

私は、「ぼくらの」以外での鬼頭先生の作品を存じ上げないので
例として挙げられるのが「ぼくらの」しかないのですが、
この先生って、目立つ(大きな)擬音や擬態語は
太いマーカーで一発書きされることが多いですよね。
チズがカコを殺すシーンP132では
細いペンで、やぱり一発書きされてるようで
これが本当にピッとナイフを動かした感じ(軽く、素早い)が出ていて
怖かったです。
あとそのページの2コマ目。
カコの首筋に、
彼の首と頭に隠れながらもチズの指が見えてるじゃないですか。
うわーと思いました。

チズのエピソードは酷いです。
はっきり言って、読んでて気分が悪くなりました。
wikiでネタバレを読んでてもきつかったです。
アニメでも嫌でしたが
それ以上に漫画は読んでて悲しくなりました。
畑飼によって閉められたドアを半狂乱になって開けようとするところとか、
その翌日に、別の女生徒と親しそうにしている畑飼から
何事もなかったように話しかけられたところとか。
まさに、一瞬にしてチズの世界が変わってしまったんだなぁと。
実はお姉ちゃんと付き合ってたっていう設定も
(しかも、畑飼がキリエ君に語った話では
チズの姉は一度も抱いてないというし)
酷過ぎます。
畑飼は、大好きな人の妹ということで、
チズを大事にしてあげられなかったんでしょうか。
そんなに、チズの姉だけが大事で
彼女を取り巻くものはどうでも良かったのかな……。


ところで、この巻から本格的に介入を始めた国
(というか軍)ですが
佐々見さんが何も分かってなくて偉そうですよね。
P28の罹災地域を見せるところとか
P38の台詞とか。
もうそんなことを言ってる場合じゃないのに。
この時点では何も知らないので、こうであって当然なんですが
どうも鼻につきました(笑)。

そして田中さん!!
アニメより少し老けてるなーという印象です。
でも、人を食ったような印象(「コエムシさん」のくだり)は
変わりませんでした。
素敵な女性という感じです。
関さんもカッコいい……。
佐々見さんが、最初から子供達を見下している一方で、
田中さんと関さんは子供に近い目線でいてくれる大人なので
彼ら二人がいると、読んでいてホッとします。

文科系なら何でも得意そうなコモが
絵が下手なのは笑っちゃいました。
やはり、キャラの不得意な面は魅力に変わりますね。
かわいい。
あと、手首落とされた庄司さんがいい空気っぷりで
あまり意味なかったんじゃないかと。
でも、関さんが好きなので、
アニメで彼の手首を落とさせたのは好きじゃないです(笑)。
やたらとキャラが多いので
庄司さんがいない点は良いとは思いましたが。

────

第3巻の感想は以上です。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
4巻以降の記事に続きます。
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25


2008-02-24 22:49  nice!(1)  コメント(0) 
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